「西遊記」がデッキ構築型ローグライクに!?『神州誌:西遊 Divinity Chronicles: Journey to the West』【中華ゲーム見聞録】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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「西遊記」がデッキ構築型ローグライクに!?『神州誌:西遊 Divinity Chronicles: Journey to the West』【中華ゲーム見聞録】

「中華ゲーム見聞録」第99回目は、「西遊記」の世界を舞台にしたデッキ構築型ローグライク『神州誌:西遊 Divinity Chronicles: Journey to the West』をお届けします。

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「西遊記」がデッキ構築型ローグライクに!?『神州誌:西遊 Divinity Chronicles: Journey to the West』【中華ゲーム見聞録】
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中華ゲーム見聞録」第99回目は、「西遊記」の世界を舞台にしたデッキ構築型ローグライク『神州誌:西遊 Divinity Chronicles: Journey to the West』をお届けします。

本作はZ Studioが開発し、ParasGamesによって2022年3月10日に早期アクセス版が配信されました。「西遊記」をテーマにしたゲームと言えば、筆者が一番最初に遊んだのはファミコンゲームの『ソンソン』。孫悟空の孫「ソンソン」と、豚の「トントン」を主人公にした、強制横スクロールのアクションシューティングゲームです。2人プレイが結構楽しかったですね。

それから何年か経って、近所に引っ越してきた日本人駐在員が、「西遊記のゲーム」ということで『元祖西遊記スーパーモンキー大冒険』を貸してくれました。今でこそクソゲー扱いされていますが、当時はかなり頑張ってプレイしました。その結果……やはり当時もクソゲーだと思いました。BGMだけはすごく良くて、今でも覚えています。

他にも、台湾の親戚が経営する雑貨店に置いてあったベルトスクロール格闘アクションゲーム『西遊降魔録』を良く遊んでいましたね。無料で大量のコインを貰って最後までクリアしましたが、かなり難度の高いゲームでした。

他にも西遊記をテーマにしたゲームは多々ありますが、ほとんどがアクションゲームです。デッキビ構築型ローグライクというのは、ありそうで無かったジャンルですね。『Slay the Spire』がリリースされて以来、多数のフォロワー作品が登場しましたが、本作は一体どんな内容なのか、早速プレイしていきましょう!

天界との戦い

チュートリアルは、孫悟空三蔵法師に出会う前の物語です。石から生まれた悟空は花果山で猿の王となり、やがて天界で大暴れをして、神仙たちと敵対することになります。ここでは天界からの追手との戦いですね。

戦闘開始。『Slay the Spire』では一人で多数の敵を倒さなければなりませんでしたが、本作では仲間とともに戦えます(ただし操作できるのは悟空だけ)。手札に仲間のカードがあれば、攻撃指示を出すことも可能。この戦闘では、牛魔王が仲間になっていますね。

牛魔王は、もともと悟空とは義兄弟。しかし後に、悟空が三蔵法師とともに天竺を目指す途中の火焔山で、敵として立ち塞がることになります。牛魔王の妻は「芭蕉扇」の持ち主である羅刹女(鉄扇公主)、息子は紅孩児です。

敵は天界の統治者・玉帝の側近である太白金星(老人の方)と天庭力士。手札から攻撃カードを選び、対象者にドラッグ&ドロップすれば攻撃を仕掛けてくれます。この辺りは『Slay the Spire』と同じ操作ですね。

カードの左上の数字はコストです。強力なカードほど、コストは高くなります。画面左下にある「2」という数字が、このターンに使用できるコストです。コストが尽きたら、画面右下の「」をクリックすればターン終了。敵のターンになります。

カードの中には、コスト0で使える物もあります。画像のカードは、悟空の武器である「如意棒」の長さを伸ばす効果があります(2ターン持続)。如意棒が伸びると、攻撃が全体攻撃に変化。攻撃カードを出す前に使うといいでしょう。本作は敵が複数出てきますので、全体攻撃カードは重要です。

悟空は自分の毛を子ザルに変化させ、ともに戦わせることができます。ただHPが1しかないのが頼りないですね。それと如意棒を太くして、攻撃力を50%アップできます。「西遊記」での、悟空の能力と同じ物になっていますね。

悟空の特技である「七十二の変化術」も本作に登場。正面にいる天庭力士に化けて、同じ能力で攻撃を仕掛けることが可能です。何とか太白金星達を撃破することができました。

次に登場したのは、袖から「哮天犬」という犬を出す二郎神。「封神演義」でも楊センの名前で登場する神様ですね。犬と鷹を召喚して攻撃してきます。悟空も本気モードのようで、なぜか頭身が上がっています(笑)。こちらも玄武や狼を召喚して反撃。二郎神だけあって、チュートリアルとは思えないほど強い。

何とか二郎神を撃破しましたが、お次はお釈迦様の登場です。「西遊記」のストーリー通り、悟空はお釈迦様に捕まってしまい、五行山の下に封じ込められてしまいました。悟空が再び世に解き放たれるのは、三蔵法師の到来する五百年後になります。

西方を目指して

五行山の封印から解き放たれた孫悟空が、西方を目指す本編スタート。キャラ選択ですが、悟空以外に、三蔵法師と白竜を選択できます。白竜は三蔵法師が乗っている白い馬。西海竜王の三太子で、三蔵の馬を食べてしまったことから、代わりに馬になったという経緯です。今回は悟空でスタート。

