トップダウンサバイバル『Lumencraft』―本作のメインとなる要素は、ピクセル単位で地形を掘り進めたり、壁を作ったりできるということ【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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トップダウンサバイバル『Lumencraft』―本作のメインとなる要素は、ピクセル単位で地形を掘り進めたり、壁を作ったりできるということ【開発者インタビュー】

地形がピクセル単位で変化するというのは、内部処理的にもかなり難しいようです。

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トップダウンサバイバル『Lumencraft』―本作のメインとなる要素は、ピクセル単位で地形を掘り進めたり、壁を作ったりできるということ【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、2Dynamic Games開発、PC/Linux向けに4月14日に早期アクセスが開始されたトップダウンサバイバル『Lumencraft』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、「ベースディフェンス」と「ローグライク」の要素を併せ持つトップダウンシューティングゲーム。もはや人が住めなくなって久しい荒廃した地表を持つ架空世界において、プレイヤーは人類の救世主とされる鉱物「Lumen(ルーメン)」を求めて、地底奥深く潜っていくことになります。地形はピクセル単位で破壊でき、戦闘によって景色・環境はなめらかに変化していくのも特徴。日本語にも対応済み。

『Lumencraft』は、1,220円で早期アクセス配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Paweł Mogiła氏(以下Paweł)Paweł Mogiłaです。友人のŁukasz Rzepeckiと一緒に2Dynamic Gamesというスタジオを設立しました。ポーランド・クラクフを拠点とする小さな会社です。本作以前に、私はSteamで『Grimind』と『Clinically Dead』をリリースしています。これら2本は私ひとりで作った作品です。ゲーム開発以外ですと、私はヤギェウォ大学でゲームプログラミング、3Dモデリング、モーションキャプチャーを教えながら、博士号の取得を目指しています。好きなゲームは、作り込まれた雰囲気とパズル要素が特徴の『SOMA』『Amnesia』『Penumbra』シリーズなどですね。

――本作の開発はなぜ始まったのですか?

Paweł本作の開発は2021年9月に始まりましたので、本作を今の状態に持ってくるまで8ヶ月かかったことになります。開発開始と同時にパートナーであるStar Driftersと一緒に仕事をするようになり、本作の舞台やプロットづくりの手伝いをしていただきました。それ以前、私たちはゲームシステムなどの開発を行なっており、本作を他の多くのゲームより際立った存在にするための作業を行なっていたのです。私たちはほぼプログラマーとして活動しているので、とても細かなコードをいじったりするのが好きなのです。ゲームエンジン部分は1年かけて開発し、今でも新しい機能を追加し続けています。

――本作の特徴を教えてください。

Paweł本作のメインとなる要素は、ピクセル単位で地形を掘り進めることができたり、壁を作ったりできるというところです。プレイヤーが金属の地形を掘り進めると、あらゆるピクセルが資源としてカウントされます。これにより、他のゲームでは出来ないようなスムーズに円形のトンネルを掘るようなことができるのです。各ピクセルが爆発物で破壊されるのも、泡で修復されるのも、リアルタイムに行われます。

他に特徴的な点ですと、変化する地形を通してサーチしたり、プレイヤーの行動に反応してくる敵たちです。例えば、プレイヤーにとって都合の良いひとつの方向から敵の大群が押し寄せてきていても、うっかり壁を作り過ぎてしまうと、敵が他のより良い進入経路を見つけてしまうかもしれないのです。

これらの要素により、本作は予測不可能で面白い展開が特徴となりますが、その分かなり複雑な作りになっています。マップは8,000x8,000ピクセルで構成されていますが、そのピクセルもリアルタイムで変化する可能性があり、経路探索やライティング、ストレージ構造、シェーダーに至るまで、すべてスムーズに動作させるためにかなりの作り込みが必要になりました。

――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?

