RPGのキャラメイク(だけ)で最強を目指せ(冒険には出ない)!名作ボドゲのデジタル版『Roll Player - The Board Game』の魅力に迫る【デジボで遊ぼ!】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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RPGのキャラメイク(だけ)で最強を目指せ(冒険には出ない)!名作ボドゲのデジタル版『Roll Player - The Board Game』の魅力に迫る【デジボで遊ぼ!】

今回は、ファンタジーRPG開始時のキャラメイクだけに焦点を当てた名作ボードゲームのデジタル版『Roll Player - The Board Game』をお届けします。

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RPGのキャラメイク(だけ)で最強を目指せ(冒険には出ない)!名作ボドゲのデジタル版『Roll Player - The Board Game』の魅力に迫る【デジボで遊ぼ!】
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デジボで遊ぼ!」ではボードゲーム要素やカードゲーム要素、テーブルトークRPG(TRPG)要素のある魅力のデジタルボードゲームを特集。今回は、ファンタジーRPG開始時のキャラメイクだけに焦点を当てた名作ボードゲームのデジタル版『Roll Player - The Board Game』をお届けします。

本作はMipmapによって、2022年5月20日にSteamで早期アクセス版が配信されました。本作の元となるボードゲーム「ロールプレイヤー」は、2016年にThunderworks Gamesからリリースされた作品。日本では2018年にアークライト社から完全日本語版が発売されていますので、そのゲームコンセプトから日本でも話題になっていました。

本作の内容ですが、RPGやTRPGなどをプレイする前に行われるキャラメイクをゲーム化したものです。「どれだけ良いキャラを作れるか」をプレイヤー同士で競い合うのが目的。ダンジョンRPG『ウィザードリィ』シリーズで、良い初期ステータスになるよう、長時間掛けてひたすら数値を振り直しするような方には合う作品なのではないかと思われます(そしてなかなか冒険に出発できない)。もしくはTRPGで、凝った設定のキャラを作るのに時間を掛けるような方ですね(ちなみに筆者はオープンワールドRPG『オブリビオン』のキャラメイクに時間が掛かり過ぎて、本編をなかなか進めることができなかった経験があります)。

そんな方々のために、「存分にキャラメイクを楽しみ、競い合ってくれ」というコンセプトの元、1~4人でプレイできるボードゲームが本作です。キャラメイクが終わった時点でゲームは終了し、その時のステータスや属性、アイテム、設定どおりのキャラになっているかなどで星(勝利点)が得られます。星が一番多いプレイヤーの勝ちですね(冒険には出掛けません)。本作はそのデジタル版となりますが、一体どんなゲームになったのか、早速プレイしていきましょう!

まずは(そして最後まで)キャラメイク!

本作のゲームモードですが、「ソロプレイ」以外に「パス&プレイ」(オフラインのマルチプレイ)と「チュートリアル」があります。オンラインでのマルチプレイには現在対応していませんが、今後クロスプラットフォームでのオンラインマルチが予定されているようです。

今回はチュートリアルからプレイ。ただチュートリアルと言っても、普通のソロプレイに説明テキストが出てくる程度なので、結局は自分で考えてプレイしなければなりません。ボードゲームの日本語版が存在することから、ネット検索すればルールを説明するサイトや動画が見つかるかと思います。それらも参考にすれば良いでしょう。またボードゲームの公式サイトでは、ルールブック(英語)もPDF形式でダウンロードできます。海外ボードゲームは、ルールブックの入手が容易なのが良いですね。

チュートリアルで使われる種族は、ドラゴンキン(竜人)です。他にもドワーフエルフ、人間、ハーフリングなど、ファンタジーRPGでお馴染みの種族を使えます。

種族の次に選ぶのは職業。今回は、ランダムで配られたレンジャードルイドの2択になっています(ボードゲームでは配られた一枚のカードの表裏に職業が書かれており、どちらかの面を選択)。他にもソーサラークレリック、パラディンなど、お馴染みの職業が登場。それぞれの職業には、固有スキルも付与されています。

キャラには、STR(筋力)・DEX(俊敏)・CON(耐久)・INT(知力)・WIS(知恵)・CHA(魅力)の6つのパラメータがあります。後述するダイスを置くことで、指定の数値を達成すれば、星(勝利点)を獲得できます(例えばSTR14~15なら星+2)。多くの星を獲得した人の勝ちとなります。

