戦車シミュレーション『Gunner, HEAT, PC!』―ニッチすぎる題材だが、ミリタリーシムやアクションゲームファンには魅力的なものになっているはず【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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戦車シミュレーション『Gunner, HEAT, PC!』―ニッチすぎる題材だが、ミリタリーシムやアクションゲームファンには魅力的なものになっているはず【開発者インタビュー】

本格的でもシンプルな操作が特徴です。

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戦車シミュレーション『Gunner, HEAT, PC!』―ニッチすぎる題材だが、ミリタリーシムやアクションゲームファンには魅力的なものになっているはず【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Radian Simulations開発、PC向けに9月7日に早期アクセスが開始された戦車シミュレーション『Gunner, HEAT, PC!』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、ゲーム要素とシミュレーション要素を程よく融合させたシングルプレイヤー向け戦車シミュレーション。シンプルな操作でリアルな弾道シミュレーションなどを楽しめるのが特徴です。記事執筆時点では日本語未対応。

『Gunner, HEAT, PC!』は、3,090円で早期アクセス配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Josh Busuito氏(以下Josh)本作の開発者で、リードプログラマーのJosh Busuitoです。本作の開発には5年以上取り組んでいます。私の専門はシミュレーションソフトウェア開発で、ミリタリー関係を題材にしています。もう10年以上プロとしてゲームエンジンに携わっており、とても楽しんでいますよ!熱烈なゲーマーでもありますので、時間があるときはシミュレーションゲーム、RPG、シューターをプレイしまくっています。今は『Project Zomboid』に特にハマっていますね。

――本作の開発はなぜ始まったのですか?

Josh私はミリタリーシミュレーターのゲームをプレイして育ちましたが、特にNovalogic社の素晴らしい車両シムが好きでした。『Comanche 4』や『Armored Fist 3』のようなゲームは、私の車両シミュレーターゲームに対する理想形というものを決定づけてくれたのです。アクション満載でわかりやすく、面白さを犠牲にすることなく主題に忠実である、ということですね。しかし、そのようなゲームは近年少なくなってきています。その代わりに、基本プレイ無料(つまり、お金を払うまでイライラさせられる)ゲームがたくさん発表されるようになりました。数年前、新しい戦車ゲームを探そうとしたのですが、どのゲームもしっくりこなかったのです。そして、私は昔遊んだ「シムライト」なゲームを現代的に再構築することに憧れました。ある日、この夢を実現するために必要なスキルの多くを私自身が持っていることに気づき、『Joshの名もなき戦車ゲーム』のプロトタイプに取り掛かったのです。それから何年も経ち、この初期の取り組みが、今では本プロジェクトに発展しました。私の目標は、自分がプレイしたいと思うような戦車ゲームを作ることなのです。

――本作の特徴を教えてください。

Josh本作は、現代の地上戦と、今はなき豪華なシムライトゲームに宛てたラブレターです。本作では、リアルさとシンプルさをどちらも妥協することなくブレンドすることを目指しています。そのため、いくつかのディテールを増強し、逆にシンプル化している箇所もあります。具体的には、戦車の光学系、射撃管制システム、弾道、装甲貫通、可燃物、内部システムの損傷などを徹底的にシミュレートしています。体力ゲージやわざとらしさは存在しません。実戦での光景や音、リアクションは、マニュアルや研究論文を読み込んで、できる限りリアルに再現しました。その代わり、操縦はシンプルにし、できるだけ多くの似たような戦車の特徴に共通の操作を割り当て、ミッションのシナリオは、プレイヤーがほとんど戦術的な決定をしなくても、すぐに射撃アクションに入れるようになっています。

本作には、ここでは紹介しきれないほど、注目すべきディテールが数多く搭載されています。しかし、特に注目して欲しいのは音声システムです。戦闘中、車両クルーはターゲットを発見し、アラートとコマンドを呼び出しますが、これは実際の戦車クルーが使用するものに忠実なものとなっています。アメリカの戦車隊長は、「Gunner, Sabot, Tank!」とか「Gunner, HEAT, PC!」(本作のタイトルはここから来ました) といった初動コールをします。このように呼びかけ、砲手や装填手がそれに応えて弾をターゲットに当てるのです。また、乗組員のパニック度合いもダイナミックで、危険な脅威に狙われたり、戦闘区画に敵の発砲があったりと、状況が悪化すると、乗組員の恐怖の声がその変化を伝えてくれます。これは実際に体験してみないとわからないでしょう。

――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?

