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初代『OFP』リブート『Arma Reforger』配信開始!―Xboxにも戻ってきたシリーズの今後とは【先行メディアブリーフィングレポ】

約20年の積み重ねを一度整理縮小し、『Arma』シリーズの新しい未来を切り拓く試み、果たしてどうなる?

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初代『OFP』リブート『Arma Reforger』配信開始!―Xboxにも戻ってきたシリーズの今後とは【先行メディアブリーフィングレポ】
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チェコのデベロッパーBohemia Interactiveは、ストリーミングイベント「Future of Arma」にて『Arma 4』の製作進捗を発表、同時にシリーズ新作『Arma Reforger』の早期アクセスをPC(Steam)およびXbox Series X/Sにて開始しました。ほぼリアルスケールの戦場体験が人気の『Arma』シリーズから、スピンオフの『DayZ』を除いて9年ぶりの新作です。

実は、これに先駆けメディア向けの先行説明会が行われていました。この説明会、中々凝った作りで、会議アプリ「Gather.town」の中に、過去作の展示を含めた軍施設風の会場が設営されているという趣向。その凝り度合いを見せられないのが残念ですが、日本からの参加はゲムスパのみだったという同イベントの模様をお届けします。

タイトル発表に続き、設立者のMarek Španěl氏からの所信表明では、23年前の5月12日(当イベント開催日)に1999年のE3に参加した思い出が語られました。氏にとってこれが初めてのプレゼンテーションだったそうで、「旧共産圏からスペツナズの軍服を着てロサンゼルスにやってきた小さなスタジオが、今や『Arma 3』の成功で多くの従業員を抱える大スタジオに成長しました。今こそ新しい冒険に旅立つときが来たのです」と、本作にかける意気込みを述べました。

ただし、多くのユーザーが気になるところであろう『Arma 4』はロゴ発表のみで、現時点では具体的な発売予定などは「一切ない」とのこと。Bohemia Interactiveの新たな自社エンジン「Enfusion」を使用し、この『Arma 4』を見据えたリブート作という位置づけになるのが、今回電撃的に配信が始まった『Arma Reforger』です。Bohemiaは、本作を通じ、エンジンの習熟、改修を行いながら、来たる『4』のための足固めを行う予定であるとしています。

『Arma Reforger』はシリーズ初代『Arma: Cold War Assault』(旧題『Operation Flashpoint: Cold War Crisis』) の時代背景をベースに展開する、シリーズ初のコンソール同時発売となるマルチプレイ主体の作品。今回舞台となるのは、原作に登場した3つの島のうち「Everon島」のみとなります。冷戦下のチェコがモチーフで、年代は『OFP』から少し進んだ1989年。勢力は原作同様、米軍、ソ連軍、レジスタンスの3つです。

「原点回帰」「コンパクトな『Arma』体験」をコンセプトに掲げ、拡張の可能性や長期的コミュニティに注力するタイトルである『Arma Reforger』のゲーム規模は『Arma 3』よりも遥かに小さいものとなっています。一方で、これまでと同様「本物の体験」にこだわると共に、「戦闘」「コミュニケーション」「兵站」をゲームプレイの柱として掲げています。クリエイティブディレクターのIvan Buchta氏は「プレイヤーが記憶に残る瞬間を通じ、戦場で生きてくれることを願います」と説明しました。

『Arma Reforger』のトレイラー内では、リアリティを増した光の表現、夜間の行軍、非常事態を伝えるラジオなど、新エンジンで実現される戦場の一端を垣間見ることが出来ます。

映像に続いて、プロジェクトリーダーのJán Dušek氏による『Arma』シリーズの今後の方向性についてプレゼンが行われました。

「『Operation Flashpoint』から23年、シリーズは複合的な軍事シミュレーションのプラットフォームとして発展を遂げました。しかし今のままではプレイヤーやコミュニティ、私達の希望をこれ以上満足させることは難しく、最初からやり直す決断をしました。『Reforger』はシリーズの進化の第一歩であり、『Arma 4』の基礎となるのです」

『Reforger』は単なるゲームではなく、「『Arma』のコアゲームプレイ」、アセット類の「サンドボックス」、「ゲームモード」、Modをサポートする「コミュニティ」、これらの本作を構成する4つの柱を含めた、ファンが楽しみ、プレイし、クリエイトするための「パッケージ」であると氏は説明します。

