「ローグライク殺人ミステリーファンタジーRPG」という謎ジャンルゲーム『The Magister』デモ版プレイレポ【Steamゲームフェスティバル】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「ローグライク殺人ミステリーファンタジーRPG」という謎ジャンルゲーム『The Magister』デモ版プレイレポ【Steamゲームフェスティバル】

「Steamゲームフェスティバル オータムエディション」において配信された、ローグライクカードゲームと殺人ミステリーファンタジーRPGを融合したゲーム『The Magister』デモ版のプレイレポートをお届けします。

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Steamゲームフェスティバル オータムエディション」において、ローグライクカードゲームと殺人ミステリーファンタジーRPGを融合させたゲーム『The Magister』のデモ版が配信されました。

本作はNerdook Productionsが開発し、DigeratiによってSteam/海外ニンテンドースイッチでリリース予定の作品です。Nerdook ProductionsはSim YC氏一人で設立したマレーシアのインディーデベロッパーで、これまでにローグライクアクション『Vertical Drop Heroes HD』やローグライクカードゲーム『Monster Slayers』などをリリースしています。


本作の内容ですが、ローグライクカードゲーム要素のある殺人ミステリーファンタジーRPGとのことで、正直なところどんなゲームなのかまったく想像が尽きません。そもそも「殺人ミステリーファンタジーRPG」という時点ですでに意味が分かりませんが、斬新そうなゲームは、筆者としてはプレイしたいところ。

それと筆者のSteamライブラリを見てみると、なぜかNerdook Productionsの全作品が揃っていたりしますので(意識して集めた覚えはないのですが)、本作をプレイするのも何かの縁みたいなものでしょう。今回はいったいどんな作品なのか、さっそくプレイしていきましょう。

ファンタジー世界の殺人事件



ゲームを開始すると、プレイヤーは3人のマギステル(Magister。ラテン語で「マスター」の意味)から一人を選び、シルバーハーストという場所で起きた殺人事件の解決に乗り出します。タイトルにもなっているマギステルは、本作では裁判官・陪審員・法の執行官の役割を一つにしたような役職とのこと。日本で言うところの遠山の金さんや水戸黄門的なポジションといったところでしょうか。身分を隠してはいないようですが。

本作はローグライク要素のあるゲームで、選択する3人のマギステルや発生する事件はプレイするたびに変化します。今回の3人ですが、それぞれ不眠症、精神疾患、幻覚症状持ちといった問題を抱えています。一番左の「強烈な不眠症のジュニア」は戦闘に優れているとのこと。ゲームジャンルに「RPG」とありますし、最初は戦士系の方が分かりやすそうです。今回はジュニアを選びましょう。


次の画面はジュニアのカードデッキやパークの設定画面です。ただ、現在のところは変更不可。またデモ版であるため、使用できないカードもあるようです。何もできないのでそのままコンティニューボタンをクリック。


ゲームが始まりました。船に乗ってシルバーハーストにたどり着いたジュニア。桟橋ではこの町の責任者らしき老人が出迎えにやってきてくれました。どうやらここで、前任のマギステルが殺されたようです。マギステルは政府側の人間ですから、警官殺しみたいなものでしょうか。


移動したい場所を左クリックすれば、ジュニアがその場所に向かって動いてくれます。また、人にクリックで話しかけます。とりあえず責任者っぽい老人に話を聞いてみましょう。彼はスティーブンと言い、地方議員を務めているようです。

ここから、スティーブン老人への殺人事件の聞き込みが始まります。死体の発見現場と時刻を聞いたところ、2日前に宿屋の部屋で発見されたそうです。部屋は現在鍵を掛けた状態にしており、宿屋の主人・ジョセフがその鍵を持っているとのこと。

スティーブン老人の証言により、「新しい場所」として宿屋が追加され、経験値が1得られました。さらにスティーブン老人からの評価も1上がりました。評価が最高値の3になると、その人物はプレイヤーに協力的になり、新たな証言を引き出すことも可能だとか。RPGだと思ったら、推理アドベンチャーゲームっぽくなってきましたね。


