アブナいパロネタも満載…アクセル踏みすぎ不条理コメディADV『ふりかけ☆スペイシー』で“ネオ昭和”を全身で浴びろ!【爆レポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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アブナいパロネタも満載…アクセル踏みすぎ不条理コメディADV『ふりかけ☆スペイシー』で“ネオ昭和”を全身で浴びろ!【爆レポ】

これ大丈夫なんですか?

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アブナいパロネタも満載…アクセル踏みすぎ不条理コメディADV『ふりかけ☆スペイシー』で“ネオ昭和”を全身で浴びろ!【爆レポ】
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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。

今回は2023年3月1日によんとんトマチンよりPC向けにリリースされた『ふりかけ☆スペイシー』について生の内容をお届けしたいと思います。

『ふりかけ☆スペイシー』とは?

本作は、不条理なコメディ色を全面に押し出したビジュアルノベル型アドベンチャーゲームです。ゴスなドレスを着てブリのカチューシャを頭につける個性的なファッションの2浪中女子「さぁたん」は、令和から“ネオ昭和”と呼ばれる時代に飛ばされてしまいます。

セル画アニメを彷彿とさせるイラストや多方面のカルチャーへの溢れんばかりのパロディ、一癖も二癖もあるキャラクターなど特徴は挙げだしたらきりがなく、他とない濃密な体験を楽しめる作品です。これまでいくつかのゲームイベントに出展され、インディーゲームファンから注目を集めていた作品ですが、ついにリリースされました。

ゲーム開始時点から、あなたはもうネオ昭和の世界に呑まれている

不条理なギャグが魅力的な本作ですが、Steamの「プレイ」ボタンを押した瞬間から“ふりスペ”ワールドは始まっています。まず、ゲームを始めるといきなり実績が解除。その実績の名は「トロフィーコンプリート!」。実績は本当にこの1つしかなく、全プレイヤーの解除率も100%です(そりゃそうだ)。きっと友達に自慢できますね!

タイトル画面はなぜか田んぼや森林、路地裏などで登場キャラのパネルを持った実写映像になっており、アラビアンな雰囲気のBGMとのギャップがクセになります。

ゲームの流れとしてはオーソドックスなビジュアルノベルとなっており、テキストを読み進めていくことでゲームが進行します。オプションで切ることもできますが、ブラウン管TVのような「ネオ昭和フィルター」が雰囲気を醸し出しています。

画面上にはテキスト、立ち絵、メニューだけでなく、現在の舞台を示す欄(画面左)もあります。どこかでみたような文字とお家ですね……。日曜の夕方6時に見るような気がする。オレンジ色になっているテキストをクリックすると用語の解説を見ることができます。そのほとんどはおふざけ満載で、毎回クリックさせる魅力があります。

公式サイト。ENTER COMMAND?

「ゲーム実況」をクリックした際に出てくるガイドラインを確認しにホームページにアクセスしてみると、Apple IIの『ミステリーハウス』を思わせる、レトロなADV風のサイトが。ガイドラインをみてみると、「無編集・無音声の動画不可」「一度は購買を促す」といった記述に加え、「プレイ中は人や犬を食べてはいけない」「酒を飲んだら同じくらい水を飲む」といった奇妙なルールも書かれているため、本作を実況する際はかならず守るようにしましょう。

主人公であるゴスガール・さぁたんは、大学入試に失敗して2浪中の女子。勉強するつもりがゲーム実況を見ながら『ストリートファイターV』を13時間プレイするというダメ人間ライフを満喫しています。小さな田舎の孤島「シャドウガ島」に住んでいますが、現代とは思えないほど何もないといいます(カラオケはある、喫茶店はない、コンビニは少しある程度というのがリアル)。

そんな中、さぁたんは突然巨大な穴に落っこちてしまいます!様々なものに思いを馳せながら死を覚悟すると、新宿らしき地に出ます。

しかしミラノ座が営業していたり、上映している映画がなんだか古いものばかりだったりと、サイコキネシスを使えそうなガキンチョが現れたりと、どうやら現代の新宿とは様子が異なります。

あたりを探索していると、曲がり角でカブ(のようなもの)に乗った女子高生と激突してしまいます。彼女の名は竟金かがみ。本作におけるメインキャラクターのひとりです。介抱してくれた彼女によると、ここは昭和ではなくネオ昭和(元号ではなく、「そういうムード」とのこと)のふりかけ区であることを知らされます。なにそれ……?