「ゲームモード」については、現時点ではマルチプレイヤーモードのみ。島を巡る勢力争いの「コンクリフト」、ゲームマスターの操るシナリオに従って戦闘が展開される「ゲームマスター」(『3』でいうところのZEUSシナリオ)、この2つがメインのコンテンツとして挙げられました。これに加え、「Example Game Mod」として制圧戦、防衛戦、局地戦などが含まれます。

また、ゲームと同時に、様々なMod、ミッションが制作できる「Enfusion Workbench」も公開。これが利用できるのはPCのみですが、制作されたコンテンツについてはXbox版も含め、独自のWorkshop経由で簡単にシェアできる模様です。プレビュービルドでは、実際にCQB的な陣取り対戦ミッションが既にアップロードされていました。

これまでの自社エンジン「Real Virtuality」に代わる「Enfusion」は、上記の「パッケージ」のように総合的なプラットフォームを実現するために開発されました。ゼロからの開発には多大な労力を費やし、会議室には有名なスローガンである「We Can Do It!」のポスターが張られていたそうです。

「Enfusion」ではよりリアルな昼夜サイクルを実現、月の光も光源として扱われます。ボリュメトリックライトなど、夜間の描写は「新しい次元」になると自信を見せていました。霧や地面の濡れ、雲の影も描写し、これらはマルチプレイヤーのサーバーで全プレイヤーに同期されます。

プレゼンテーション終了後は、出席メディアによるQ&Aが実施。AIやローカライズについての話題も出てきました。

Q:AIの制御はどうなっているか。シリーズでは常にAIの振る舞いが指摘されてきた。
A:『Arma 3』などと同様に複雑さは持っていない。改善は急務としており、シンプルだがしっかりとしたものになる。

Q:ビデオカードやXboxなど多様な環境が想定され、パフォーマンスに影響が及ばないようグラフィックのカスタマイズはどのくらいできるのか
A:マルチプレイヤーで同じ人数の表示を目指しており、地形や建物、列車などのオブジェクトのディテールを変更できる。ミドルレンジでも対応できるよう最適化を進めている。

Q:島の規模はどのくらいになるのか。破壊表現などインタラクティブ面はどうなるのか。
A:『Operation Flashpoint』と同等の12.8km四方。地上は55平方キロだが、海上や湖上にも進入可能。細かい部分は大きく手が加えられ、ゲーム上機能するように作り替えられている。破壊表現にも力を入れて取り組んでおり、映像でも小さいオブジェクトは物理的に破壊できるのが確認できる。

Q:『Arma 4』でも『3』のように多数のModを許容する可能性は見込めるか
A:『Arma 4』は『3』と同様の規模を目指し、シミュレーションの可能性を追求したい。

Q:映像のラジオ放送のように、実際のチェコからどのように影響を受けているか。
A:調度品などの小道具は冷戦下の広告などを参照し、差異もあるがかなり近づけている。

Q:早期アクセス終了などの具体的な予定はあるか
A:1年はかからないだろう。『Arma 3』のように何年も引き延ばすことはしない。

Q:これまでのModを新エンジンに引き継ぐことは出来るのか
A:インポートのツールは予定しているが、後方互換にはならない。

Q:『Operation Flashpoint』のチェコ語吹き替えは素晴らしかったので、今回も実現するか
A:吹き替えも含めチェコ語ローカライズを進めている。ファンから各言語化の希望も来ているので、その方向性も広げられるよう検討している。
(編集部注:『Arma Reforger』はプレビュービルドの時点から、字幕のみですが日本語対応でした)

登壇者からは「これは新たなスタートである」という言葉を繰り返し聞きました。約20年積み上げてきたものを一度大規模に整理縮小するという、旧来のシリーズファンからの大きな反発やコミュニティの分断が予想される状況であるだけに、あくまで『Arma』シリーズの未来に向けて、ここから橋頭堡を築くのだという意思が伝わってくるプレゼンテーションでした。

『Arma Reforger』はSteam(3,700円)およびXbox Series X|S(3,500円)にて早期アクセスを実施中です。なお、Game*Sparkでは同作の概要を紹介するプレイレポ記事も合わせ掲載しています。


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