また種族ごとに、これら6つのパラメータに修正が入ります。例えばドラゴンキンはパワーキャラなのでSTRに+2の修正が入りますが、動きが遅いのでDEXは-2です。高DEXが要求される職業は星取りが困難なので、注意が必要です。しかしレンジャーもドルイドも、高DEXが要求されるので厳しい。他のパラメータの星の取りやすさを考慮して、今回はドルイドを選択。

次に「属性カード」(画像中央左)と「設定カード」(画像中央右)がランダムで1枚ずつ配られます。「属性カード」は、いわゆる「善・悪・秩序・混沌」のどれに属しているかですね。3X3のボードになっていて、最初はその中央(中立・中立)から始まります。上下が「善・中立・悪」、左右が「秩序・中立・混沌」で、ゲーム中に属性は動いていきます。ボード上には「星+3」「星-1」などが書かれており、ゲーム終了時にどこに止まったかで、このスコアが貰えます。「星+3」になるよう、属性を調整する必要がありますね。今回は「秩序・中立」で星+3が貰えますので、ここを目指しましょう。

「設定カード」の方ですが、これはキャラのバックストーリーになっています。今回は「選ばれし者」。「聖なる印を持って生まれた。予言者によれば、強大な力と大きな影響力を王国に与えるだろう」といった、エリートキャラのようですね。ただこれらは単なるフレーバーで、星を獲得するためには、ダイスの色と配置場所を一致させなければなりません(後述)。

次は初期セットアップ。5つのダイスを振って、それらを6つのパラメータ欄に置きます。1つのパラメータに付き、最大で3つのダイスが配置可能。その合計値が、パラメータの値になります。

とりあえず5つのダイスをすべて配置しました。例えばSTRに4の目ダイスを3個置けば、合計は12になります。さらにドラゴンキンはSTR+2の修正がありますので、最終合計は14。ドルイドは、STRが14~15なら星+2を獲得できますので、これで星ゲットです。

現在、STRには2の目の黄ダイスが置かれているので、合計値は2です。ゲーム中に、すでに置いたダイスの変更も可能なので、ここから合計値14~15を目指していきましょう。

ゲームプレイ(キャラメイク)開始!

ここからゲームスタート。でもやることはキャラメイクです。まずは「ロールフェーズ」。1~2人プレイの場合はダイスを3つ振って(3人プレイは4つ、4人プレイは5つ)、その内の一つを好きなパラメータの所に置きます。ゲームは、6つのパラメータのダイスが埋まった時点(6×3個=18個)で終了。その時の星の合計が一番多いプレイヤーの勝ちとなります。シングルプレイでは、自己最高記録を更新するという遊び方になりますね。

3つのダイスは、振った後に、数字の低い順から並べられます。マルチプレイだと、大きな数字のサイコロを取った人ほど、後述する「マーケットフェーズ」での買い物の順番が遅れます。それと、並べられた端のダイス(1~2人プレイなら1番目と3番目)以外を取ると、1ゴールドを貰えます。ゴールドは買い物に使います。

ダイスをどこに置いたかによって、パラメータ能力が発動します。今回はWISに置いたので、「属性を上下左右のいずれかに1歩動かす」ことができます。それぞれのパラメータ能力について以下にまとめておきます。ちなみに能力は、発動したくなければ、させなくてもOKです。

STR:1つのダイスを裏返しにする。例)1の目を裏返して、6の目にできる。
DEX:2つのダイスの位置を入れ替える。
CON:1つのダイスの目を+1or-1できる。
INT:1つのダイスをリロールできる。
WIS:属性を上下左右のいずれかに1歩動かす。
CHA:買い物時に価格から-1ゴールド(次のターンに持ち越せない)。

パラメータ能力の発動が終わると、次は「マーケットフェーズ」。ゴールドを使って買い物ができますが、その前にドルイドの能力が発動。「マーケットフェーズ前に、捨て札から1枚を市場に戻す」ことができます。マーケットには、毎回3枚の商品カードがランダムで並びます。そこに1品、任意でカードを加えられるので、結構強力な能力ですね。

