今回プレイするのは、Tripwire Interactiveが贈る『Maneater』のPC版。プレイヤーはサメとして、オープンワールドの海で様々な生物を捕食して、己を進化させていくことなります。
鮫を題材にした作品といえば、「ジョーズ」や「ディープ・ブルー」などのトラウマ級のパニック映画がありますが、現在では、時代の経過によっておバカ映画の方が多い印象です。
最近のサメ映画のバカさ加減は、良くも悪くもクセになり、動画配信サービスなどでついつい観てしまいます。
本作からも鮫作品特有のB級的な雰囲気がプンプンするのですが……一体どんな作品なのでしょうか!
舞台は海中、時々地上。主人公は人喰い鮫!
海中からゲームスタート。周りには魚や亀が泳いでいる。
このメジロザメの成魚が主人公だろうか。
対象に噛み付く「捕食」と、尾びれで相手を気絶させる「テールウィップ」が主な攻撃方法だ。操作確認がてら魚や亀を美味しくいただくぜ!
ジャンプすれば陸にも上がれるぞ。
長時間地上に居ると次第に体力が減っていくので、ある程度人間を襲ったら一旦海に戻る。
この前の「じゃんげま」でサメゲーの話をしていたけど、プレイ中に安らかな顔になるろめ子ちゃんの気持ち、めっちゃわかるわ……人を喰う時ってこんな気持ちになるんだな……。
その後も逃げ惑う人間どもを襲いまくっていると、とうとうハンターが出動してきた。
ハンターは銃を使って攻撃してくる。船に飛び乗ってハンターに噛み付いたり、船を破壊したりして対抗する。
人を喰い続けて悪逆の限りを尽くす鮫だったが、ハンターのスケイリー・ペートによってとうとう捕まってしまう。
メジロザメは、吊るされ、腹を掻っ捌かれ、腹の中の子鮫を引きずり出される。
引きずり出された子鮫はそんな状態でもまだ生きていた。子鮫は、隙を見てペートの腕を食いちぎり船から脱出する。
産まれたばかりなのにめっちゃアクティブ!
後に数多の命を喰らう化け物へと進化する、狂気の人喰い鮫の誕生であった。
目に映る全ての生き物はオレの餌!
操作キャラクターが母鮫から子鮫に代わり、ここから本格的にスタートだ。
指定されたストーリーミッションをこなしてゲームを進めていくのだが……最初のミッションは、先程食い千切ったペートの手を食べることだ。
おっさんの手なんか食べたくないのだが、生き物を食べることによって成長するシステムなので仕方ない。嫌々とペートの手に齧り付く。
魚であろうと人間であろうと、殺して食べることで経験値が入り、レベルが上がっていくぞ。
ペートの手を食ったあとは、洞窟を訪れるミッションだ。マップで目的地を確認して向かう。
フィールド上にはランドマークや宝箱が配置されており、ミッションの進行がてら、これらを探して海中散歩するのも楽しいだろう。
ただ、海中には無害な生物のほかに好戦的な生物がいるのだ。
アリゲーターは序盤における強敵。魚や亀と違って体力も多く、動きも素早い。
なにか食べれば体力が回復するので、無害な亀や魚を食べつつ挑むが……なかなか手強く、何度もやられてしまった。
リトライ画面にデカデカと表示された「お魚フード!」の文字。食われて魚のエサになったってことか……?
一旦アリゲーターのことはスルーして先へ進もう。レベルアップすればいつか勝てる日が来るさ……。
鮫のアイデンティティーが失われていく謎の超進化!
ストーリーミッションの他にもサブミッションが用意されている。
サメゲーなので「特定の魚を殺す」「人間を殺す」など、噛み殺すミッションが多い。
ある程度人間を捕食し続けているとハンターがやって来るのだが、さらにそのハンターを倒し続けていると、ボス格のハンターがやって来る。
沼地の惨劇……バイユー・ウィリー!
バーテンダーに終焉をもたらす者……ボビー・ボジャングルズ!
獰猛な小エビ漁師……プーキー・ポール!
面白い二つ名があってザコハンターと比べると確かに強いのだが……そこは人間と鮫なので案外サックリ倒せる。
名前付きのハンターを倒すと悪名ランクが上がり、スキルが入手出来る。
スキルは、顎や尻尾や内臓などの部位ごとに装着可能。ロボットかよ!
子鮫をさらなる進化に導くぜ!
レベルが上がるにつれて、子供だった鮫もいつしか大人に……各種ステータスもアップだ!
入手したスキルの数も増え、いつの間にか電撃まで放てるようになった。一般人はもちろん、あんなに苦戦していたアリゲーターさえ今や問題ではない。
進化と引き換えに、鮫としてのアイデンティティーが薄れていく。
鮫とは一体(哲学)
この後もどんどん鮫離れした進化を遂げていきます。
このことからもわかるように本作は、紛うことなくバカゲーなのですが、思った以上に作り込まれており、出落ち的なインパクトだけのバカゲーではありませんでした。しっかり作り込まれた面白いバカゲーです!
ただ、やることは基本的に捕食するだけなので、やや単調なのが残念でした。ボリュームも少なめなので十数時間ほどでクリア出来ると思います。
海中のグラフィックは美しく、ランドマークや宝箱を探しつつ、戯れに人間を海に引きずり込んでいるだけで楽しめます。鮫映画好きの方にもそうでない方にも是非プレイしてもらいたい1本です。
『Maneater』は、Windows(Epic Gamesストア)/PS4(海外)/Xbox Oneを対象に配信中。ニンテンドースイッチ版も年内に登場するとのことです。
なお、Game*Sparkではレビューも掲載されています。
吉田輝和のプロフィール:自画像の絵日記を20年以上書き続けている謎のおじさん。近年、「ちおちゃんの通学路(KADOKAWA)」や「お稲荷JKたまもちゃん(一迅社)」、「からかい上手の高木さん(小学館)」などの人気漫画のモブキャラとして登場しており、これまでアニメ作品に3回登場した。何故こんなに漫画に登場しているのか、描いた漫画家も吉田本人もよくわからないらしい。 吉田のTwitterはこちら。
「吉田輝和の絵日記」で取り上げてほしいゲームタイトルがありましたら、こちらの申込みフォームで教えてください!すべての要望には応えられませんが、それでも出来るかぎり応えていきたいと思います。