「戦争ゲームは戦争を美化している」―名誉勲章を受章した元海兵隊員が語る | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

「戦争ゲームは戦争を美化している」―名誉勲章を受章した元海兵隊員が語る

「誰かの命を奪うことに、クールなことなんてありはしない」

ゲーム文化 カルチャー
「戦争ゲームは戦争を美化している」―名誉勲章を受章した元海兵隊員が語る
  • 「戦争ゲームは戦争を美化している」―名誉勲章を受章した元海兵隊員が語る
様々な形で数多くリリースされ続けている「戦争をテーマとしたゲーム」。元米海兵隊員で2011年に名誉勲章(Medal of Honor)を受章したDakota Meyer氏は、そのようなタイトルについて「戦争を美化している」と語りました。

海外メディアGameSpotによれば、戦争ゲーム(war video games)に対するMeyer氏の胸中が明かされたのは、ポッドキャストJoe Rogan Experienceの番組内。以下、同氏による発言の抄訳となります。

  • 「苦痛というものがもはや当たり前のものとなり、娯楽となってしまった」
  • 「戦争をテーマとしたテレビゲームでは、戦争が『こんなにもクールなんだぞ』と美化されている。実際にやったこともないくせに、ドアを蹴破って顔に撃ちこんでやりたい、と言う人もいる。自分(Meyer氏)を夜眠れなくしている戦争体験が、子供たちの遊ぶゲームのテーマになっている。一体いつまで、こんなに野蛮なものが存在し続けるのか」
  • 「誰かの命を奪うことに、クールなことなんてありはしない」
  • 「我々は、他の誰かに共感する能力を、自ら欠いてしまった」

名誉勲章受章時のDakota Meyer氏 (C)Getty Images

Meyer氏は2009年のアフガニスタンにて、敵の待ち伏せに遭った味方を救出するため、仲間を率いて待ち伏せ区域内に複数回突入。死地に陥った多数の味方米・アフガニスタン兵士を救出したほか、自ら負傷しながらも友軍の脱出を援護しました。この勇気と献身を称えられ、2011年に名誉勲章を授与されています。

その後、氏は軍を退役し、アフリカの野生生物の保護団体に所属するなど様々な活動へと従事。しかしながら、名誉勲章を得た戦闘の一年後に拳銃自殺を図るなど、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しんでいることも明かされています。

ゲームの中でも高い人気を誇る戦争ゲームですが、その描かれ方はタイトルによって様々。『Spec Ops: The Line』(2012年)や『Valiant Hearts: The Great War』(2014年)など、爽快感よりも戦争の冷酷さ、悲愴さを重点的に描いた作品も存在します。なお、Meyer氏は放送内で「戦争ゲーム」だけでなく、『GTA』シリーズのような殺戮行為が可能なゲームについても苦言を呈したとのことです。
《S. Eto》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめの記事

ゲーム文化 アクセスランキング

  1. 任天堂・宮本茂氏が語る「マリオカート超え」の可能性。「『なんとか超えよう』と思う人がいるからこそ新しいものが生まれる」

    任天堂・宮本茂氏が語る「マリオカート超え」の可能性。「『なんとか超えよう』と思う人がいるからこそ新しいものが生まれる」

  2. 『エスケープ フロム ダッコフ』アイテムスタック上限引き上げや近接武器追加のアプデ配信

    『エスケープ フロム ダッコフ』アイテムスタック上限引き上げや近接武器追加のアプデ配信

  3. 「2025年11月現在、同作には関わっていない」―インディードリーム実現したタイトルのトラブル…『NEEDY GIRL OVERDOSE』現状に元・開発会社アナウンス

    「2025年11月現在、同作には関わっていない」―インディードリーム実現したタイトルのトラブル…『NEEDY GIRL OVERDOSE』現状に元・開発会社アナウンス

  4. 『ポケモンZA』メガゲンガーに“足があった”と注目集まる―実は初登場からあった小さいおみ足

  5. 初代プレステで動く『ゆめにっき』非公式リメイク・デモ版リリース―扉の先も再現したファン作品、PC向けにもリリース予定

  6. 【コラム】SNSで加速する議論…『ドラクエ』きっかけに考える「RPGの戦闘バランスはどれぐらいが最適?」

  7. X(旧Twitter)「凍結祭り」トレンド入り―大規模アカウント凍結報告される。主因は特定のブラウザ拡張か

  8. 虹の橋を渡ったコーギー犬が、天国に来たご主人を迎えに……感動シチュのアクションADV『マイリトルパピー』Steam版配信!

  9. 任天堂タイトル無事復活!「RTA in Japan 2025冬」出走スケジュールに危ぶまれた“任天堂ゾーン”帰還の兆し

  10. 舞で魅せる美しい脚…!『FE 風花雪月』主人公「ベレス」普段とは異なる“踊り子”姿のフィギュアが予約受付開始

アクセスランキングをもっと見る

page top