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注目の超自由オープンワールド『クラフトピア』早期アクセス開始記念インタビュー「ユーザーが自然と"面白い"と思えるものを見つけ出せるゲームを作りたい」

ウシが車輪で走る、ウシがベルトコンベアで大鍋に運ばれていく。そんなインパクトの強いPVが話題になった『クラフトピア』。9月4日21時の配信を目前に控えた同作の開発者インタビューです。

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注目の超自由オープンワールド『クラフトピア』早期アクセス開始記念インタビュー「ユーザーが自然と
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2020年9月4日21時に、Steamにて早期アクセスが開始されるオープンワールドサンドボックスゲーム『クラフトピア』。日本人向けの印象深いグラフィックや、トレイラーで示された、真面目なものからふざけたものまで多数の要素に大きな注目を集めています。

そこで本記事では、本作を手掛ける株式会社ポケットペアの代表取締役、溝部 拓郎氏にお話を伺い、同作の特徴や魅力に迫っていきたいと思います。なお、Game*Sparkでは本作のクローズドアルファ版の詳細なプレイレポートを掲載しています。ゲーム内容が気になる読者の方はそちらも合わせてお読みください。



――初めにお聞きしたいのは開発のきっかけです。前作の『Overdungeon』は比較的小規模なローグライトのカードゲームでした。今回の『クラフトピア』はかなり大規模なゲームに見えます。

溝部 拓郎氏(以下溝部)『Overdungeon』はカードやレリックの組み合わせで面白いことが起きるゲームだったのですが、同作で学んだことを生かして2作目を作ろうと思ったのがきっかけです。ちょうどその頃『Risk of Rain 2』というゲームがリリースされて、遊んでみてこれは“面白いな”と。3Dゲームとレリックの組み合わせのメカニズムはもっと面白く扱えるんじゃないかと、当時考察していました。

つまり「3Dのクラフトゲーム的なものをレリックでめちゃくちゃにしたら面白いんじゃないか」というのが実は最初の着想です。もはやその着想からは全く離れて、結果的に全然別のゲームになりましたけど(笑)

当時は、『Overdungeon』で生かした『Risk of Rain 2』『Dead Cells』『Slay the Spire』などのレリックのメカニズムをクラフトゲームに混ぜられないかと思っていました。

――なるほど。ではジャンルとしてはローグライト系が影響として大きかったわけですね。

溝部そうですね、ローグライトにクラフトをプラスしようという発想です。ただ、クラフトゲームは一般にそもそもローグライク要素を内包しているので、ローグライトの中でも特に“レリック”に注目していました。

クラフトゲームを作ろうとしたキッカケは、市場が大きいというのもあります。『Slay the Spire』などは非常に良いセールスを記録していますが、Steam全体で見た場合はカードゲームの割合はごくわずかなんです。

クラフトゲームは、Steam市場の中でも大きい部分を占めており、しっかりと面白い、革新的なものを作れば、十分にまだまだ参入の余地があるなと考えていました。勿論、チームメンバー全員がクラフトゲームが大好きだったというのも大きいです。

――チームとしては今までどのようなクラフトゲームをプレイしてきましたか?

溝部様々なタイトルをプレイしていますが、やり込んだメジャー作品だと『マインクラフト』『Terraria』『Don't Starve』『Factorio』『ARK: Survival Evolved』『Stardew Valley』などがあります。『Factorio』は、RTAにトライするぐらいには好きですね(笑)。どのゲームも好きすぎて業務に支障が出るので、遊ぶ時は短く遊ぶようにルールを工夫した結果、RTAばかりやってしまうようになってしまったので、変な話ですが、この手のゲームはなるべくプレイしすぎないようにしています。

あとは『Conan Exiles』『No Man’s Sky』『ASTRONEER』なども軽く触っています。


――壮大な内容のゲームの本作ですが、早期アクセスが始まった現在の完成度や、開発期間についてお教えください。きっかけとして『Risk of Rain 2』の名前が出ているので、ここ一年ほどの開発なのでしょうか。

溝部仮開発は2019年8月くらいから始まり、開発者1人での開発が2019年10月にスタートしています。追加でアートメンバーをもう1人加えた開発の開始が11月くらいで、そこから少しずつ人数が増えている形です。早期アクセス期間は最低1年から2年ほどを想定しており、正式版に対する現在の開発状況はだいたい30~40%くらいです。基本的な仕組みは出来ましたが、まだまだやりたい事は沢山あります。

――作り続けようと思えば延々と開発できるため「サンドボックスゲームの早期アクセスが中々終わらない」ということがたびたびあります。『クラフトピア』ではどのような折り合いをつけていくつもりでしょうか。

