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TGS公式サイトで異彩はなった“宇宙シミュレーションゲーム”『X4: Foundations』開発ミニインタビュー!地球人登場の新拡張に迫る【特集】

TGS公式サイトの「宇宙シミュレーションゲーム」広告、宇宙を舞台にした壮大なオープンワールドゲームだったのをご存知ですか?

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件の広告。広告の総量自体が少ないので複数回もリロードすれば見ることができる。

先日行われた「東京ゲームショウ2020 オンライン」。その公式サイトトップに並ぶ、ゲーミングデバイスやフォントと言った広告の中に“宇宙シミュレーションゲーム”なる異彩を放つ物があったことに皆様は気づいたでしょうか。

独特のフォントの雰囲気も相まって、つい目を引かれてしまいそうなこの広告は、実はコアゲーマーに20年近くに渡り愛されるPC向け宇宙ゲームシリーズの新作『X4: Foundations』のもの。既に発売から2年ほどが経過している同作ですが、先日には無料の大型アップデート4.0とあわせ、あらたな大型拡張DLC「Cradle of Humanity」が発表され、シリーズ過去作にも登場した「地球人(テラン)」が満を持して復活することも明らかにされています。

そこで本記事では、同作の開発であるドイツのインディーデベロッパーEGOSOFTにインタビューを実施。拡張の内容や同作の今後の展開についてを聞きました。まだお読みでない方は過去のインタビュー3本(123)もあわせ御覧ください。

『X4: Foundations』って?




実際のインタビュー内容に移る前に、『X4: Foundations』を簡単に解説しておきましょう。同作は「様々な勢力がひしめく宇宙で自身の宇宙船を駆り、フリーランスのパイロットとして自由に生きていく」という、海外では多く作られたSFオープンワールドゲームのジャンルの代表作のひとつで、『Elite』などとともに知られています。

そして本シリーズの最大の特徴は「輸送・生産のプロセスとそれに伴う経済状況の変化のシミュレーション」。特に『X4』ではNPCの船を始めほぼ全ての生産が経済に影響を及ぼし、プレイヤーが見えない宇宙の果てでもバックグラウンドで常に行われ続ける勢力の紛争などが実際にゲーム内での物価などに関わっていくことになります。


プレイヤーもその壮大さに負けず、生産拠点の建築や増築、多くのNPC部下を従えての大規模な活動などを行うことができ、一般的なオープンワールドゲームでは味わえない内容を体験することができます。さらに、プレイヤー自身がゲーム内に存在する大半の船を駆ることも可能。小型戦闘機から、艦載機を満載した巨大空母までを味わえます。


「イメージが沸かない」という読者の方は『Kenshi』のプレイヤーの操作を実際のアクションにして、全勢力に詳細な経済活動の要素を加えたようなもの、と考えてみるとわかりやすいかも知れません。

EGOSOFTインタビュー!




――ようやく『X』宇宙に「地球人」が帰ってきます。今作では彼らはどのような役割を果たすのでしょうか。過去作のように再び既知種族との間に大きな戦乱を巻き起こすのでしょうか。

EGOSOFT CEO Bernd Lehahn氏(以下Lehahn)まだ全貌はあかせませんが、今回の拡張(「Cradle of Humanity」)と過去作(『X3: Terran Conflict』)、各々のタイトルが示すように戦乱に焦点が当てられているわけではありません。ただし、既知種族との間には、A.G.I.(筆注:高度な人工知能のこと。本シリーズの世界ではかつて地球人が作ったテラフォーミング用人工知性体が暴走、宇宙全体の脅威となってしまった)に対する思想の違いが引き起こした政治的緊張が依然として残っています。

――今回の拡張DLCではプレイヤーは再び我らの太陽系に足を踏み入れることができるようです。地球圏における厳しい飛行ルートの規制は残っているのでしょうか?(筆注:旧作では太陽系は、設定に基づき非常に厳しい飛行ルートの規制があった)

Lehahn残っています。太陽系外惑星には全ての種族のプレイヤーがアクセスできますが、地球に近づけるのは彼らに利用価値を認められた者だけです。


――今回の拡張DLCでの太陽系は以前のような姿をまた見せてくれるのでしょうか。

Lehahn『X』の宇宙は自由度が高く、以前の作品に訪れた場所を再実装した場合でも、同じ星系の別の面を見せたり別の惑星や月を見せやすくなっています。しかし、太陽系は特別で、どこが実装されなくてはいけないのかは決まっていて見た目も現実を反映しなくてはなりません。なので同じ惑星や月は大量に登場しますが、いくつかの場所は分割されています。

――テランは設定上、高度な科学力による強力な船や武器が特徴でした。今作でも強力な兵器を携えているのでしょうか。

Lehahn優れた科学力がテランの特徴ですが、あまり強力になりすぎないようにしています。今作で登場する船に関しては、大きな表面積を使った高い冷却能力を持っていて、一部の船の特定武器スロットでは特殊な兵装が使用可能となっています。


