
千葉・幕張メッセで開催された日本最大級のゲームイベント「東京ゲームショウ2025」。本稿ではLevel Infiniteブースにてプレイアブル出展された脱出シューター『EXOBORNE(エグゾボーン)』を開発するSharkmobのCMCO兼共同創設者であるマーティン・ハルトバーグ氏へインタビューを行いました。
「プレイしやすい、覚えやすい」が核となる脱出シューター
――本作の開発を手がけたSharkmobについて教えてください。
マーティン・ハルトバーグ氏(以下、ハルトバーグ):Sharkmobを設立したのは2017年で、ユービーアイソフトに所属していた私を含む4人によって設立しました。その最初のゲームは、2021年リリースのバトルロイヤルゲーム『Vampire: The Masquerade - Bloodhunt』です。今日では開発者が300人ほど在籍し、ゲーム開発に必要なモーションキャプチャーや研究開発、サウンドスタジオなど、全て内製で制作できるスタジオになりました。
――『EXOBORNE』を見て思ったのがエクソ・リグによる超人的なアクションと、ダイナミックな自然災害がありますが、どちらが先に思いついたものでしたか?
ハルトバーグ:「鶏が先か、卵が先か」的な質問だと思いますが、強いて言えばエクソ・リグを最初に思いついた後に、天変地異のアイデアも出てきました。先の『Bloodhunt』でも移動の楽しさを追求してきたために本作でも楽しいものになったのかと思います。
プレイヤーにとってユニークさではエクソ・リグが存在しますが、世界観的にユニークなアイデアは何かと考えたところで天変地異が挙がりました。なぜならポストアポカリプスにおけるゾンビが跋扈する世界や、核戦争後の世界などがありますが、それらと違う舞台を演出しようとしたからです。

――『Bloodhunt』から移動の楽しさが追求されたとありますが、前作より継承されたものやフィードバックを得たものはありますか?
ハルトバーグ:当然のことながらデベロッパーとして前作より学んだものは、良い所は全て次の作品に反映させて、ダメだった点は前作に置き去りにしました。そういった意味では移動の醍醐味と戦闘、そして世界観の追求は前作から受け継いでいるのかなと思います。
――試遊して気付いたのは、他の脱出シューターと異なり部位ダメージとペナルティが無いことに加えて、アーマー持ちでかつ回復できるためNPCや他のプレイヤーに倒されにくいことでした。脱出シューターとしては珍しい要素ですが、これには何か理由があるのでしょうか?
ハルトバーグ:おっしゃる通り、市場に出回っている脱出シューター系はダメージとヘルスの仕組みがハードコアで厳しいです。多くのプレイヤーは、そのペナルティに対してちゃんと理解ができていないままプレイしている側面があるために、我々としてはユーザーフレンドリーにしました。それらは、部位ダメージを頭と身体だけにするだけでなく、身体だったらアーマー補修キットがあることがそれに該当します。
――なるほど、ちなみにダメージが厳しすぎないのはゲームを瞬時に理解できるようにするためですか?
ハルトバーグ:まさにその通りです。バトルロイヤル系ゲームの第一人者である『DayZ』では非常にハードコアで分かりづらいものでした。それらをメジャーに押し上げたのは『PUBG』で、ダメージに関する仕組みがシンプルですが、タクティカルな面白さやゲームの密度は薄まっていませんでした。「プレイしやすい、覚えやすい」が大切なのではないかと思います。
――ありがとうございます、とても納得できる回答だと思いました。ちなみに、天変地異が絡む脱出シューターは珍しいです。こだわりの自然表現は何ですか?
ハルトバーグ:いくつかあります。ビジュアル的にインパクトがある災害もあれば、ゲームプレイ上で大きな要因があるものもあります。例えば霧です。霧の中でスナイパーライフルを持っていても遠くが見えず不利になりがちですし、嵐では風が強いもののそれを逆手に取りグライダーにて機動力を伸ばすことで、有利な立ち回りができます。自然災害要素は7種類前後ありますが、それぞれが違う位置づけになっています。
それらは竜巻、嵐、雷、霧、雨、晴天などです。それに加えたハザードという要素もあり、竜巻がガスタンクに爆発すると火炎竜巻に変化することや、毒物を持つコンテナに当たると、竜巻によって毒物が飛散するなどもあります。
――自然災害は完全にランダムで発生するのでしょうか?例えば、ゲームが佳境になったところで自然災害が激しくなったりしますか?
ハルトバーグ:結構複雑なメカニズムが背後で動いていますが、プレイヤーから見た時はランダムで発生しているよう見えるようにしています。実際は、どういう順番で発生するのかなど、ある程度コントロールを利かせているのです。急激な災害の発生は自然界だとあまりないことに加えて、あくまでも自然界であるような流れのある変化を心がけています。