今回は捨て札から、装備カード「神秘の頭巾」を市場に加えました。装備品は、同じ系統を集めることで、星を獲得できます。例えば「神秘」シリーズでしたら、「1種類で星+1、2種類で星+3、3種類で星+6」と高スコアを叩き出せます。

また職業と同じ色の装備なら、さらに追加点。ドルイドは緑色なので、装備カードと色が一致するため、追加で星+1が貰えます。マルチプレイだと買い物は奪い合いになるので、揃えるのが難しい場合もありますね。

ドルイドの能力で、捨て札からマーケットに戻した「神秘の頭巾」を4ゴールドで購入(価格はカード右上に表示)。買う物が無ければ(もしくはお金が足りずに買えなければ)、好きなカードを1枚選んで捨てることで、2ゴールドが貰えます。

マーケットフェーズが終わると、またダイスを3個振るロールフェーズに戻ります。市場に並ぶカードは一新。これらの流れを、すべてのパラメータにダイスが3個ずつ置かれるまで繰り返します。

ちなみにダイス置き場に、ダイスの色が指定されている場所(合計6カ所)がありますが、これは「設定カード」での得点になっています。「選ばれし者」だと、色の一致が「2~3カ所なら1点、4~5カ所なら3点、6カ所全部なら6点」になります。比較的点を取りやすいので、積極的に狙っていくのがいいでしょう。

ターンをこなし、「神秘」シリーズの装備を3種類とも集められました。これで星6つゲット。ちなみに防具だけでなく、武器もあります。両手武器を装備すると盾が装備できなくなるなど、細かい部分でRPGっぽさがありますね。

カードには、違った星の獲得方法を提供するものもあります。例えば「愚か」カードは、「INTかWISが8以下だった場合、星+2」と、パラメータの星獲得条件を変えられます。他にも「パラメータに置かれたダイスの数字がすべて同じであれば星+2」など、様々な条件での星獲得が可能です。

それとカードに矢印が付いている場合、購入するとその方向に属性が動いてしまいます。「愚か」カードだと、「混沌」の方向に1歩動きます。属性の調整にも使えますが、ゲーム終盤で下手に動かしてスコアを減らさないように注意しましょう。

スキルカードは、毎ターン、任意でアクションを起こせます。画像の「集中」カードは、好きなパラメータ能力を発動させられるというもの。ただ発動後に属性が動いてしまうので(「集中」は「秩序」の方に1歩)、これもゲーム終盤には気を付けた方が良いでしょう。

それぞれのパラメータにダイスが3個ずつ置かれ、ゲーム終了。結果は30点でした。一人用だと、得点に応じてランクのようなものがあります。30点だと「指揮官」ですね。最高ランクは「真の勇者」で、38点以上必要です。果たして「真の勇者」にたどり着くことができるのか。続きはぜひ自身の手でプレイしてみてください。

オンラインマルチと拡張が待ち望まれる異色デジボ

本作は「RPGのキャラメイク」という部分に焦点を当て、それをゲーム化してしまったという、なかなかに尖った作品です。元のボードゲームの方は、用意されたキャラシートだけでなく、プレイヤー自身でオリジナルキャラを作るためのツールが公式サイトに用意されています。

本作はキャラを作る段階で終わりますが、ボードゲームの方では「モンスターズ&ミニオンズ」という拡張が発売されています。拡張では、作成したキャラで冒険に出ることが可能に。日本でもアークライト社から日本語版が発売されています。モンスターとのバトル(ザコからボスまで)が楽しめますので、デジタル版でもDLCで対応して欲しいですね。

それと本作は日本語サポートされていませんが、ルールを把握して、カードの短い文章が読めればプレイに支障はないかと。ゲーム自体は楽しいのですが、現在は早期アクセスということもあり、基本的にはソロプレイのみになります。オンラインマルチだけでなく、AI相手のマルチプレイできません。また全画面モードしかないのも、ウィンドウモードでゲームを遊びたい筆者としては残念でした。これらは改善されるとのことなので、今後の展開に期待したいと思います。

製品情報

『Roll Player - The Board Game』
開発・販売:Mipmap
対象OS:Windows、macOS、Linux
通常価格: 1,520円
サポート言語:英語
ストアページ:https://store.steampowered.com/app/1939940/Roll_Player__The_Board_Game/
《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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