溝部その面については現時点で、深く考えていません。例えば『Terraria』『マインクラフト』などは数年規模のアップデートを続けているので、『クラフトピア』もユーザーの支持を受ける限りは、出来る限りずっと開発を続けていこうと思っています。また『クラフトピア』では、一応の仮目標としてのエンディングを用意する予定です。『Factorio』ならロケットを飛ばす、『マインクラフト』ならばエンダードラゴンを倒してスタッフロールを迎えるなどに近い、ゆるめの目標です。

“正式版”の定義は非常に難しいため、「これならば一般のユーザーの方に広く遊んでもらえるだろう」という時点で正式版にしたいと考えています。そのあたりも含め、早期アクセスでユーザーからの反応を見ていきたいです。

――サンドボックス好きのユーザーが注目する部分として世界の広さがあると思います。『クラフトピア』の世界はどれくらいの広さになっているのでしょうか。

溝部1キロメートル×1キロメートルのほどの複数のワールドマップ上に存在する島を移動していく仕組みになります。数字だけで考えると『クラフトピア』のマップサイズの数字は狭く思えるかもしれませが、実際にプレイしてみれば数字以上に広く感じられると思います。さらに早期アクセス中にはパフォーマンス問題さえ解決すれば、マップを4倍の2キロメートル四方に拡張予定です。

『クラフトピア』はそれぞれがランダム要素を持つ、いくつもの「島」を移動していく形なので違う体験がたくさんできるのではないかと思います。



――自動生成のマップを次々と渡り歩いていく『ポータルナイツ』などのゲームに近いイメージでしょうか。

溝部仰る通りですね。ゲームで言うと地形などが完全ランダム生成の『マインクラフト』と、宝箱などのアイテム配置がランダムの『フォートナイト』の間くらいのイメージを持っていただければいいと思います。昔の『不思議のダンジョン』のようにいくつかの部屋のパターンがあり、それがランダムで組み合わされる仕組みです。

ここは誤解を招かないように強調しておきたいのですが、完全にシームレスな巨大マップオープンワールドではないので、その点だけご注意下さい!マップはこれからも増やしていきますし、巨大になって行きますが、シームレスな遷移ではありません。


――トレイラーであった「ダンジョン」などの地形もランダム生成という形式でしょうか。

溝部そうですね。あと、以前に訪れた島にも戻ることは可能です。

――バイオームは何種類くらい用意していますか?

溝部早期アクセスの初期段階では10種類くらいですが、期間中にもっと増やして100種類くらいにはしたいですね。普通にプレイしているなら同じ地形を見かけないことが最低要件だと思っています。

――『クラフトピア』のサバイバルシステムについてお聞きします。どのような要素があるのでしょうか。

溝部『クラフトピア』のサバイバル要素としては「満腹度」があり、満腹度がゼロになったらダメージを受けるスタンダードなシステムです。のどの渇きなどのシステムはないため、比較的ゆるめの設定です。ただし、例えば満腹度ゲージを消費した必殺技のようなスキルもあるので、スタイルによっては、肉をひたすら食べながら戦ったり採集する生活も実現可能です。

――サバイバル要素が厳しくなるハードコアなどの設定が追加される予定はあるのでしょうか。

溝部追加したいと考えています。現在だとキャラクターが死亡した際にアイテムを落とさない設定にしていますが、これも今後、ワールド設定時に変更できるようにする予定です。本作が大きく参考にしている『Terraria』のシステムに近いものにする予定です。

セーブデータの仕組みに関しては『マインクラフト』はワールドとキャラクターがセットで、育てたキャラクターを他に持っていけないので、色々な友達とマルチする時は最初からやりがちなんですね。『クラフトピア』は『Terraria』を参考にした、キャラとワールドのセーブデータが分かれたシステムになっているため、自分が育てたキャラで他の人のワールドに参加できるシステムになっています。

――『Terraria』『マインクラフト』などにあるNPCとの取引システムはありますか?

溝部『クラフトピア』にも買い物ができるNPCは存在します。現状だとアイテムの売買がメインですが、その他にもNPCが持つ役割によって色々なことが可能です。

――『クラフトピア』のハックアンドスラッシュ・トレジャーハンティング要素はどれくらいでしょうか。一般的な作品では武器は制作するだけでなく、ボスからのユニークドロップなどもある場合が多いですが。

溝部基本的なハクスラを踏襲していますが、敵はあまり武器をドロップせず、武器はエンチャント付き装備を宝箱から拾います。プレイヤーによる(武具)クラフトは現時点では今のところ半分おまけくらいで考えています(今後増やしたいと考えています)。

一部の強力なクラフト武器に関しては敵を倒して集めた素材を使用するシステムです。ボスキャラクターなどが武器を直接落とすこともあります。

クラフトに必要な素材はなるべく控えめにするつもりです。『ARK: Survival Evolved』なんかもそうですが、素材数が多いと大変ですよね。『クラフトピア』では武器のパラメーターや素材数などに関しては多くしすぎないようにする予定です。


――先日、Steam上のコミュニティ向けニュースで紹介された「エンチャントシステム」について教えて下さい。ボスドロップなどのユニーク武器へのエンチャントも可能なのでしょうか?