――試遊を含めこれまで公開されてきたのは山岳地帯が主流でしたが、海辺の街や火山、雪山などの舞台はあるのでしょうか?
ハルトバーグ:実に面白いところをご指摘いただきました。我々としても「こういった風景を開発したい」というリストは持っています。その中で2つがまさに言及されました。雪山も面白いですし、海岸は難破した船が密集する地帯であるなど、あくまで高低差を活かしたゲームプレイができるようにしています。
洪水に関しては液体シミュレーションが必要なので、今のところ自然災害として入れる予定はありません。ただ、ダイナミックでなくスタティックな形で表現しており、今回プレイしていただいたマップにも水に浸かった建物があったと思います。
――公式サイトでもストーリーの存在は言及されていたものの、試遊の段階では不透明でした。本作のストーリーはどういった形で語られるのでしょうか?
ハルトバーグ:いわゆるミッションというかキャンペーンという形で、ある程度シリーズにしてストーリーを表現しようと思っています。また、ゲームシステムを理解してもらうためにもキャンペーンは作っています。
少しストーリーを説明しましょう。ゲームの中で悪役となるリバース社は、気候変動に対応して人類を救うために行動すると宣言したものの、それらは真っ赤な嘘でした。実際にはエクソ・リグを装着するためのインプラントを人間に埋め込んで人類を奴隷化しようとしていたのです。
ある時点でターという一人の男がその目的に気付き、リバース社へ反乱を起こしました。彼はインプラントによる人間への支配を脱するための回路(バイパス)を作りだし、エクソボーンを自由に使えるようにしました。
脱出に成功したターを筆頭とする仲間達は“リボーン”と呼ばれ、リバース社へ戦いを挑みます。リバース社も絶望的な状況となり、今まで気候をコントロールしていたストラトスタワーを武器として使ったところ、あまりにも巨大な気候変動が発生し人類の大半が死滅してしまいます。大災害によって人類滅亡の手前にまで追い込まれたものの、最終的にリボーン達はリバース社のストラトスタワーを停止させることができました。

これでリバース社に勝ったと思ったものの、しばらくすると本作の舞台であるアメリカの架空の州にてストラトスタワーがリバース社によって再稼働し始めました。そこでターが再び仲間を集めたというのが今回のストーリーです。
しかし、ターの呼びかけによってリボーン達が再び集ったものの、既にそれぞれの道を歩み出していたことから、お互い戦い合うようになってしまっていました。誰が敵か味方かわからない世界でターという指導者を見つけ、何をすべきか確認する、という内容です。
それが基本ストーリーです。いわゆるPvPのゲームにおいてうまく盛り上げられるストーリーを作りました。しかし、あえて軸となるストーリーを伝えず隠していますが、これはゲームの中で体験して欲しいからです。一つのポイントとして、「誰が敵で、誰が味方か」は決まっていません。そのため、出会った人に対し誰が敵味方なのかをどこかで判断するのです。
――なるほど。他のプレイヤーの装備も、自分達の装備とほぼ同じ理由はそこだったんですね。NPCだと思っていたら、見知らぬプレイヤーだったことが試遊でもよくありました。
ハルトバーグ:それをまさに狙っていました。エクソ・リグを装着している人であればリボーンであることは間違いないですが、パッと出会った時に敵か味方かわからないのです。
例えば、知らないプレイヤーを生き返らせることもできますし、ボイスチャットで会話をして「味方になりましょう」と呼びかけることも可能です。しかし、味方という確証を得られないためにいつ裏切られるかはわかりません。
――ライブサービスゲームになると思いますが、シーズン制になるか否かなど、運営するに従ってどの形を取るのか教えて下さい
ハルトバーグ:そこは内々で計画しています。まだ対外的に発表していない状態でリリースが近くなるとお伝えしようと思っています。ただ、こういったライブサービスゲームは常に新しいコンテンツを提供するのが大切なので、その仕組みはちゃんとプランニングしています。
――最後に、今回の試遊などで興味を持ったユーザーに向けてメッセージをお願いします
ハルトバーグ:これはいつも同じことを言っていますが、とにかく興味を持っていただければご自身で1回だけでもプレイしていただければ面白さがよりわかってもらえると思います!
――ありがとうございました!
『EXOBORNE』は、PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S向けにリリース予定。発売日は未定です。









