気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Fabled Game開発、PC向けに4月14日正式リリースされた海賊カードゲーム『Pirates Outlaws』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、海賊がテーマのローグライクカードゲーム。さまざまな領域で部隊を管理しながら、行く手を阻む海賊や無法者と戦う「NAVIGATE」と、チャレンジを望むチャンピオンのための「ARENA」という2つのモードを搭載。500枚以上のカードと150以上のレリックが登場します。日本語にも対応済み。
『Pirates Outlaws』は、1,980円(4月21日までは1,485円)でSteam配信中。iOS版(120円)/Android版(110円)はアイテム課金制です。
――まずは自己紹介をお願いします。
Nicolas氏(以下、敬称略)こんにちは、Nicolasです。Fabled Gameスタジオの創設者であり、ゲームプロデューサーをしています。本作においては、クリエイター兼アートディレクターを担当しました。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Nicolas私はフランス人のアーティスト兼UIデザイナーとして、中国・深センでこれまで7年間仕事をしてきました。そして今から2年前、新たなスタジオの設立と本作の開発をしないかという声がかかったのです。アジアとフランスのゲーム文化をミックスさせたユニークなスタジオが設立できるという、素晴らしい機会でした。当初、本作の開発に携わっていたのはわずか4人でしたが、今では9人が当スタジオで働いています。本作は当初モバイル向けだったのですが、すぐにSteamでも展開することにしました。
――本作の特徴を教えてください。
Nicolas本作では開発段階において徐々に改善されていった様々な特徴的なシステムがあります。ターン制カードゲームである本作ですが、海賊というテーマに沿った独特なエネルギーシステムを採用しています。カードのコストは「弾薬」であり、カードを使ってその「弾薬」をリロードするのです。
本作では様々な特徴を持ったカードが大量に登場しますし、独特な能力を持った13のキャラクターと事前に用意されたデッキが存在します。そして多くのトロフィー、クエスト、シークレットもありますよ。
本作はシングルプレイヤー向けのアドベンチャーゲームです。どのようなプレイヤーにも楽しんでいただけるように意識しました。プレイヤーは6つの海を航海し、探索しますが、先に進むほど難易度も上がっていきます。高難度を求めるプレイヤーには、「ARENA」が用意されています。このモードでは、これまでに集めた全てのカードとレリックが使用できます。
また、とても独特なアートスタイルを採用しており、コミュニティからも高い評価を頂いています。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Nicolasデッキ構築を行うターン制カードゲームとして、多くの人気カードゲームに影響を与えた『Slay the Spire』の影響は外すことができないでしょう。
『Darkest Dungeon』からの影響も、本作のゲームプレイとゲーム体験に深みを与えています。
海賊というテーマは『Sea of Thieves』と「パイレーツ・オブ・カリビアン(カリブの海賊)」からインスピレーションを受けています。しかし本作においては、実際にあった海賊の話をベースに、クエストやキャラクターの世界観を構築しました。
――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?インディーゲーム開発者への支援はどのようにして行えばいいでしょうか?
Nicolas新型コロナウイルスは中国のお正月(春節)の時期に本格的にやってきました。当時、大型アップデートのスケジュールはすでに出来上がっていましたので、スケジュールへの影響は小さかったですし、自宅からのテレワークの調整もすることができました。本作のリードエンジニアは湖北省にいたのですが、本作のアップデートは無事に行うことができました。
ファンの存在はモチベーションになりますし、素晴らしいフィードバックもいただけます。私たちは自分たちで作り、自分たちでパブリッシングするので、彼らの声を聞き問題を解決するというのは最優先ですし、作品のクオリティを保つためにも重要な存在です。また、彼らに常に興味を持っていただくためにも、アップデートを頻繁に行ってきました。
モバイル版配信1周年を記念し、Discord上の本作のコミュニティと一緒に、ゲームに実際に登場するカードのパッケージ作りをしたりもしましたよ。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Nicolas私たちのゲームへの情熱とゲーム文化への理解は、日本のゲームと日本のゲーム文化から多大な影響を受けていると思います。これらの経験が、私の作るコンセプトやデザインにも影響を与えているのです。私たちを含む多くのインディーゲーム開発者やスタジオは、自分たちの作品が日本でリリースされ、日本のゲーマーの皆さんに遊んでもらえることを誇りに思っていることでしょう。
――ありがとうございました。
◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後のインディーデベロッパーにメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に250を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。
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