Paweł本作は幅広い層に楽しんでいただけると思います。タワーディフェンスファン(『Kingdom Rush』や『Warcraft 3』のカスタムマップ)から、基地建設要素(『Rust』『They Are Billions』)が好きなすべてのプレイヤーに楽しんでいただけるでしょう。本作はまた、現状一台のPCの画面分割で遊べる協力プレイもとても面白いものとなっています。『Darkwood』と『Teleglitch』から多少影響を受けていることもあり、これらの作品が好きな人も本作を楽しめるでしょう。最後に、『Factorio』や『Terraria』のクリエイティブな自由度が好きな人は、2Dマスを使っているということもあり、本作を楽しめることでしょう。しかし本作では各マスがとても小さく、ほとんどドットのような単位になっており、ブロック状には見えなくなっています。

――早期アクセスはどれぐらいの期間を予定していますか?今後どのような要素が追加されるのですか?

Paweł早期アクセス開始時点から1年以内に正式リリースすることを計画しています。新しい武器、新しい敵(次のアップデートでは、飛行し壁を飛び越えてくる敵の大群を追加します)、より多くのマップといった本作の中心となる要素を追加していく予定です。また、私たちはマップを繋げてより大きな世界を作りつつ、メトロイドヴァニア要素やストーリーも追加しようと考えています。マップのランダム生成要素も追加し、プレイする度にユニークな体験ができるようにしたいですね。これはプレイヤーの皆さんからも多くのリクエストをいただいています。新しい資源である石炭や石といったものも追加予定です。

――早期アクセスとしてリリースしてみた感想を聞かせてください。

Pawełプレイヤーの皆さんには本作のポテンシャルを目にしていただき、ローンチは大成功でした。パートナーのStar Driftersがしっかりとリリースの準備をしてくれていたおかげでもあります。予想していなかったことは、ゲーマーの方々からすごい量の素晴らしいフィードバックが届いたことです。今はそれらの解析をしており、たくさんリクエストが来ている要素やクリエイティブなアイデアは、本作に採用させていただこうと思っています。また、プレイヤーの皆さんがクリエイティブな意味で本作をぶっ壊してくれるとは思ってもいませんでした。例えば、プレイヤーが守らなくてはいけないメインとなる建物があり、その近くにプレイヤーキャラの復帰ポイントがあります。ここに壁を塞ぐための泡を使ってしまうと、デスループが発生してしまうようなことが起きてしまったのです。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Pawełはい、すべてここでご紹介します。まずは2Dの『Worms』ですね。地形のあらゆるピクセルを破壊できるという部分に惹かれました。この要素を本作でも現代的にして採用しています。ピクセルごとのシミュレーションが私たちは好きなので、『Noita』からも影響を受けています。本作でも溶岩の動きや何かを破壊した時のカケラの挙動に似たようなものを採用しています。自分の拠点に向かって大量の敵が襲ってくるという点では、『They Are Billions』の影響もあります。これは本作に採用するのがとても大変でした。本作では地形が変化するので、敵の動きを素早く制御するのが難しいのです。雰囲気や探索要素では『Darkwood』から影響を受けています。私がたくさんプレイしていましたので、昔の『Warcraft 3』のカスタムマップ(「Legion TD」「Hero Siege」)からの影響もあるかと思います。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Pawełそれほどありませんでした。パンデミックの間も、オフィスで変わりなく仕事をしていましたし、隔離が必要になったメンバーだけ、その時は自宅からリモートで作業をしていました。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Pawełはい、もちろんです。本作において、そのようなことを禁止する理由はありません。本作はプレイする度に多少変化がありますので、すべてを見せてしまっても問題ないのです。実際、配信や動画制作をするYouTuberを支援しています。これも私たちのゲームを多くの人に見てもらう良い方法ですからね。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Paweł私たちは可能な限り素晴らしい2Dマスを使ったゲームを作りました。もし壁を掘り進んで自分の好きなように基地を作るのが好きで、何百匹もの敵からそれを守るというのに興味がありましたら、ぜひ本作を遊んでみてください。パターンにはまったゲームにならないようにしましたので、とても個性的なゲームになっているかと思います。私たちのDiscordにもお気軽に参加していただき、自分が本作の中で見てみたいアイデアをご共有ください。そのために早期アクセスをしているのですから。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。

《Chandler》
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