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Game*Sparkレビュー:『NINJA GAIDEN: Ragebound』令和に蘇った『忍者龍剣伝』!? 高難度だけどとっつきやすい良作2Dアクション

飯綱落としの代わりにレイジバウンド!

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Game*Sparkレビュー:『NINJA GAIDEN: Ragebound』令和に蘇った『忍者龍剣伝』!? 高難度だけどとっつきやすい良作2Dアクション
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『NINJA GAIDEN: Ragebound』は、本作は1988年にテクモ(現:コーエーテクモゲームス)から発売された『忍者龍剣伝』及び2008年発売の『NINJA GAIDEN』シリーズの最新作です(『忍者龍剣伝』は英題が『NINJA GAIDEN』でした)。

『忍者龍剣伝』時代の高難度2Dアクションと、豊富なゴア表現ついつい笑ってしまう勘違いジャパン描写はそのままに、現代のゲームらしいとっつきやすさや遊びやすさが合わさった良作に仕上がっていました。本記事では、Game*Sparkレビューをお届けします。

リュウ・ハヤブサの冒険の裏で繰り広げられるもうひとつの戦い

時系列は、初代『忍者龍剣伝』まで遡ります。魔神軍団が隼の里を襲うのですが、リュウ・ハヤブサは、父ジョウ・ハヤブサの遺言に従ってアメリカに渡らなければなりません。よって、里の若き忍者ケンジ・モズが里を護るために戦うことになります。

時を同じくして、隼の里と反目している地蜘蛛一族から、くノ一のクモリが魔神軍団に取引を持ち掛けます。しかし、魔神王が一枚上手で、クモリは捕らわれてしまいました。窮地に陥ったふたりは魔神軍団を倒すため、渋々ながら協力関係を結ぶのでした。

本作はオーソドックスな2Dアクションプラットフォーマーです。開発は『Blasphemous』などで知られるThe Game Kitchen。彼らが培ってきた高難度アクションのノウハウがギュッと詰まっています。

ゲームはステージ選択式で、ケンジやクモリを操作しつつ、ステージの最奥にいるボスを倒すことでクリアになります。

道中の敵はどいつもこいつも歯応えがあり、かつゲームを進めるごとにその量も強さもどんどん増していきます。『忍者龍剣伝』を思い起こさせるような理不尽な配置があったり、同時に何体も倒さなければいけないシーンもあったりしますが、プレイヤー側にも攻撃手段が多く用意されているので、公平さは担保されています。

(ニンテンドースイッチコントローラー基準で)Bボタンでジャンプ、Yボタンで攻撃のほかに、ジャンプ中にBボタンでギロチンブーストという技が使えます。これは『Cuphead』のパリィのようなもので、敵や敵の攻撃を弾き、少しだけ浮き上がることができます。

また、クモリと共闘するようになってからは、Aボタンでクモリのクナイを投げたり、Xボタンで地蜘蛛武器という変則的な技を放ったりできます。

そして、A+Xボタンでレイジバウンドという大技を叩き込むことができます。初期状態では画面中をクモリのクナイが飛び交い、辺りの敵を軒並み攻撃できるというもので、窮地を脱するのにちょうどいい技です。

つまり、計5種類もの攻撃手段があり、理論上はどんな状況にも対応できるわけです。しかしながら、敵の攻撃はどんどん苛烈になっていくため、初見で突破するのはかなり難しいでしょう。

メインゲームはあっさりとしているが、やりこみの難しさは天井知らず

本作はステージごとにかなりの数のサブ目標が設定されています。収集物、特定の行動をしなければならないチャレンジ、クリアタイム、ザコ敵のキル数、キルストリークのコンボ数の五項目で、クリア時にはそれらを加味したスコアが付けられます。ステージごとにスコアを付けるあたりは、なかなか古式ゆかしいゲームの香りがしますね。

収集物自体は大した難易度ではないのですが、チャレンジ以降の目標がどれもシビアで、ちょっとやそっとの練習ではとても達成できません。

また、中盤以降は1ステージがかなり長く、敵の湧き位置やトラップのポイント、ボスの行動パターンを覚えるだけでも一苦労で、通常攻略でも難しいステージをサクサク駆け抜けることが求められます。

もちろん、これらのやりこみはエンドコンテンツなので、必ずしも遊ぶ必要はありませんが、一直線にエンディングに向かうだけだと思ったよりすぐ終わってしまう印象を覚えるかもしれません。ただ、ひとたびやりこみと向き合うと、その緻密な敵配置やレベルデザインに舌を巻くことになります。

我こそは2Dアクションマスターという方はぜひともやりこみにチャレンジしてほしいですね。

おどろおどろしくて、ちょっとマヌケな世界観がたまらない

『忍者龍剣伝』シリーズらしく、ちょっとお間抜けな世界観も健在です。

ジェットパックを背負って空中から手裏剣を投げてくる敵の忍者がいたり、鎌倉に魔界と繋がるためのクリスタルが隠されていたり、アメリカで小銃を構えた特殊部隊と戦う羽目になったりします。外国人が10秒で考えたような勘違いジャパン観を、未だに真正面から抑えていることに涙が出そうになります。

一方で、クリーチャー系の敵はなかなかグロテスクで、目を惹くデザインをしており、一見の価値があります。ロケーションも豊富で、森や川沿い、山奥の遺跡、都市部など、さまざまに用意されています。似たような風景ばかりで飽きるということは絶対にないでしょう。

ステージごとにゲーム性も変わり、水上バイクやジップライン、ブルドーザーなど、およそ忍者とは関係なさそうな乗り物に乗り込んで敵を蹴散らすシーンもあり、最後までプレイヤーを楽しませてくれます。

全体的に好印象であり、シリーズの歴史に名を連ねるには十分なほどの仕上がりでした。『忍者龍剣伝』のシビアだけど面白いデザインを現代に蘇らせつつ、今のプレイヤーでも遊べるように丁寧にビルドした本作は、多くのアクションゲーマーを楽しませてくれることでしょう。

キャラクターもキャッチーで、特にクモリは今後も色々な作品で活躍してほしいと思えるくらい素敵なキャラでした。立場上いがみ合っていたふたりが、共闘するうちにお互いを認め合っていく展開は、何百回でもおかわりできますからね……。

いくつかの欠点はあるものの、シリーズを知らなくとも今すぐ遊んでほしいタイトルだと思います。

Game*Spark レビュー 『NINJA GAIDEN: Ragebound』 PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC2025年7月31日

『忍者龍剣伝』と現代アクションゲームの高品質なミックス

GOOD

  • レスポンスの良いアクション
  • 勘違いジャパンな世界観とグロテスクなクリーチャーの融合
  • やりこみ甲斐のあるスコアシステム

BAD

  • 1ステージが長い
  • やりこみを遊ばないとコンテンツ量は少なく感じる



ライター:各務都心,編集:みお

ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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編集/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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