Josh本作は一般のゲーマーにとって、ニッチすぎる題材であると感じられるのは理解できます。しかし私たちは、戦車の歴史に精通していない人にとっては難しくはあっても、ミリタリーシムやアクションゲームのファンにとって魅力的なものを作っていると信じています。今後の展開として、ユーザーエクスペリエンス、インターフェース、チュートリアルを全面的に見直し、本作に興味を持ってくれた人を遠ざけないようにしていく予定です。

――早期アクセスはどれぐらいの期間を予定していますか?今後どのような要素が追加されるのですか?

Josh早期アクセスは、このロードマップが完成するまで続けます。しかし具体的な日付を決めることはできませんし、事前に日付を確定しようとすることで、開発チームが「クランチ」する必要に迫られるのもよくありません。少なくとも1年、おそらくそれ以上はかかると確信しています。

ロードマップには、以下の一般的なものが含まれています。

  1. 基本キャンペーン

  2. 火力支援

  3. 歩兵

  4. ソビエト

  5. より詳細なクルー

  6. ドイツ連邦軍

  7. 破壊力強化

  8. キャンペーンの拡張

  9. マルチプレイヤー

詳細はロードマップに記載されており、今後機能が充実してきた段階で、これらの項目をより深く掘り下げていきます。

――早期アクセスとしてリリースしてみた感想を聞かせてください。

JoshSteamでの早期アクセスは、私たちにとって大きな変化でした。以前は、ゲームの資金をPatreonのサポーターだけに頼っていたのです(早期アクセス前の数ヶ月で、5,000人以上のパトロンがいました)。これはプロジェクトの初期段階では素晴らしいことで、私たちはコミュニティのサポートに本当に感謝していますが、最終的にはプロジェクトのニーズがクラウドファンディングを上回っていることに気づきました。Steamに移行したことで、本作をより多くの人に知ってもらえるようになり、注目度が上がったことで、より早く目標を達成できるようになることを期待しています。私たちは非常に小さな開発チーム(現在コアメンバーは約6名、そのうちフルタイムは2名のみ)ですので、本プロジェクトでは常に限界に挑戦しています。Steamの多くのユーザーからのご意見やプレッシャーは驚くほど増えていますが、マーケティングキャンペーンやパブリッシャーがない新参者の私たちには、以前は手の届かなかった露出も増えています。全体として、早期アクセスは正しい選択だったと思っています。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Josh本作は『Armored Fist 3』に影響を受けていると言って間違いありません。子供の頃にこのゲームを遊び、プレイヤーフレンドリーの戦車ゲームとはなんなのかを教えてもらいました。その他にも、良い意味でも悪い意味でも、様々なゲームを参考としています。私たちは、どのようなものからでも等しく学びたいと考えているのです。

――本作の日本語対応予定はありますか?有志翻訳は可能ですか?

Josh少人数の開発チームであることと、開発の初期段階であることから、ローカライズへの取り組みはまだ行われていません。最終的に日本語に対応する可能性は非常に高いと思っています。もし、ファンの方からの翻訳を受け入れることになった場合は、その事実をすぐに公表するつもりです。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Joshパンデミックが始まった時、私はまだシミュレーション業界で正社員として働いており、趣味として本作を開発していました。そのストレスと在宅勤務への移行が重なり、燃え尽き症候群のような状態になり、結局、会社を辞めることになったのです。このような事態は想定していませんでしたが、幸いにもパトロンというコミュニティの素晴らしいサポートのおかげで、本作の開発に専念できるほど経済的に安定した状態を維持することができました。パンデミックは他のチームメンバーにも影響を及ぼしましたが、それぞれ対応することができました。しかし、挫折を味わうことなくしっかりと本作の開発に専念することができたのは、本当によかったと思います。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Josh私たちは、本作に関する動画や配信を強く推奨しています。マーケティング予算がほとんどない小さなチームとして、これらは本作に興味を持っていただく最も効果的な方法なのです。もし配信者や動画制作者がコンテンツを収益化したいのであれば、それも私たちにとっては問題ありません(トレイラーなど、私たちのメディア作品の再アップロードは例外です)。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Josh本作は、日本の皆様を含む、すべての人のためのゲームです!日本の戦車愛好家コミュニティからは強い関心とフィードバックを受け取っており、日本でのプレイヤーが増えていくことを楽しみにしています。本作がさらに発展し、DLCを作成する際には、陸上自衛隊の優れた装甲部隊を絶対に忘れませんよ。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。






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