溝部エンチャントシステムはかなり柔軟にするつもりです。例えば特定の武器のエンチャントを付け外しできるようにしたいと思っています。ただし、早期アクセスの時点ではエンチャント抽出機は未実装です。

――エンチャントが一般的な武器にしか付けられなかったり、逆にユニーク武器が圧倒的に強くなるような状況にはならないということでしょうか。

溝部もちろん、そのような状況は出来る限り避けるつもりです。ただし、早期アクセス中、ある程度強弱は出てしまうかもしれません。最終的にはユーザーがそれぞれの遊び方をできるようなバランス設定を目指します。

――ところで、ユニーク武器にはどのような物があるのでしょうか。これは!というのがあればぜひ教えて下さい。

溝部『Overdungeon』でもそうだったのですが、ぼくらのチームには基本的に怒られなければ、ある程度のパロディはあり、だと思うメンバーが集っています。あまり露骨なのは怒られてしまいそうなので、紹介できるものとしては、装備すると「炎の追加攻撃」が得られる武器などですね。

武器の話に関連しますが『クラフトピア』では武器種類に「両手剣」と「片手剣」があって、アクションなどの区別もしています。武器種は現在「片手剣」「両手剣」「弓」だけですが、今後「刀」「槍」「鎌」「銃」などを増やしていくつもりです。


――『クラフトピア』の乗り物について教えて下さい。

溝部PVで紹介したものがほとんどです。ホバーボード、バイク、車、気球、飛行機、ヘリやジェットパックや「羽を生やす」などがあります。羽は現時点では調整中ですが、絶対いれたいと思っています! あとはここでお教えできない全く新しい乗り物も用意しています。今後も乗り物はどんどん追加していく予定です。


――RPG要素についてお聞きします。スキルやレベルなどを含め、プレイヤー能力のカンストにはどれくらいの時間を想定しているでしょうか?

溝部イメージ的には100時間程度にしたいと思っています。早期アクセスの時点では、素早く遊んでも10~20時間以上はかかると思います。この部分は今後のアップデートで増やしていきたいですね。

――先程エンディングを用意するという話もありましたが、『クラフトピア』のエンドコンテンツは考えていますか。

溝部エンドコンテンツという意味ではやはり「ボス」になると思いますので、沢山の新しいボスを追加していく予定です。残念ながら、現時点では2種類しかボスはいないので、ボスの戦闘を楽しみたい方は、もう少し開発が進んでから購入する事をおすすめします。

戦闘よりもパラメーター上げを優先したい人向けには、例えば精錬で「+99」を目指す、といった要素を考えています。

――ボスがプレイヤーの強さに合わせて強くなるような要素はありますか?

溝部マップの開拓状況によって段々と強くなっていきます。また、ボスをただ堅くするだけではゲームとしてあまり面白くないため、できるだけ個性を差別化したボスを用意する方向性にしたいです。

――敵の強さなどのワールドの設定は可能でしょうか。

溝部現状では難易度設定などの要素はありません。今後実装予定です。


――『クラフトピア』のマルチプレイについて教えて下さい。ユーザーも気になっていると思いますが、どのようなシステムになっているのでしょうか。

溝部先程も少し触れましたが、キャラ単位で他の人のサーバーに入れる『Terraria』のシステムに近いものになっています。アイテムの持ち込みや持ち出しだけでなく、PvPの設定なども可能になる予定です。計画としてはもう少し先の話なのですが、ゲーム公式サーバーも用意するつもりです。

――マルチプレイの対応人数はどれくらいでしょうか。

溝部早期アクセスでは最低でも8人まではサポートできる状態にする予定です。ゲーム専用サーバーを安定させられれば、それ以上の人数でも安定動作できると思います。最終的には『ARK: Survival Evolved』のように50人ほどの対応人数を目指したいという野望はあります。

――『クラフトピア』は早期アクセスということもあり、PC版のみのリリースですが、今後コンソール版の予定もあるのでしょうか。

溝部そうですね。ただし、タイミングが来たらという形で、予定の明言はできません。現時点では「考えている」といった状態です。次世代プラットフォームなどに関しても(ハードメーカーと)話してみなければわからない部分ですね。

