
開発スタジオFntasticの閉鎖が発表され、早期アクセス開始からわずか4日で販売中止となったポストアポカリプスMMOサバイバル『The Day Before』。海外メディアDualShockersは、過去に同スタジオで開発に携わっていたという人物へのインタビューを行い、特定の視点から見たその開発環境についての一部を伝えています。
そもそもMMOとして開発されていなかった
インタビューに答えた元開発スタッフは『The Day Before』について、あくまで協力要素のあるTPSジャンルであり「そもそもMMOとして開発されていなかった」とコメントしています。
個々のサーバーの収容人数は100人ほどを想定しており、RPGメカニクスやクラン、レイドなども無いゲームシステムで2年以上開発を続けていた本作はMMOと呼べる内容ではないのに「なぜこれをMMOと呼んだのかは開発チームは誰も知らない」としており、開発とマーケティングの間ですれ違いがあったことを明らかにしています。(編注:1サーバーでの収容人数が同様以下の規模である『ARK』『DayZ』などもSteam上では明確に「MMO」としてカテゴライズされているため、その点においては必ずしも基準から大きく外れた内容であるとは言えないことには注意しましょう)
このジャンルとしてのすれ違いについて、元開発スタッフはFntasticの創設者であるEduard氏とAisen氏と開発チーム間のコミュニケーションの欠如を指摘。同作についてのゲームプレイとデザインの決定権は両氏にあり、開発チームから出したボイスチャットなどのアイデアはほとんど承認されることがなかったということです。
創業者への意見は解雇につながることも
元開発スタッフは開発環境について、Eduard氏とAisen氏に対して多くの意見を出したスタッフが解雇されることもあったと告白。創設者の意見に反対すると解雇される可能性があったため、失職を恐れた多くのスタッフが衝突を避けるように働いていたとしています。
結果としてゲームは幾度となく作り直しを要求され、膨大な時間と労力が無駄になったとコメントしています。なお、元開発スタッフによれば本作は『Rust』『DayZ』『Escape from Tarkov』などの作品を参考に開発を続けていたようです。

もちろんこの元開発スタッフの意見は現時点で一方的なものであり、開発環境についての実情は明らかになっていません。DualShockersでは、スタジオ閉鎖についてパブリッシャーのMytonaとFntasticへの質問を行っていますが、現時点での返答はないようです。