出発前に、観音様から特典をもらえます。旅を有利にするアイテムや、デッキ内の不要なカードを2枚消去するなど、自分の好きな物を一つ選びましょう。とりあえず消費アイテム「聖光弾」を選びました。敵に50ダメージを与えられます。

さらに、6枚のカードの中から、好きな1枚をもらえます。ここはチュートリアルでも使った、如意棒の重さを増やすカードを選択。コスト0なので、手軽に攻撃力アップができます。

マップ画面。スタート地点は長安で、『Slay the Spire』のようにルートを選んで進んでいきます。結構分岐が多いですね。中央のルートを選んでみましょう。

最初の相手は、ただの野犬です。大して強くはありませんが、無駄なダメージは食らいたくないで、防御カードで防御値を上げておきます。防御値の分だけ、敵の攻撃を防いでくれます。

敵を倒すと、お金と消費アイテムがもらえます。さらに、デッキビルド型ローグライクではお馴染みの、3枚のカードから1枚を選べます。デッキを分厚くし過ぎると、欲しいカードがなかなか手元に来ないという問題もあるので、カードを増やしすぎないようにした方がいいでしょう。

マップ上の「?マーク」に止まると、イベントが発生。ここでは八卦陣を発見したので、どうするかの選択ですね。陣の中に入ると、HPが15減るのと引き換えに、3種類の永続効果アイテム「法宝」から1つを選べます。まだHPもあるので、アイテムをもらっておきましょう。

焚き火マーク」で止まると、「HPの回復」「仲間を召喚」「カードのアップグレード」の中から1つ選べます。せっかくなので仲間を召喚しましょう。中央の「闇の妖精」は、HP回復や防御を行ってくれますので、これを選択。

仲間が加わると、デッキの中に仲間専用カードも入ります。悟空の場合、最大2人まで仲間を増やせます。仲間にもHPがあるので、ダメージを受けて欲しくない時は、防御カードを仲間に使う必要があります。人数が増えると、それだけ管理も大変になりますね。

さらなる戦いの旅へ

提灯マーク」で止まると、買い物ができます。カードだけでなく、消費アイテムの購入や、所持アイテムの最大値を増加させたりなども可能。たまに半額で安売りしているカードもあるので、使えそうであれば購入するのがいいでしょう。

道中には強力な敵、いわゆる「エリート」も登場します。画像は「西遊記」でも登場した黒風怪ですね。こちらも青竜を味方に付けました。特技は毒攻撃。防御を無視して、ターンごとにダメージを与える毒を付与できるので、硬い敵に対して有効です。

ステージ1のボスに到達。相手は蜘蛛の妖怪ですね。人型と蜘蛛型で姿を変えながら、攻撃を仕掛けてきます。HPが高いですし、防御も使ってくるので、長期戦になりそうですね。

蜘蛛の姿になると、卵を産んで盾にしてきます。孵化すると子蜘蛛が攻撃を仕掛けてきますので、早めに処理してしまった方が良いでしょう。如意棒を伸ばすカードを使い、範囲攻撃で一気に仕留めていきます。

ボスを撃破!報酬としてお金やカード以外に、強力なアイテムをゲットできます。敵が攻撃を仕掛けて来た時に、使えるコストが1増える「混天綾」を入手しました。

スキルポイントを利用して、悟空のスキル強化することも可能。戦闘開始時に、如意棒カードを1枚手札に加えるスキルをゲットしました。

キャラやカード、アイテムを調べられるヘルプ機能も充実しています。分からないことや、カード能力などを調べたい時は利用するといいでしょう。ユーザーフレンドリーな作りになっていますね。

本作、「白蛇伝」の主人公である白娘と、その従者の小青まで敵として登場します。日本でいうと、桃太郎と金太郎が戦うようなものでしょうか。夢のコラボレーションというか、ドリームマッチですね。

ステージ2のボスに到達。変身も使ってくるわ、HPも防御値も高いわで、恐ろしく強い。仲間がどんどんやられていきます。果たして悟空は勝てるのか。続きはぜひ自身の目で確かめてみてください。

「西遊記」要素をふんだんに取り入れたデッキビルド型ローグライク

本作は『Slay the Spire』のフォロワー作品ですが、悟空の武器の如意棒や、変化能力など、「西遊記」好きな人には嬉しい要素が多く取り入れられています。特に「西遊記」や中国神話のキャラ達が、敵や味方として登場するのが楽しいですね。

他にも、前述した白竜や三蔵法師でプレイすることができます。手札のカードも、悟空の時とは違った物になります。それぞれ特徴があるので、上手く使っていきましょう。

本作は日本語サポートはありませんが、『Slay the Spire』をプレイしたことがあればルールはだいたい同じなので、プレイすること自体は問題無いかと。無料デモもありますので、興味のある方はプレイしてみるのがいいかと思います。

製品情報

『神州誌:西遊 Divinity Chronicles: Journey to the West』
開発・販売:Z Studio、ParasGames
対象OS:Windows、macOS
通常価格:1,520円
サポート言語:中国語(簡体字、繁体字)、英語
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/1449070/Divinity_Chronicles_Journey_to_the_West/
※本記事で用いているゲームタイトルや固有名詞の一部は、技術的な制限により、簡体字・繁体字を日本の漢字に置き換えています。

■筆者紹介:渡辺仙州 主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。著者Twitter「マイナーゲーム.com」Twitter

《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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