持続可能な部族社会とは?北の国ハイランドの厳冬で生き延びる「長の知恵」を編み出そう―『Clanfolk』早期アクセスプレイレポート | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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持続可能な部族社会とは?北の国ハイランドの厳冬で生き延びる「長の知恵」を編み出そう―『Clanfolk』早期アクセスプレイレポート

厳しさに翻弄された経験を「知恵」にして、次の世代に伝えよう。

連載・特集 プレイレポート
持続可能な部族社会とは?北の国ハイランドの厳冬で生き延びる「長の知恵」を編み出そう―『Clanfolk』早期アクセスプレイレポート
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「ハイランダー」、欧州文化に興味があれば一度は聞いたことがある名前でしょう。ハイランダーとは、伝統衣装タータンと勇猛果敢な戦士で有名なスコットランドの民族。本稿で紹介する『Clanfolk』12世紀ごろの中世の暮らしに基づき、グレートブリテン島北部のハイランド地方を開拓するコロニーシミュレーションです。あなたの開拓者魂を熱くたぎらせ、自然との闘いに打ち勝ちましょう!

『Clanfolk』はAI制御の住人たちで構成される「クラン」を管理しながら、狩猟採取、製作で生活拠点を築いていく、いわゆる『Rimworld』フォロワーです。本作の特徴は「越冬」に焦点を置き、敵対勢力との戦闘はないので防衛のための武器などはありません。他部族とは交易などの友好的な交流をするので、純粋なシティビルダーが好みの人には特におすすめです。

しかし、平和に過ごせるかと言えばそうではなく、クランは他でもない「自然環境」を相手に戦います。ハイランド地方は写真や映像を見れば分かるように、草木があまり生えていないだだっ広い平原が広がっています。北海道と気候が似ており、「北の国から」や直近では朝ドラ「なつぞら」の生活が近いイメージですが、悠長にさだまさしとスピッツを歌っている余裕はありません。マイナス20度まで冷え込む厳冬を越すため、計画的な拠点作りと備蓄確保を全速力でこなす必要に迫られるのです。

最初は完全な野宿生活からで、できるのは食料と素材集めから。技術ツリーの発展は素材の入手に紐付いており、石や藁を拾ってくるとそこから作れる石斧などの道具、家の建材が解放される、という仕組みです。チュートリアルもその都度あるので、最初からフリーオープンになっているよりも、ひとつずつしっかりと使い方を覚えられます。この点は他のサバイバル系に比べても充実しており、遊びの導線の面から見てもかなり期待が持てますね。

当初は藁を建材に使うため、草刈りも遠慮無くやっていきますが、消費量が増えていくうちに周囲にはだんだん何もない平地が増えていきます。家畜も外に出て草を食べるか、備蓄の干し草、穀物を消費するので、最初にあるだけではやがて足りなくなるのが目に見えています。そこで重要になるのが「植え付け」の作業です。特に「藁」に使う「葦」は岸辺に生えている貴重なもの。刈ったその場で次の分を植えておけば、生育が早いので近場のものを刈り尽くしてしまう心配は無用です。

草場は野生動物の住処になっているので、ここを更地にしてしまうと狩猟が厳しくなり、食料調達にも支障を来します。草の生長は時間がかかるので、消費する用を抑える工夫も必要になります。いざとなれば野焼きをして土壌をよくすることも可能ですが、消火の準備は忘れずに。

このゲームの難しいところは開拓からスタートする最初の冬越しで、安全なシェルターと熱源、保存食と燃料を揃えるところまで完了していなければ、必ずどこかで破綻し生き延びることはできません。最初の入植者セットアップで家族構成や家畜の用意をするのですが、この時点で「生存確率50%」と書いてあるくらいですから、手探りでセオリーを構築するために膨大な時間を使うことを覚悟しましょう。

冬に入ると屋外にある資源はほとんど使えなくなり、備蓄を消費して耐え忍ぶのみになります。1年目では十分に暖かい服も揃わず、食糧が不足したときは泣く泣く鶏や牛を解体に回します。水桶をうっかり外に放置していたら、凍り付いて飲み水が無くなってしまった、なんて凡ミスも意外と起こります。こうなるともう『Frostpunk』か『This War of Mine』の世界です。一歩も外に出られないまま、飢えと渇きで一家全滅なんて目に遭わないためにも、焦って必要以上に拠点を拡大せず、手堅く冬籠りできる体制を整えることが最優先になります。

寒さ対策に必須なのは、屋内に火を使う作業台を設置して熱源を確保することです。暖炉や肉焼き器はもちろん、鍛冶台や炭焼き釜も大切な暖房です。1カ所に集めた作業部屋と寝室をつなぐ通気口を作れば、真冬でも室温20度をキープできます(ゲーム上一酸化炭素中毒にはなりません。実際の場合は十分な換気を行ってください)。

当然ながら暖をとるには大量の燃料が必要です。建材に木材を使いすぎると薪にする分も無くなってしまうので、こちらも大事な備蓄の一つ。木の再生は簡単にはできないので、切り尽くしてしまう前に植林も欠かさずやっておきましょう。自然の資源は消費するだけで無くちゃんと次に向けて育てる。いわば「サスティナブル」な意識が大事ですね。

最初の夏から冬を越えるまでおおよそ3時間ほどかかるので、『Clanfolk』のシステムをマスターするため、この最初の3時間を何度も繰り返すことになります。それを通じて狩りすぎない案配、キノコの採れる時期、冬までに間に合う家づくりなど、越冬するための「知恵」を経験から学ぶでしょう。昔はそういうものが「先人の知恵」でした。成長する子供たちに経験を積ませ、「先人の知恵」を次の世代に伝える。そんな「受け継がれるレガシー」のドラマが本作の主眼となるのです。

これから北の国開拓に向かう皆様に1つ知恵を授けます。到着して最初に立てるのは、壁1マスに藁屋根をかぶせたシェルターが良いでしょう。四方を囲んだ家を建てる前に、真っ先に簡素な雨よけを作るべきです。これだけで出だしの苦しさは大幅に減るはずです。

早期アクセスのため、現在のバージョンではまだ「ハイランドらしさ」のあるものはあまり出てきませんが、今後のアップデートで泥炭(スコッチウィスキーの香りの素)やエール、蜂蜜酒醸造、傭兵稼業の追加を予定しています。日本語の翻訳も問題なしで、ゲームのベースはしっかりできあがっている印象でした。ジョブ担当の組み方は田舎暮らしの分担割りのようで、朝一番の作業で子供たちは農作業、祖父母は料理、大人は狩猟、みたいな割り当てを考えて、その様子を想像するのも楽しいです。BGMのケルティックサウンドもいい雰囲気ですね。静かな夜には動物たちの鳴き声に耳を澄ましてみてください。現時点でも一冬超すまでの苦労はたっぷり楽しめるので、戦闘の無い平和なシティビルダーの期待作としておすすめです。

『Clanfolk』はPC(Steam)向けに早期アクセスを実施中です。

おまけ


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