――『クラフトピア』のトレイラーには非常にインパクトがありました。いくつかのゲームを連想させるものを始め、要素が詰め込まれている印象でしたが、実際ゲーム内でそれらを体験できるのでしょうか。

溝部そうですね、映像でお見せした部分は早期アクセス開始時点でおおよそ7割くらいは実装していると思います。PV詐欺をするつもりは一切ありませんが、PVにはゲームをより面白くする為に開発中の要素も含まれているので、完璧な状態で遊びたい方は、もうしばらくお待ち頂けると幸いです。早期アクセス期間中にはすべての要素が遊べるようになる予定です。

――PVやスクリーンショットで公開されている、牛がハムスターの回す車輪のようなものを使っているシーンが特徴的でした。ああいった要素は、ゲーム内で意味があるものなのでしょうか?

溝部あれは発電機ですね。運動エネルギーを電池というアイテムに変換出来ます。電池は重要なアイテムですが、あの形に意味があるかと言われると難しい部分ですね(笑)。(牛で遊ぶ機械を)『マインクラフト』で再現したって方もいたみたいです。

『マインクラフト』などでは以前からからああやって遊んでいた人もいただろうと思います。ただ、同作ではそういった装置の構築がわりと難しいので、本作ではもう少し優しくしたいと考えています。もっと直感的に、わかりやすく作れるようにする形ですね。


――ポケットペアの作品を振り返ると、前作『Overdungeon』もそうでしたが、『クラフトピア』でも外部ストアなどで販売されているアセットを多用している印象を受けます。一つ間違えばバラバラなグラフィックになりそうなところ、見る限りでは雰囲気が統一されている印象があります。アセットを使用する際に気をつけている部分などはあるのでしょうか。

溝部アセットに関しては今作でもかなり使用しています。「アセットを使用する」とひとくちに言うと簡単そうに聞こえるかもしれませんが、実際は結構難しい部分も多々あります。まず、アセット選定の段階から既に難しく、大量に購入したアセットを少し使ってみて駄目ならすぐ捨てる、といった作業をかなり繰り返しています。これは使ったことがある人なら分かって頂ける話だと思います。アセットを利用していると「楽しやがって」と言われる事が多いのですが(笑)

――なるほど。アセットというと、「とりあえず買ってとりあえずあてはめればいい」と思われてる印象もありますが、実際は違うのですね。

溝部そうですね、慣れることで変わってくる部分もあるのですが、買ってすぐ使えるような単純なものばかりではないです。また、動画にあった「ハムスターの車輪」などは、用途がマニアック過ぎてアセットにないので自作しています。私達は出来る限り(開発工数の関係で)自作は避けようと考えていますが、ハムスター車輪発電機はどうしてもやりたかったので作りました!

また、当たり前の事なんですが、今までのゲームで木を切る作業を自動化する表現ってあまりなかったんですよ。『Factorio』では後半にありましたが、あまりグラフィックとしてわかりやすい表現ではありませんでした。。そこで『クラフトピア』では「木を切るロボット」を作ったのですが、こういうものもアセットストアにはないので自作しています。自作部分とアセットに関しては全体で言えば2対8くらいですね。

――ゲームとして必要となるコアな部分は自作しているような感じですね。

溝部リソースへのコストのかけ方はかなり徹底しています。「アセットでいい部分と、ここはこだわりたい」という部分をしっかり選んでいることがクオリティの差別化につながっているのではないかと思います。

――そういえば、ストアで販売されていた不正なアセットを用いてしまい、直近で一時話題になった、販売停止のオープンワールドゲームもアセットをかなり使っていたようです。

溝部『■■■■■■■』ですね(笑)。あれは滅茶苦茶面白いですね。正直なところ、うちの会社と思想は似ている部分があると思います。

――ただ、アセットの印象自体はバラバラ、という感じでしたね。

溝部あれは本当にそのまま置いてると思います(笑)。ただ、あのゲームは話題にもなりましたし、実際に遊んでみると、かなり面白いものでした。世間だと「クソゲー」として笑っている傾向こそありますが、自分たちとしては「末恐ろしいライバルだ」と笑えない部分もありました。

――よりハイレベルな作品として調整していきたいと。

溝部ただし、単純にクオリティだけで勝負するって戦い方だと大手には絶対勝てないので「クオリティを上げつつ、いかにコストを抑ええて、かつ、面白いのか」という観点で勝負しています。

