植物育成箱庭シム『Garden In!』―実際に植物を育ててみたものの、失敗したのが開発のきっかけ【開発者インタビュー】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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植物育成箱庭シム『Garden In!』―実際に植物を育ててみたものの、失敗したのが開発のきっかけ【開発者インタビュー】

主に『Viridi』と『Cloud Gardens』からインスピレーションを受けています。

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植物育成箱庭シム『Garden In!』―実際に植物を育ててみたものの、失敗したのが開発のきっかけ【開発者インタビュー】
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気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Dramatic Iceberg開発、PC(Windows/Linux)向けに1月26日にリリースされた植物育成箱庭シミュレーション『Garden In!』開発者へのミニインタビューをお届けします。

本作は、3D空間で自分だけの室内庭園を作り、植物を育てられるシミュレーションゲーム。好みの鉢・土・種を選んで植物の育成ができ、2つの種を組み合わせる交配要素も用意されています。また、植物だけでなく、庭を彩る装飾品等も用意されており、位置から向きまでの細かい配置、部屋の色の設定等が可能となっています。日本語にも対応済み。

『Garden In!』は、970円で配信中


――まずは自己紹介をお願いします。一番好きなゲームは何ですか?

Tommaso Verde氏(以下Tommaso)皆さん、こんにちは。Dramatic Icebergのプログラマー兼デザイナーの一人であるTommaso Verdeです。私たちはイタリアに拠点を置くインディー開発チームで、本作は私たちの最初の商業タイトルになります。このようなインタビューの機会を与えていただき、ありがとうございます。

私が一番好きなゲームは『VA-11 Hall-A』だと思います。そのグラフィック、ユーモア、そして素晴らしいストーリーに大きな影響を受けました。当時、私はどうすればゲーム開発者になれるのか悩んでいたのですが、Sukeban Gamesがゼロからスタートして、クールでインパクトのあるゲームを作ったのを見て、自分もチームを作り、ゲーム開発に全力を尽くしたいと思うようになったのです。その後、様々なことが起こり、Dramatic Icebergが現実となり、私の子供の頃の夢の一部を達成することができ、嬉しく思っています。

――本作の開発はなぜ始まったのですか?

Tommaso本作開発の始まりは、かなり変わったものでした。2021年の年末近く、私たちは『Racoonie: Legend of the Spirits』という別のプロジェクトに取り組んでいたのです。私たちのチームは、かなり長い間、この作品に熱意を持って取り組んでいました。そんな中、私たちにはオフィスもなく、パンデミックも本格化していたので、私たちは一緒にいくつか植物を育ててみようということになったのです。各自が1つ、あるいは複数の植物を手に入れ、その世話をし始めました。しかし、それは夢に過ぎなかったのです。ほとんどの植物が枯れてしまったり、ひどい状態になってしまいました。

私たちはとても悲しんだのですが、そんな中、一人のアーティストが「植物を育てるゲームを作ったら面白いんじゃないか?」と言い出したのです。植物が枯れることのない、とても平和なゲームを作るという、とてもシンプルなアイデアでした。目標とするものは、自分たちだけのバーチャルな庭を作り、それを自由にカスタマイズして、平和的に植物の世話をするというものです。この時点で、本作はサイドプロジェクトとしてスタートし、暇を見つめて開発を進めていました。しかし、ゲームが十分に出来上がり、何人かの友人たちに見せると、彼らはこれをとても気に入ってくれて、もっと見たいと言ってくるようになったのです。私たちは本作のポテンシャルに気がつくと、本作の開発だけに集中することとし、開発は加速しました。それからBonus Stage Publishingに出会い、本プロジェクトを完成させるために、多くの手助けをしてくれたのです。そして今、本作はついに完成し、皆さんに楽しんでいただけるようになりました。これほど嬉しいことはありません。

