
考えてみれば“ロボットバトル”を描くゲームが熱かった時代とは、『アーマード・コア』シリーズなどが活況になった90年代半ば以降のプレイステーション時代からではなく、「80年代のファミコンの頃」だったんじゃないか、とも思うことがあります。 それもリアル系のロボットじゃなく、カプコンの『ロックマン』シリーズや任天堂の伝説的格ゲー『ジョイメカファイト』のようなカートゥーン系のロボットものですね。
そんな“漫画的な良さ”のある、ロボットバトルゲームが東京ゲームダンジョン6にてお披露目されていました。それが『ROBO OH』です。色数が抑えられたドット絵の世界にて、あの頃に体験したみたいなロボットバトルの濃い部分を肌身で感じられます。
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さて『ROBO OH』は実は2020年にリリースされていたんですが、2024年に大型アップデートを施し、さらにクオリティを高めた一作に仕上げ、再びゲーマーに向けてアピールしている最中でもあります。
今回、東京ゲームダンジョン6では古いアーケード筐体風で出展しており、「こんな格ゲーを遊んだ思い出があったかもしれない」と擬似記憶を蘇らせるスタイルで試遊できるようにしていました。

『ROBO OH』は数々の特徴あるロボを一体選択し、タイトル通り「ロボ王」になるため過酷なバトルを繰り広げるという、格ゲーのオーソドックスなところを固めています。
なんとなくロボデザインからは「トランスフォーマー」を思い出したりするんですけど、開発によれば実は「戦隊特撮ものの合体ロボ」の影響が大きいそうです。ちなみに、開発スタッフとしての戦隊特撮もののベスト作品は「五星戦隊ダイレンジャー」とのこと。

でも考えてみればちょっと盲点じゃないですか? 「そういや戦隊特撮もロボは花形だったし、低年齢のころに初めて触れるロボって、実は機動戦士ガンダムや『アーマード・コア』じゃないんだよな」という。そう、ファミコン時代に触れるロボットは「リアルな戦場を戦うロボ」ではなく、子ども向けのドラマやアニメに登場するものだったのかも……と。

『ROBO OH』は上段・下段攻撃を使い分け、各キャラの必殺技を放ちながら勝利を目指す、格ゲーの面白さをシンプルにまとめたゲームデザインです。開発者の思い入れのある特撮作品などを聞いたあとで遊んでいると「凄まじいレーザーやミサイルを使わず、肉弾戦でガシガシ闘うロボットバトル」というプレイは「これもまた子供の頃に見たアニメ・特撮の戦闘みたいかもなあ」なんて思ってしまいました。

こんなに直に殴り合うロボットものは、リアル系ロボットが登場してからは少なくなってきたかもしれません。「機動武闘伝Gガンダム」や一見すると奇策に出たものくらい。だからこそ、『ROBO OH』を遊んでいると童心に戻っていく感覚をわずかに覚えました。
実際、『ROBO OH』のSteamでの販売価格はなんと205円。子供でも買えるくらいの価格設定です。「あの頃、戦隊特撮もののロボがおまけに付いた、おもちゃ付きお菓子ってあったな……そのくらいの価格だ……」としみじみすることうけあいです。