――アセットを使うときは権利関係の確認も大事ですね。先のように不正なデータが含まれているケースもありますし。

溝部その部分に関しては、私達も頑張っています。ただ、本音を話すと、アセットストアから購入したアセットに含まれてる著作物が「実は誰かのものでした」ということを後から言われると、正直全てを調査するのは難しいので、もしそういうものがあれば謝罪するしかないなと思います。原則、アセットを購入する場合は、なるべく実績のあるアセット作成者のものを採用するように注意はしています。

――インディーとしては難しい部分ですね。全部のアセットを自作するのも厳しいでしょうし。

溝部仰る通りです。ただ、アセットを利用する事により、開発期間を劇的に短縮出来る事は事実なのと、業界としてもインディー問わず、外部アセットの利用は加速しているので、権利に関しては業界全体で考えて行かなければならない問題だと思います。


――最後になりますが、これから早期アクセスをプレイするユーザーにはどこを楽しんでもらいたいと思いますか?

溝部まず、一番強調したいところですが、早期アクセスなので不具合やバグについてはまだまだ沢山あります。大変申し訳御座いません。これからも継続して改善して行きますので、不具合やバグに遭遇したくない方は、正式版までもうしばらくお待ち頂けると幸いです。正式版では最高のゲーム体験をお届け出来るように鋭意努力致します。また、もし早期アクセスでバグを発見なさった方は、是非ご報告頂ければ幸いです。

大手のゲーム会社ともなればデバッグ業者などを雇えるのですが、正直、私達では予算的にも時間的にもそうもいかないところです。だから、ユーザーの皆様も一緒にゲーム作りに協力してくれると嬉しいなと思っています。実際にクローズドアルファでは沢山の不具合やフィードバッグをご報告頂き、大変助かりました。引き続き、早期アクセスで皆様の意見を取り入れていけたら幸いです。

意見などはSteamフォーラムや公式のDiscordチャンネルなど、使いやすいプラットフォームで気軽に言っていただければと思います。もちろん公式Twitterに直接リプライなど下さってもOKです。

ゲームとしての楽しみ方ですが、要素としてざっくりと3つの方向を想定しています。1つは「戦闘」、1つは「生産」、1つは「探索」で、それぞれの分野である程度遊べるように考えています。なので、皆さんが好きな遊び方をしていただければと思います。


――具体的に決めて遊ぶよりも、出てきた世界を自由に遊んでほしい、ということですね。

溝部その通りです。ただ「自由に遊んでほしい」と言ったら「何をしたらいいかわからない」っていうユーザーが出てきてしまうこともあります。これは、このゲームを作ったきっかけのひとつですが「何をしたらいいかわからないゲームはやっぱりダメ」と考えていまして、何をやっていても、自然と次の目標が見つかる設計が理想だと考えています。(溝部注釈:ただし、現時点では、まだまだ目標が見つけにくい設計になってしまっていると思います。メインミッションを実装準備中ですので、今しばらくお待ち下さい。)


プレイしているユーザーの方が面白い、と思えるものを見つけ出せる内容を目指していますので、もし「なにやったらいいかわかんなくてつまらない」と思ったら、その時はぜひ、私達に教えて下さい。

――最後にユーザーの方にメッセージをお願いします。

溝部『クラフトピア』は色々なゲームを参考にした、(私達にとって)集大成のゲームです。たぶん、この記事を見てくださっている人が好きなゲームも参考にしていると思います。「巨人の肩の上に立つ」という考え方の通り、偉大な先人が切り開いてくれたゲームシステムを参考に、さらにそれらを昇華できるように努力しています。

まだまだ開発中なので、荒削りな部分が多いですが、「荒くても良いから、早く体験したい!」「開発にフィードバッグをして、理想のゲームを一緒に作りたい!」という方は、是非プレイして頂けると幸いです。「ある程度完成度が高くなってからプレイしたい」「バグ・不具合には遭遇したくない」という方は大変恐縮ですが、1年後の正式版をお待ち頂けると幸いです。



様々なゲームの要素を取り入れたという、盛り沢山さを感じさせるオープンワールドサンドボックスゲーム『クラフトピア』。早期アクセス開始にあわせ、マルチプレイの改善やコンテンツの追加なども行われているため、既にクローズドアルファをプレイしたユーザーも、そうでないユーザーもぜひ触ってみてはいかがでしょうか。

なお、本作のストリーミング配信や収益化については「早期アクセス中で、バグ・不具合があり、コンテンツもまだ発展途上である」という旨さえ発信して貰えれば、自由に行って構わないとのことです。

『クラフトピア』はSteamで2020年9月4日21時より、2,570円で早期アクセス開始予定です。

《Game*Spark》
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