メニューの「ボード」では、これまでに集めた情報や証言を閲覧できます。ボードに貼り付けている情報にマウスポインタをホバリングすれば、その詳細が表示。もはや本格的な事件捜査になっており、ファンタジーRPGはどこへ行ったという感じです。


しかしメニューから「カードデッキ」を見てみると、そこはファンタジーRPGの世界でした。と言うか、そもそもこのカードデッキをどこで使うのかが気になります。久しぶりにシステム的に先の読めないゲームに当たったので、何だか楽しくなってきました


辺りにいる重要ではない村人に話しかけると、頭上にセリフが出てきます。「ジャイアントスパイダーに気を付けて」などと、ファンタジーRPGっぽいセリフを吐いてくれます。やはりここはファンタジー世界なのですね。


情報を持ってそうな人物の場合、何を質問するかの選択肢が出てきますね。この辺りはアドベンチャーゲーム形式になっていて、質問しながら情報を集めていきます。とりあえず殺人事件のことなど、片っ端から質問していきましょう。

嫌われ者のマギステル




画面のどこかにある出口マークをクリックすれば、別の場所へ移動できます。次のマップに入ったところ、いきなり酔っ払いたちに絡まれました。「帝国の犬がまた来たのか。前任もロクなやつじゃなかった」と言われます。マギステルは住民にはあまり好かれていないようですね。ここでは酔っ払いをノックダウンするか、脅すかを選択できます。暴力は後々面倒になりそうなので、ここは脅しておきましょう。


逆効果だったようで、酔っ払いどもが怒りました。また村人たちも戦闘態勢に入ろうとしています。マギステルは相当嫌われていますね。前任がひどすぎたのかもしれませんが……。

ここで選択肢が4つ出てきます。相手を殺すか、致命傷を与えないように戦うか、酔っ払いの一人をノックダウンさせるか、交渉で何とかするか。「殺人事件の調査に来たのに、さすがに殺したらダメだろ」とは思いますので、交渉で何とかしてみましょう。


しかし怒りに油を注いだようで、いきなり全員から石を投げつけられるジュニア。ダメージを食らってしまい、交渉は上手くいきませんでした。そもそもジュニアは戦闘が得意な脳筋タイプなので、交渉事は苦手なのかもしれません。


話が通じそうにもないので、こうなったら脳筋らしい解決方法でいきます。酔っ払いのリーダーっぽいやつを殴りつけてノックダウン。周りにいた村人たちはそれを見て怖れ、ジュニアから離れていきました。

その後、村人に話しかけるも「お前に話すことなどない」「さっさと首都に帰れ」と散々な言われよう。情報収集どころでは無くなってきましたね。得られるものも無さそうなので、このエリアから外に出ます。


村を出るとワールドマップが表示されました。ワールドマップに出ると時間が経過するので、注意が必要です。一日は7つの時間(夜明け・早朝・昼前・午後・夕方・夜・深夜)に分けられており、当然夜になると外を出歩く人は少なくなります。また自身も、夜は宿へ行って睡眠を取る必要があります。今は昼前なので、殺人事件のあった宿屋へ行ってみましょう。

事件現場を検証



宿屋に到着。緑色のグリフィンっぽいのが厩にいますね。やはりファンタジー世界なのでしょう。波止場でスティーブン老人の言っていた宿屋の主人、ジョセフがいました。さっそく話を聞いてみましょう。

ジョセフと話すと選択肢が5つ出てきました。「ジョセフを注意深く観察する」「犯人について聞く」「誰が死体を見つけたのか聞く」「誰か何か見なかったか聞く」「事件現場の鍵が欲しい」の5つです。

もちろんジョセフが犯人の可能性もありますので、ここは注意深く観察してみましょう。ジョセフは仕事が忙しそうですが、着ている服からして裕福ではなさそうです。フレンドリーな性格で、体はよく鍛え上げられています。この観察により経験値を1もらえました。