――既存のトレイラーで公開された船は、USC(連合宇宙軍)所属の船の特徴のあるデザインでした。ATF(対A.G.I.部隊)のデザインの船は今作では登場するのでしょうか。またATFのかつての巨大空母「ヴァルハラ」的な巨大船の有無も気になります。(筆注:旧作の地球圏勢力には完全に別系統の2つのデザインラインがあった。USCは曲線的デザインで日本の地名が名付けられた主力艦が特徴、ATFは直線的デザインで北欧神話的な名称を持つ)

Lehahnどちらも登場します。

――既存のトレイラーでは、今までと全く違うステーションが登場しています。これはプレイヤーも作ることができるのでしょうか。

Lehahn作れます。


――ところで、本シリーズの地球圏では日本人が文化・科学面で中心的な役割を果たしていますが、“日本的”(自衛隊木更津駐屯地の「痛ヘリ」を引き合いに出す)なものとかあまりないですよね。(筆注:なお、初代作品ではプレイヤーが自身の船に貼れるデフォルトロゴの中にアニメ調の女性イラストも含まれていた)

Lehahn今のところ予定はないですね。ただ意見があったことはデザインチームに伝えておきますね(笑)

初代作品に収録されていた件のロゴ

――そろそろ無料大型アップデート4.0の話題に移りましょう。このアップデートで導入される「テラフォーミング」とはどのようなものなのでしょうか。

Lehahn過去に実施した配信(英語)で少し触れていますが、エンドコンテンツとして、プレイヤーがゲーム内の惑星の化学、地質学、生物学的要素を変更するためのプロジェクトに大量のリソースを投入することができるようになります。グラフィック面でも実際に惑星の外観の変化が発生します。

――無料大型アップデート4.0のグラフィック改善はどのようなものなのでしょうか。ボリュームメトリックフォグなどのエフェクトの追加以外にも、人物の改善、既存種族のシールド発生機など外見の変化が少ない部分の差別化や、任意の場所へのデカールの貼り付けなどを期待して良いのでしょうか?

Lehahn我々は常にゲームのあらゆる側面に取り組んでいて、人物モデルの改善については既に進行中です。ですが、デカールシステムの改善については今のところ予定されていません。


――以前のAMAセッションでは、4.0において「艦隊行動AIの改善」が行われることが触れられました。どのようなものになるのでしょうか。

Lehahn艦隊やグループの行動を調整する全く新しいシステムに多くの労力を費やしました。詳細についてはDLCの配信が近くなった頃に映像で詳しく説明したいと思います。


――本作の戦闘要素には多くの改善点があるようです。実際に大型Mod「VRO(Variety and Rebalance Overhaul)」が作られ、人気を博してもいます。今後この分野に大きな改善が行われる予定があるのでしょうか?

Lehahn常にゲームのバランスを改善しようとはしていますが、一度に全体を崩すことはありません。ゼロからすべてを再設計したくなったときでも、アップデートがあまりに過激にならないよう、段階的に変更を加えていきます。

――今後、ミッション要素の改善を期待することはできるのでしょうか。例えば、実際にゲーム内で起こった状況に応じたミッションの生成や、商船やステーションの護衛として海賊と戦う汎用ミッションなどの実装などですね。

Lehahn「Cradle of Humanity」では多くの新ミッションと長大な新プロット(筆注:メインストーリーのような長期クエストのこと)が実装されますが、地球圏の状況とは相性が悪いので海賊をフィーチャーしたような内容は4.0ではありません。ただし、他の系統のミッションに関しては多くの改善を見ることができるでしょう。


――最後にですが、この「Cradle of Humanity」をもって、『X4』発売当初から告知されていた、コレクターズエディション収録分の2本のDLCが明らかになりました。今後も『X4: Foundations』のあらたなDLCなどを期待することはできるのでしょうか。

Lehahnこれからも『X4: Foundations』の開発を続けられることを願っていますが、まずは無料大型アップデート4.0と、「Cradle of Humanity」に注力していきます。




『X4: Foundations』はSteam/GOG.comにて配信中。DLC「Cradle of Humanity」は2020年Q4発売予定です。


《Arkblade》

関連業界のあちこちにいたりいなかったりしてる人 Arkblade

小さいころからPCゲームを遊び続けて(コンソールもやってるよ!)、あとは運と人の巡りで気がついたら、業界のあちこちにいたりいなかったりという感じの人に。この紹介が書かれた時点では、Game*Sparkに一応の軸足を置きつつも、肩書だけはあちこちで少しづつ増えていったりいかなかったり…。それはそれとしてG*Sが日本一宇宙SFゲームに強いメディアになったりしないかな。

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