――本作の特徴を教えてください。

Tommaso上の質問でも触れましたが、本作はバーチャルな室内庭園を作る癒しゲームです。現実のガーデニングの満足感を再現するため、私たちは本作の中心要素として、植物がリアルタイムで成長することに決めました。5分や10分ではありません。現実の何時間もかけてです。これはつまり、変化が起こるまで、じっくりと待つ必要があるということなのです。その間、さらに多くの種を植えたり、部屋を飾ったり、本作をセカンドモニターに表示させてゆっくり様子を見たり、または一旦ゲームを終了し、長い一日の仕事の後に戻ってきて苗の世話をしたりと、好きなことをして過ごすことができるのです。本作は、ゆっくり、好きなように遊ぶことができるように作られているのです。旅に出てしまっても、本作を起動するのを忘れてしまっても、本作の中では植物が枯れることはないので大丈夫ですよ!

――本作はどんな人にプレイしてもらいたいですか?

Tommaso本作は、何らかの形で植物が好きな人たちのためのゲームです。いろいろな面があり、本作を楽しむことができる人もたくさんいるはずです。例えば、開発チームのように、植物は好きだけど、手入れの仕方がわからないという人もいるでしょう。あるいは、植物が好きだけど、実際の植物を育てるスペースがないという方もいるかもしれません。また、植物が好き過ぎて、開発チームが作ったファンタスティックな植物も育ててみたいという方もいるでしょう。会社から帰ってきた後、ストレスフリーでリラックスできるものが欲しい人もいると思います。あるいはストリーマーであれば、視聴者の方達との会話中にバックグラウンドで表示するのはもちろん、水やりや飾り付けを大いに楽しんでもらうこともできます。もちろん、本作は誰もが楽しめるものではありません。テンポの良いゲームやエキサイティングなゲームを期待するなら、間違いなく本作は向いていませんから。

――本作が影響を受けた作品はありますか?

Tommaso本作は、主に『Viridi』と『Cloud Gardens』という2つのゲームからインスピレーションを受けました。『Viridi』からは、物静かな雰囲気、この世のものとは思えないような空間、そして非常にゆっくりと成長する植物を取り入れました。この作品は、グラフィック面でもゲームプレイ面でも、平和的で「禅」のようなスタイルを持っています。2つ目の『Cloud Gardens』のおかげで、ジオラマのような環境、自分だけの空間を作り、それを自然で形づくる、という本作アイデアが生まれました。もちろん、この2つのゲームには多くの魅力があり、それらからインスピレーションを得ようとしたのです。最後に、本作の見た目は『Unpacking』に似ていると多くの人に言われましたが、これは当初意図していなかったことです。しかし、後になって私たちもこれを嬉しく思うようになりました。

――新型コロナウイルスによる開発への影響はありましたか?

Tommaso新型コロナは、ある意味、本作開発のきっかけとなったものです。もし、私たちが自分たちの家の中で植物を育ててみなかったら、おそらく本作のアイデアは生まれなかったと思います。また、新型コロナによって仕事に対する考え方は大きく変わりましたし、Discordは一種のバーチャルオフィスに変わりました。たとえ何も言わなくても、何か作業をしているときはみんながつながっているのです。今でも、仲間と一緒に仕事をするには良い環境です。

――本作の配信や収益化はしても大丈夫ですか?

Tommasoもちろんです!本作を配信したり、動画を作ったりするのも結構ですし、何よりリラックスして本作を楽しんでください。また、SNSでタグ付けしていただければ、配信中にひょっこり顔を出してご挨拶させていただくこともあるかもしれませんよ。

――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。

Tommaso本インタビューを読んでいただき、誠にありがとうございます。Dramatic Icebergチーム一同、皆様がご自分と植物のためにリラックスできる空間を作り上げることができたなら幸いです。今後も様々なクールなものを追加していく予定ですので、どうぞご期待ください。

――ありがとうございました。

◆「注目インディーミニ問答」について
本連載は、リリース直後インディーデベロッパーメールで作品についてインタビューする連載企画です。定期的な連載にするため質問はフォーマット化し、なるべく多くのデベロッパーの声を届けることを目標としています。既に500を超える他のインタビュー記事もあわせてお楽しみください。




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