2025年9月11日発売予定のWindows PC(Steam)向けローグライトアクション『Shape of Dreams』。本稿では体験版が“圧倒的に好評”を獲得する期待の本作の製品版先行プレイレポートをお届けします。
MOBAスタイル採用のローグライトアクション

本作は『リーグ・オブ・レジェンド』に代表されるMOBA的スタイルを採用したというPvEのローグライトアクション。8人のプレイアブルキャラクター“旅人”から1人を選び、舞台となる“夢”の世界で目的を果たすため戦いに明け暮れます。様々なスキルを駆使しながら敵を倒すMOBA風の見下ろし視点戦闘に、スキル構成やその効果が毎回変化するローグライク要素を加えたプレイごとに異なる展開を特徴としています。

今回のプレイレポートではソロプレイのみを扱いますが、最大4人でのマルチプレイにも対応し、そちらではキャラ間のシナジーも相まって爆発的でカオスな戦場が楽しめるとのこと。日本語ローカライズも実装されているため、複雑になりがちなスキル効果も理解した上で安心して取得できます。
堅実な作りが滲み出る丁寧なチュートリアル

初回起動時にチュートリアルのプレイを推奨されますが、よほどのこだわりがあるのでなければこのチュートリアルはプレイすべきだと筆者も感じました。MOBAの経験はエアプに毛が生えた程度の筆者でも操作を身につける足掛かりになったのはもちろん、本作の特徴的なローグライク要素である付け替え可能なスキル強化など、若干複雑なシステムについてもわかりやすく実践的に解説してくれます。

そんなチュートリアルでまず話題に上るのが操作方法についてです。筆者はせっかくなのでこの機会に慣れようと右クリックで移動、左クリックの攻撃指示で自動攻撃というMOBA独特の操作方法を選択しましたが、WASD移動とクリック攻撃というアクションゲームではオーソドックスな操作方法も用意されていました。どちらの操作方法でも有利不利に違いはないため、慣れや操作環境といった要因から自分に合ったものを選べばよいでしょう。

次にゲーム内で「記憶」と称されるスキルの説明が入ります。プレイヤーキャラクターである旅人たちはそれぞれ固有の2つのアクティブスキルと1つのパッシブスキルを持っているほか、1ゲーム中どの旅人も共通して追加で2つまでアクティブスキルを装備でき、以降ドロップしたアクティブスキルは固有のものも含めその場限り交換が可能です。

これらのアクティブスキルに3つまで装着してスキルを強化できる要素が「エッセンス」です。単純にダメージが増えるものから回復や補助攻撃を追加するものまで様々な効果が用意されており、同系統のエッセンスを入手すれば自動的に合成されてより効果が高まります。エッセンスは戦闘中も含めいつでも付け替えが可能で、気軽に組み合わせを試行錯誤できます。チュートリアルでは火柱を召喚する記憶を用い、実戦形式でこれらの要素を体験できました。


ルート選択が攻略のカギ!良調整のゲームバランスと独自要素を活かすイベントに魅力光る
ゲーム本編ではいくつかのエリアで構成されるマップを踏破し、ボスエリアでボスを倒すのが1階層ごとの目標となります。マップはある程度広く作られており、ボスエリアまで最短で進むよりはある程度の寄り道をしてキャラクターの強化を行う方がより安定してボスに挑戦できます。ただし、移動の度にハンターと呼ばれる強力な敵がスタート地点近くから各エリアに侵攻してくるため、際限なく探索を行うのは難しいでしょう。

エリアにはドロップした資源で記憶やエッセンスの強化、購入や、旅人の回復ができる施設が現れることがあります。これらの施設はマップ上で隣接するマスについて事前に情報を得ることができるため、効率的にこれらの施設のあるエリアを訪れられるようルートを構築し、ハンターの侵攻ルートを予想しつつボスエリアまでどういった道のりを選ぶのかが重要な攻略要素に感じられました。

なお、回復施設があるとはいえ出現するかはランダムのため、それ以外の回復手段がないとジリ貧に陥るのは必至です。幸い記憶やエッセンスには回復効果を持つものも多く、少なくとも一つはそういった物を入手しておくべきでしょう。このような耐久系のスキルもないがしろにはできないゲームバランスの良さも本作の魅力の一つと言えます。

エリアへの突入時には強敵の出現や資源のドロップ率上昇といったランダムなイベントが起きることもあります。これらのイベントの中でも特に秀逸だと感じたのは特定の記憶だけクールタイムが極端に短くなり、それ以外のクールタイムが大きく伸びるというもの。記憶間のパワーバランスが一時的に大きく変わるためエッセンスの付け替えが活きる場面を生み出しており、うまく利用すれば比較的楽にエリアを突破できます。記憶の強化状態などによっては大きく不利益を被ることもあるかもしれませんが、それもまたローグライクの醍醐味の一つでしょう。

最低難度で多少不慣れな操作に戸惑いながらではあるものの、3度目の挑戦で第一層のボスを撃破できたこともあり、攻略難度は意外と低めに感じました。ボスを撃破した際にはセッション開始前に恒久的なキャラクター強化を行うための「スターダスト」が手に入るため、まず1層の攻略を安定化させるのが攻略の肝となるでしょう。

ジャンルファンにおすすめの良作はMOBAプレイヤーに刺さるか否か
プレイ全体を通しローグライトアクションとして十分楽しめ、基本に忠実ながら独自な要素である「エッセンス」をうまく引き立てる仕組みもきちんと考えられていると感じました。
一方で堅実な作り故に目新しさの面で突出したものは感じられない部分は、評価が分かれる部分かもしれません。またMOBA要素は、あくまで操作方法や目の前の敵に対する立ち回りといったミクロな戦闘面でのみ感じられるものであったことも留意すべき点でしょう。

ローグライトアクションファンならば一度はプレイしてみる価値がある作品であるのはもちろん、MOBA経験者ならばより有利に攻略できそうな本作。少しでも琴線に触れたという部分があれば“圧倒的に好評”な体験版を遊んでみてはいかがでしょうか。