次に第一発見者について聞いたところ、宿で働いているソフィアという女性だそうです。死体を見て怖れていたため、家に帰して休ませました。波止場の側に住んでいるようで、事件以来仕事には来ていません。

ちなみにジョセフのアリバイですが、事件現場は宿の2階の部屋で、ジョセフはその夜、忙しくて一度も階段を上がっていないとのこと。翌朝、ソフィアが死体を発見してからやっと事件を知ったそうです。「他に誰か、何か見なかったか?」と聞いたところ、「ソロモンという常連が毎晩来てるから、夜また来てそいつに聞いたらいい」と答えました。

本作にはお金の概念もあり、最初に5クラウン持っています。ジョセフに飲み物を頼んで1クラウンを払ったら、評価が1上がりました。今晩の宿代としてさらに2クラウンを払うと、評価もさらに+1。評価が3になれば新たな情報を入手できそうです。また、料理を注文したら1クラウンと引き換えにHPの最大値が5上がりました。お金は残り1クラウンだけですね。


ジョセフから事件のあった部屋の鍵を借り、階段を上がって2階へ。事件現場に踏み込むと、死体が放置されたままになっていました。部屋では3か所調べられるところがあるので、調べてみましょう。

ベッドの下を調べると「革ひも」を発見。また床には争った跡があり、ブルーベリーケーキが散らばっていました。変わった香りのする茶色い葉っぱ、チェーンが壊れたネックレスも落ちてます。すべて証拠品として押収しておきましょう。


死体を調べてみると、手に銃が握られていました。銃弾は1発しか使われていません。また死体の肩には銃創がありますが、位置的に致命傷にはなりません。直接の死因は鈍器か何かで頭を殴られたことのようですね。しかし凶器となるものは、この部屋には無さそうです。

死体の服のポケットを調べてみると、5クラウンと小さな鉄の鍵を発見しました。5クラウンはそのまま自分のポケットに入れて、鍵の方は証拠物件として押収します。銃を握っていたのであれば、犯人に傷を負わせた可能性もあるかもしれません。


十分な経験値が溜まり、レベルアップしました。3つあるパークから1つを選べます。「敵を倒すたびにHP10回復」「近接攻撃をすると、次の近接攻撃のダメージが+20%」「カードをアップグレードする」と、なかなかに悪くない感じです。持続力を優先し、「敵を倒すたびにHP10回復」を取りましょう。


押収した証拠品は、メニューのアイテム一覧で調査が可能。適した鑑定能力があれば、新しい情報を引き出せます。また、証拠品を人に見せたり関連する情報を集めたりすると、事件解決の突破口を作ることができるでしょう。


宿屋の1階に戻り、ジョセフに調査が終わったことを伝え、死体埋葬のために墓地の場所を聞きました。もう宿屋には用がないので、ワールドマップに戻りましょう。レベルアップすると、パーク以外にワールドマップでスキルポイントを消費してスキルを取得できます。

事件の真相を探れ!



第一発見者であるソフィアから話を聞きたいところですが、先に死体を埋葬してくれた墓守のハーレーの元へ向かいましょう。死体の遺品を売り払って利益を得たらしく、利益の一部として3クラウンをもらいました。またハーレーは墓地に住んでいるのですが、「毎夜謎の声が聞こえる」というので、調査して欲しいと頼まれました。夜またここへ来ましょう。


ソフィアを探しに波止場へ向かう途中、警備兵の隊長であるルイスと出会いました。マギステルには協力的で、話しかけただけで評価+1です。現在、村人がバンディットに誘拐されたとのことで、その事件解決を手伝うことにしました。事件調査も大切ですが、所詮はよそ者なので現地の人の信頼を得ることも重要ですね。


高級娼婦のクラウディア。事件のあった夜のことを聞いてみると、「忙しかったのでよく覚えていない」と答えました。しかし明らかに様子がおかしい。何か隠しているようですが、信頼を得ないとしゃべってくれなさそうですね。



