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時間を操る少女とネコの協力パズル『Timelie』―「完璧」な行動結果を作り出すために【爆速プレイレポ】

発売からなるべく早いプレイレポートをお届けする爆速プレイレポ。今回はタイのデベロッパーによる時間を操るパズルゲーム『Timelie』です。

連載・特集 プレイレポート
時間を操る少女とネコの協力パズル『Timelie』―「完璧」な行動結果を作り出すために【爆速プレイレポ】
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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。


今回は2020年5月21日にUrnique StudioよりPC(Steam)向けにリリースされた『Timelie』について生の内容をお届けしたいと思います。



『Timelie』とは


本作は、タイのインディーゲームデベロッパーUrnique Studioによるパズルゲーム。不思議な世界に閉じ込められた少女が、謎の猫と協力しながら脱出を目指します。少女は「時間を操る能力」を持っており、行動をすべて過去に戻す事が可能です。また、橋などの壊れたオブジェクトの修復もできます。


本作は元々2015年に大学生5人による卒業プロジェクトとして企画されたものでした。2016年にはマイクロソフトが主催している「イマジンカップ」のゲーム部門で優勝、その後もプロジェクトは継続され、タイ国内のコンテストなどでさまざまな賞を受賞しています。

『Timelie』の実内容に迫る!


物語は少女が謎の施設にあるベッドで目を覚ますシーンから始まります。移動やインタラクトのチュートリアルを経て、主人公の少女はステージ内にある「光のキューブ」を取得することで、崩落した橋や道中の穴の時間を戻して修復する能力があることが判明します。




その後、少女の力に呼応するかのように起動した警備ロボットに追われ、逃げ惑ううちに、突如足元が崩れ少女は穴の底に落とされそうになってしまいます。万事休す、かと思われた瞬間に画面に表示される「時間を巻き戻す」の表示。これが少女の持つもう一つの能力であるステージ内の時間を操作する能力です。


逃げろ逃げろ

あっ

少女が穴に落ちる直前まで「時間を操り」、崩れ落ちた床の「時間を戻し」て修復する2つの能力を駆使し、ロボットから一時逃れた少女は巨大な時計のある広場に到達。用意されている4つの扉の中にはさまざまギミックのステージが待ち受けています。不思議な能力を持った少女と、道中登場するかわいい相棒のネコと力を合わせ、この謎の世界から脱出を目指す冒険が開始されます。

「時間を巻き戻す」

戻りゆく時間

崩れる直前で足を止めたことに「なった」少女

時間を操りゴールを目指せ


本作のすべての行動は時間に関連しています。移動はすべて移動可能なパネルをクリックして少女を誘導する方式で、リアルタイムなターン制行動のように警備ロボットも同じように行動を起こします。そのため、敵が迫りくるのを回避するようなアクション要素は本作には存在しません。

警備ロボットには視界範囲があり、こちらを見つけた場合回避不可能な速度でこちらに迫り、少女は捕まってしまいます。ただし本作では少女がやられてもゲームオーバーになるわけではありません。少女の持つ「時間を操る」能力があるため、警備ロボットに見つかる直前まで戻して再チャレンジすることができるのです。

プレイヤーは音楽再生用プレイヤーの「シークバー」のような物で時間を操作することが可能。その力はステージ内で少女が起こしてきた行動を巻き戻すだけではなく、時間を先に進めることで「少女が動かなかった場合この先に何が起こるのか」を確認することも可能です。これはキーボードのDを押すことでも起こせる行動で、警備ロボットの行動を観察するのに役立ちます。

序盤のプレイ動画

このシステムの優秀なところは、パズルゲームにある「解法を理解したけど最初からやり直す」ことの煩わしさが一切起こらない点にあります。例えば2つの大きなギミックがあるステージで、2つ目のギミックを解くのに失敗した場合でも、単に1つ目のギミックをクリアした直前まで戻ればいいのです。自身でいつでもチェックポイントに戻れるこのシステムは、パズルと非常に好相性なアイデアであると感心させられます。

なお、ステージごとには時間の限界があり、あまりモタモタ行動しているとシークバーが右端に到達してしまい行動不可能になります。これが本作では唯一のゲームオーバーになる要素であり、こうなったら大きく時間を戻すしかありません。