昭和っぽさがありつつも、ビームを放ってくる怪しげな男がいたり、犬のようなパトカーがいたりと、少しどころかかなり変な世界であるようです……。

このように、開始から30分も経っていないにもかかわらず序盤からアクセル踏みすぎの強烈なテキストが続きます。詳細な展開は実際にプレイしてほしいため割愛しますが、テキストを読み進めるだけでなくちょっとしたミニゲームも登場します。

序盤に挑む「ネオラップバトル」はFREESTYLE(即興)でLYRIC(歌詞)を撃ち合うという内容のミニゲームで、相手のLYRICの最後の文字から繋げなければなりません。

ゲームプレイは相手が出したLYRICの末尾からつながる文字と思われるイラストを、3つの中から選ぶという簡単なものです。しかしもちろん、ストレートな作りにはなっていません。

「マッシュルーム」のつもりでキノコの絵を選んだら「マジ◯クマッシュルーム(伏せ字にさせていただきます)」になったり、ダイレクトに現実世界では違法なドラッグを思わせる画像が出てきたりと非常にアブナいネタがでてきます。

選んだ絵柄が理不尽に思わぬワードに変換されてしまうこともありますが、直前の選択肢からリトライできるためストレスではありません。むしろそれぞれの選択肢がどのように解釈されるのかという楽しみがあるため、むしろわざとミスしたいほどです。アブナいところや変なところはありつつも、ゲームとして快適さを確保しているのは素晴らしい点です。

もうひとつの要素として、メニューからいつでもアクセスできる占い機能があります。こちらは落書きやボツキャラ、初期案などが見られる機能で、本編の攻略とは一切関係がありませんが、ついつい何度も押してしまいたくなる中毒性があります。これ本当に大丈夫!?と心配したくなるようなネタも……。


『ふりかけ☆スペイシー』は、噛めば噛むほど不条理が溢れ出てくる、非常に充実感のあるアドベンチャーゲームです。テキストを送る度に面白い展開や用語解説が次々に出てくるので、プレイヤーを飽きさせることはありません。さぁたんの小気味よいツッコミもアクセントになっています。

露骨なパロディやもじってすらいない固有名詞、アウトローなネタも登場するちょっとアブナいテキストは同人ゲームらしいフリーダムさも感じられます。噛めば噛むほど面白さが溢れ出る、独自の魅力を抱えた作品です。開発者のよんとんトマチン(タナカハルカ氏)は海外アニメに詳しいらしく、作中で登場する不条理的・社会風刺的なギャグはそういった方面からの影響も感じさせます。

この後も閻魔っぽい少女「ポポン天」やツノを生やしたコテコテのお嬢様「龍子」などキャラクターも意外と(?)可愛らしいですし、変なゲームではありつつもアドベンチャーゲームとしての楽しさや快適さ、基本的な要素は備えているのも好印象です。

タイトル:『ふりかけ☆スペイシー』
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:PC
発売日:2023年3月1日
記事執筆時の著者プレイ時間:3時間
価格:1,500円(3月8日まで10%オフ1,350円)



※ UPDATE(2023/03/06 12:00):価格表記に誤りがあったので修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。



《みお》

超雑食の若年ゲーマー みお

2021年3月よりフリーでゲームライターをしています。現在はGame*SparkとIGN JAPANで活動し、稀にINSIDEにてニュース記事を執筆しています。お仕事募集中。ゲームの趣味は雑食で、気になったものはクラシックゲームから新しいゲームまで何でも手を出します。主食はシューター、ADV、任天堂作品など。ジャンルやフランチャイズの歴史を辿るのも好きです。ゲーム以外では日本語のロックやアメコミ映画・コメディ映画、髪の長いお兄さんが好きです。

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