死体の第1発見者であるソフィアと遭遇。ジュニアがマギステルだと知って、慌てふためいています。落ち着かせるために「戦術的交渉」を行います。これはカードバトルの1種で、12ターン以内に相手の怒りレベル(画面上にある菱形)を0にすれば勝利です。

カードデッキからカードが3枚配られ、その中にある「怒りレベルを1下げる」のようなカードを出せばよいのですが、「Empathy」というコストがかかります。「Empathy」はコスト0のカードから得ることが可能。ターン終了ボタンを押せば手札のカードは捨て札になり、また山札から3枚引きます。山札が無くなれば、捨て札をシャッフルして山札にします。

バトルには勝利し、ソフィアは落ち着きを取り戻しました。事件のあった夜のことを聞いてみましたが、「その日は大雨が降り、雷もあったので、誰も気付かなかったのでは?」との答え。ソフィアは朝に死体を発見し、ジョセフに急いで伝えました。ジョセフは部屋に鍵を掛け、事件報告のため人をやって信号塔に向かわせました。


ジョセフに頼まれて信号塔へ向かったイリアスという人物に会いに行きます。イリアスは信号塔にたどり着いたとき、信号機が修理中だったとのこと。そのため、1時間ほど待たされたそうです。偶然か、それとも犯人の工作か……。


警備隊長ルイスに頼まれた誘拐事件解決のため、現場へ向かいます。モンスターがいたので、「襲い掛かる」「忍び足でやり過ごす」の選択。やり過ごそうとしたら失敗して、バトルに突入です。バトルではグリッド移動とカードバトルを融合させたシステムになっています。

毎ターン山札から3枚のカードを引き、使用したいカードを選択、もしくは移動をします。できることが無くなればターン終了。使用しなかったカードは捨て札になります。山札が無くなれば捨て札をシャッフルして山札にします。


結構苦戦してモンスターを倒した後、誘拐犯であるバンディットたちとの対決。今回は警備兵たちも戦闘に加わってくれます。敵の数が多いので、勝てるかどうか微妙なところです。


仲間が思った以上に役に立たず、ほぼジュニアVSバンディットたちという戦いに。そのまま数の暴力で殺されてしまいました。オートセーブしたところから(最後にワールドマップに入ったところから)やり直すか、宿屋で復活するかを選べます。宿屋で復活した場合、HPは75%まで回復。「死んだら最初から」というわけではないので、この辺りは救済措置がありますね。ただし15日経つとタイムオーバーになります。果たしてジュニアは事件を解決できるのか、続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。

ローグライク要素のある推理アドベンチャーRPG


本作はローグライクカードゲーム要素と、ファンタジーRPG要素と、ターン制ストラテジー要素のある推理アドベンチャーゲームです。いろいろな要素をてんこ盛りにしただけのゲームというわけではなく、どの要素も本格的な作りをしています。

特に本作の根幹である推理部分については、聞き込み調査や現場検証を行い、証拠品を集めたり、住民の信頼を得て情報を提供してもらったりなど、しっかり事件調査している雰囲気が出ているのが良かったです。久しぶりに、システム的に斬新なゲームを遊んだ感じでした。

墓守との約束通り、夜に墓場の調査へ行ってみると……。

本作は日本語に未対応。推理アドベンチャー部分は、テキストが読めないと意味不明になってしまって楽しめないかと思います(そもそもどういう情報を集めればいいのかも分からないので)。この辺りは今後のサポートを期待しましょう。

しかしこういう斬新なゲームに出会えるのも、「Steamゲームフェスティバル」の良さかもしれません。10月13日まで開催されているので、他にも面白そうなゲームを発掘してみてください。お気に入りのゲームがありましたら、コメント欄にでも書いていただければ幸いです。

タイトル:The Magister
対応機種:PC(Steam)/海外ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:未定
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:未定
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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