シークバーが右端まで行くと行動不可能です。

少女とネコは2人でひとり!協力プレイの楽しさ


ステージギミックには解放する扉や感圧スイッチなどの機械的なもののほか、チュートリアルでも触れた、橋などの時間を戻す光のキューブを拾って起こすアクションなどがあります。また、「ステージの時間をすべて戻すかわりに特定のオブジェクトを初期から修復状態にする」赤いキューブなども登場します。


赤いキューブを取ったことで左の橋はこわれていなかったことに「なって」最初からスタート。

また、チャプターが進むとステージ内で何度か助けてくれたかわいいネコが相棒として合流し、その後はプレイヤーが操作可能になります。ネコは「小さいゲートを通れる」「鳴き声で警備ロボットを引きつける」の2つの能力をもっているほか、感圧スイッチにも干渉可能で、少女の行動をサポートしてくれます。



少女とネコはTabキーでいつでも変更可能。片方が行動しているタイミングでも交代可能なので「少女は警備ロボットのいる部屋のスイッチを押すために歩く」「ネコは鳴き声を上げて警備ロボットを部屋から外に出す」という2つの行動を同時に行うことも可能です。上述のとおりステージには時間制限があるため、片方だけの行動でゆっくりしているといずれは時間が足りなくなってしまうため要注意です。


猫の鳴き声で引きつけられたロボット。
このスキに少女は右側を抜けられます。

パズルクリア後のリプレイ機能が楽しすぎる!


上のプレイ映像でも確認可能ですが、本作はパズルでステージクリア後に「再生」ボタンを押すことで、少女が部屋を脱出するまでの行動がリプレイで表示されます。これは、少女が道中で誤って警備ロボットに捕まるシーンなどはなく、あくまで「少女の正しいルート」だけを表示するものです。

リプレイで見ると少女は華麗に警備ロボットの探索を避け、ときにはギリギリで回避しながらギミックをクリアする、完全無欠な行動を起こしているように見えます。もちろんプレイヤーはそこにたどり着くために苦労をしているため、その間にどれだけの犠牲があったかを覚えているでしょう。それでもこの完璧なリプレイを見直すことで「ああ、少女を無事に導けたんだなあ」という満足感を得ることが可能なシステムです。

華麗なプレイのようですが実際は5回ほど少女が捕まっています。



ここまで紹介してきた『Timelie』ですが、独特なシステムの個性を生かした非常に遊びやすいパズルゲームとして完成度が高い作品です。時間の概念をシークバー表示に、行動をわかりやすいパネル移動式にしたことで「どのタイミングで問題の行動が起こったか」をわかりやすく表現しています。それだけでなく、考えながら他の行動を起こすことがシームレスに行える処理の速さもストレスを感じさせません。

4つに別れたチャプターのうち、以前のステージをもう一度プレイしようとしたときには、「チャプターをクリアした事実を巻き戻す」演出が入るなど、作品の世界観を大事にした細かい作り込みの部分には感心せざるを得ません。オプションメニューから見ることができるスタッフロールもシークバーシステムなのは徹底している製作者の意思を感じて少し笑ってしまいましたが。


謎の多い世界観や可愛いキャラクターも魅力的。適度な難易度とギミックを活かした細かいシステムのゲームデザインは非常に丁寧です。ただ、少女の持つチートなシステムを最大限に活かしたステージ攻略の完璧な「リプレイ」を個別に保存する要素がないのが少しもったいない部分かなと思います。

少女がステージのゴールを目指すルールは非常にシンプルなもの。本作の特徴である「時間操作」はあくまでもギミックを攻略するために複雑に用いるのではなく、少女を正しくゴールに導くためのやり直しに使うもののためアクション性などは要求されません。じっくりと遊びたいパズル好きの方や、この可愛い少女と不思議な世界観に浸りたい方にもぜひオススメの作品です。

危険に見える崩れ行く足場。
こちらが移動を指定するまでは動きません。

果たしてこの場所は……?

タイトル:Timelie
対応機種:PC(Steam
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2020年5月21日
記事執筆時の著者プレイ時間:4時間
価格:1,950円(5月28日まで1,755円)


《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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