20周年を迎えた『デュープリズム』を振り返る! 読者から届いたコメントに、開発陣からは喜びの声が─ファンが今できることも聞いてみた【インタビュー】 2ページ目 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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20周年を迎えた『デュープリズム』を振り返る! 読者から届いたコメントに、開発陣からは喜びの声が─ファンが今できることも聞いてみた【インタビュー】

プレイステーションソフト『デュープリズム』は、今も多くのユーザーに愛され続けているアクションRPGです。今回は本作の20周年を記念し、当時の思い出や開発秘話に迫るインタビューをお届け! どうぞご覧ください。

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20周年を迎えた『デュープリズム』を振り返る! 読者から届いたコメントに、開発陣からは喜びの声が─ファンが今できることも聞いてみた【インタビュー】
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◆ミントの“カボチャ嫌い”は後から加わった設定だった!?


──『デュープリズム』を開発するに当たって、印象的な思い出などはありますか?


渡辺そうですね……「もう全部だよ」って言いたいくらいです(笑)。本当にもう必死にやってましたね。当時の僕は、ゲームのシナリオを書くのも初めてでしたし。

それまでは出版の方面にいたんです。角川さん(現 KADOKAWA)のドラゴンマガジンと富士見ファンタジア文庫の編集部に。そっちの世界での物語づくりは、ひとりの作家が壮大な想像力を広げてナンボみたいなところがあるんですが、(『デュープリズム』の開発だと)思い思いにアイディアを出したとしたら、あっという間に製作が追いつかなくなるんですよ。

人数も期間も限られている中で、何が作れて何が出来ないのか。作れそうな範囲で想像力を広げて──と言いつつ、結構無茶もしたんですが(笑)──面白くするにはどうすればいいか考えながら、無我夢中でやりましたね。

──開発当時は、本当に大変だったんですね。

渡辺先ほど話したミントに関する設定のように色々固まっていったんですが、その後はオープニングからエンディングまで順番にシナリオを書いていったのかと言えば、そんなことは全然なくて。例えば、本作にはボイスがないので、開発の最後の方まで(台詞が)弄れるんですよね。ソフトは10月に発売されたんですが、当時のデータを見てみたら、「7月に修正した」というメモが残ってるほどでして(笑)。

──流通やプレスなどを逆算すると、かなり間際ですね。

渡辺設定に沿って作るだけじゃなくて、ゲームを作っていく中でそれが設定に返ってくる、みたいなこともありました。これに関してはひとつ大きな話がありまして……ミントのカボチャ嫌いは、後から付いた設定なんですよね。

──ミントと言えばカボチャ嫌い、というイメージもあるのに!?

渡辺プランナーの西田晴幸と、どんな雑魚モンスターを出したらいいだろうと話をしていたら、なぜか「カボチャが転がってくるとか、どうかな」みたいな話が持ち上がりまして。その時に、「じゃあ、ミントはカボチャが嫌いという設定にしたら、面白くない?」という感じで、設定が新たに追加されました。

──ミントのカボチャ嫌いは、ゲーム開始直後から出てくるじゃないですか!?

渡辺実は、オープニングは結構後の方に作ったんですよ(笑)。

杉本あと、ミントのカバンはカボチャのデザインっていう、キャラデザイナーの寺田努による裏設定があったりして(笑)。

渡辺あ、そうなんですよね。それはいいのか、っていう(笑)。

──苦手を克服するために、敢えてのチョイスかもしれませんね(笑)。それにしても『デュープリズム』という作品は、開発しながら育っていったような印象を受けました。

杉本そうですね。作りながら育ったというのは、間違いなくあると思います。

渡辺ガシッと計画を立ててバシバシッと作っていく、という感じではないですね。

──開発チームの方々は、各々の仕事をこなしながらも、アイディアを出していったという感じだったんですね。

杉本そうですね、特に最初の頃はそんな雰囲気でした。チームみんなで集まって「ファンシー・メルのステージは、こんな感じのステージがいいんじゃない?」みたいなネタ出しをしていましたね。「星の恰好してたら面白いよね」とか。

