
京都みやこめっせで7月20日まで開催された「BitSummit the 13th」。多数のインディータイトルが出展されるそのなかで、ひときわ野心的なサンドボックスシミュレーションタイトル『歴史の終わり』が展示されていました。本稿では同作について、会場試遊と同等の内容のデモ版を通じてその内容をご紹介します。
個人開発者である畳部屋氏が開発を進める同作『歴史の終わり』は、中世風世界を舞台とし、「自由度」をその根幹の魅力に掲げるサンドボックスSLG/RPGです。すでにパブリッシャーもWORLDMAPがつとめることが発表されています。
自由度が魅力であるだけに、デモの形態も気になるところでしたが、今回は背景の説明などは最小限に、すでにある程度の立場にある主人公が、内政の一部や、仕える勢力からの依頼を受けての戦場働きまでを体験する形でそのゲーム概要の一部に触れることができました。
デモ版を早速プレイ!
基本的に本作の世界は何らかの行動を起こすたびに、実際にワールドマップで起こる軍の動きなども含めて世界の時間も経過するセミリアルタイムの形式で進んでいきます。まず、所有する拠点(今回の場合は都市)から始まった今回のデモでは、拠点の治安回復のため内政を行うことを要求されているので「治安回復」のコマンドを実行してその結果が出るまでを見守ります。

実のところ、かなりの数のクエストないし現在の行動指針のガイドが画面上に一気に表示されるので、少々面食らった点もありますが、まずは指示通りに進めます。仕事を始めてまもなく、プレイヤーに敵都市攻略の命が下りました。

早速、部下を引き連れて集合場所へと向かうべく拠点の外へと歩を進めます。拠点の外ではUE5で描かれる美麗な風景のなかを部隊単位で進んでいきます。ファストトラベルはありませんが、マップから目的地を指定した自動移動はありますので、さっそくそれを使い指定の地へと向かいます。同時に起こっているイベントは込み入った作りながらクエストマーカーなどはないので、今後改善が期待される部分です。


街につき少しの時間を費やすと、今度は敵都市への侵攻命令が下ります。到着するとすでに包囲戦の戦端が開かれているため戦闘開始です。本作の戦闘は3人称(通常は見下ろし型)で、自分自身を操作して展開するアクション形式です。包囲戦では城門などを攻撃して敵士気の低下を狙うのですが、ここで問題が発覚。所持している食料が残り少ないため、見る見るうちにこちらの士気が減少、敗北してしまいました。戦闘には敗北しても即ゲームオーバー、といったことはないようですが部下の兵士は失われ、「世界の崩壊度」があがってしまいます。


本作の最終目的として、何かが原因で起こる「世界の崩壊を食い止める」というものが設定されており、「世界の崩壊度」が一定になる前に根本的な解決を図る必要があるようです。「世界の崩壊度」が主人公の進退に大きく紐づけられている点などはデモ版の外で語られることなのかもしれません。
ところで、デモ版をやり直したところ、今度は戦場に到着する前に敵部隊につかまり野戦へと突入してしまいました。そのあたりも展開は毎回同じようにはいかないようです。また、選べるコマンドには自分を勢力として独立させるものなどもあり、そのあたりは戦略レベルでは本当に望むままに様々な行動がとれそうです。
過去の名作群を思い出す作りに思わずにっこり
今回プレイした『歴史の終わり』を内容面で分かりやすくコアゲーマーの読者に皆様に伝えるならば、『太閤立志伝』と『Mount & Blade』を組み合わせ、立身出世や国盗り以外のベクトルの内容を大幅に加えた作品といえるでしょう。戦闘アクション面などは比較的簡易(ヒットストップも激しいので、アクションで状況をどうにかする、といったプレイスタイルはどうしてもしずらい)なものですが、その分キャラクターの来歴や、ゲーム中の行動が生みだす人生や人間関係の変化などにより舵を切った内容になっています。

今回のデモ内容では、冒険的な要素、大規模な部隊や一党を率いずに過ごしていくようなプレイスタイルや戦闘にかかわらない生き方の詳細や、各キャラクターとの関係を深める場面などは体験できませんでしたが、それらにも注力されることに期待したいところです。
『歴史の終わり』はPC(Steam)向けに開発中。2025年冬の配信を予定しています。