渡辺あー、「スターライト・デューク」とかそんな感じでしたね(笑)。

杉本次第にみんな忙しくなっていくと、自分とプランナーチームで固めていく形になりました。

あと、開発の思い出といえば、「ベタなギャグには積極的に乗っていこう」と決めたりしましたね。「ブーツのヒモが……」みたいな(笑)。

──ミントが飛び蹴りしたら、ほどけていたブーツのヒモを直そうとルウがしゃがんで、見事空振りというアレですね?(笑)。

杉本「お約束とは、確固たる面白さがあるからこそお約束と呼ばれる物になったんだ」みたいなことを西田が言っていて。ネタとしては本当にベタなんですけど、実際に出来たシーンを見たらやっぱり笑っちゃいましたね。みんなが避けてしまうネタなら、子供向けの我々が最初になれかもしれないし、「こういうノリは楽しいので推していこう」と思いました。

──今回いただいたコメントにも、「あ、ブーツのヒモが……」はたくさんありました(笑)。

渡辺古典はやっぱり強いですね(笑)。

──ちなみに、コメントをいただいた方々の年齢層ですが、30代が約半数を占めていました。発売されてから20年が経っているので、その分を引くと当時10~19歳くらいのユーザーさんなんですよね。本作のターゲット層は、その辺りだったんですか?

杉本はい、そのくらいの年齢を意識していました。というのも、その前に作っていた『ゼノギアス』は、漢字もいっぱいあるしストーリーも難しいので、小学生くらいが遊ぶのはちょっと大変かなと思いながら作っていたんです。

将来のお客さんにスクウェアのファンになって欲しかったというのもありますし、小さい子が楽しめるゲームを作りたいという想いもあったので、若い子に向けた作品を開発しようと思ったのが『デュープリズム』の最初のきっかけですね。

あとは……当時のスクウェアに求められていたのは、SFとかじゃなくて、もっとベタなファンタジーじゃないかと思い、こういった方向になりました。

──確かに『デュープリズム』はファンタジーですが、当時多かったいわゆる中世ファンタジーではなく、どこか民族感が強いような印象を受けました。


渡辺当時の環境でいえば、ザ・中世といった『ファイナルファンタジータクティクス』が発売されたり、ウチのチームの隣に『ベイグラントストーリー』チームがいたり。そういった状況の中でオリジナリティを加えていき、最終的な『デュープリズム』の方向性になりました。

杉本東天王国は、渡辺君からの発案だったよね?

渡辺遠くの国から来た感じを出したくて。僕は元々、D&Dとかが好きなファンタジーおじさんなんですが(笑)、そういった方向ではなく、色々と取り入れていこうかなと模索した結果ですね。ちなみに、当時は『パンツァードラグーン』とかも好きでした。サターン派だったんですよね。

──『パンツァードラグーン』の独特なファンタジー感もいいですよね。

渡辺(当時)彼女と一緒にプレイステーションを買って『FFVII』を遊んでいたんですが、フラれてプレステごと持っていかれまして(笑)。そこで「もうやってられるか!」「好きなことして生きるんだ」と心に決めて、スクウェアに応募したんです。そして『デュープリズム』が完成した後、杉本さんにプレステを買ってもらいました(笑)。

──フラれていなかったら、『デュープリズム』が全然違う作品になっていたかもしれないんですね(笑)。

渡辺かもしれないですね(笑)。

──舞台となる場所も秘境感があり、一般的なファンタジーとはひと味違って、独特ですよね。

杉本あれは、デザイナーの寺田が頑張ってくれたおかげですね。主人公のキャラクターデザインだけでなく、背景もいくつかデザインしてくれていまして。

渡辺アートディレクションってこういうことなんだ、と実感しましたね。森ひとつを取っても、木をいっぱい並べて終わりではなく、主人公の冒険の舞台にふさわしい雰囲気の森として描かれていました。背景から世界が生まれる。



『デュープリズム』の挑戦と、その成功体験に迫る
《臥待 弦》
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