帰ってきた「コンピューターRPGの原点」を2024年の新作として体験できる『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』リメイク版【プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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帰ってきた「コンピューターRPGの原点」を2024年の新作として体験できる『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』リメイク版【プレイレポ】

コンピューターRPGの原点『ウィザードリィ:狂王の試練場』。その2024年リメイク版がついにコンソールを含めて登場します。

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1981年9月にApple IIで発売された『ウィザードリィ』シリーズ第1作、『Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord』。本記事ではついに早期アクセスを抜け、PC/PS5・PS4/Xbox Series X|S・Xbox One/ニンテンドースイッチに正式リリースされる同作のリメイク版についてプレス向けの正式版プレビューを使用したプレイレポートをお届けします。

なお、本記事の執筆にあたってはDigital Eclipseから正式版プレビュー用のコードの提供を受けています。


Game*Sparkでは初代『ウィザードリィ』原作のプログラマーを務めたロバート・ウッドヘッド氏と、今回のリメイクの開発を担当したDigital Eclipseのジャスティン・ベイリー氏へのインタビューも行いました。併せてご覧下さい。

日本語にも正式対応。翻訳はFC版とPS版準拠の2種から選べる


弊誌では過去に2023年9月の早期アクセス時点でのプレイレポートを掲載しています。ゲームの大枠はこちらの記事を併せてご覧ください。

本記事では正式版での変更点のほか、この正式版で本作に触れるかつてのプレイヤーのために、本作が原作を含め今までの『ウィザードリィ』と異なる点や、ゲームのルールを大きく変える選択式のオプション項目などを中心にご紹介していきます。

「6人の冒険者からなるパーティを結成し迷宮に潜りモンスターを倒してアイテムを集めて経験値を稼いでレベルを上げ、迷宮の最深層にいる魔術師ワードナを倒す」というゲームの骨子こそは原作や早期アクセスから変わってはいませんが、多くの部分が早期アクセスから改善されています。

早期アクセスからのもっとも大きな変更点が「日本語を含む、複数言語への対応」でしょう。トレボー城砦の街や、迷宮内のメッセージもすべて日本語になっています。

呪文名も「ディオス」「カティノ」「マディ」「ティルトウェイト」といった、クラシックな『ウィザードリィ』以外では諸事情によりほぼ使われてこなかったものです。

アイテム名も日本語化されており、本作の英語設定では権利関係の事情からか”Vorpal Blade”に名が変わっていた武器も、日本語設定に変えると「カシナートの剣」のままです!

なお本作では後述する「オールドスクール設定」でアイテム名・呪文名ともに2パターンの日本語表記が選択できるようになっています。

「日本語1」では「切りさきの剣」「ますらおの鎧」といったFC版準拠の表記、「日本語2」では「ロングソード+1」「プレートアーマー+1」といったPS版(「リルガミンサーガ」)に準拠した表記です。慣れ親しんだFC版のアイテム名で遊びたい……という方は「日本語1」を、アイテム性能がわかりやすい方が良い……という方は「日本語2」を選ぶとよいでしょう。

ラスボス・ワードナの部屋の営業時間が日本語だと「午後5時まで」と、原語よりも2時間長いのも過去の日本語版に準拠しています。日本のワードナ様はより勤勉なようです。

「鍵」や「置物」が必須アイテムに。チュートリアルを兼ねた序盤の迷宮構成の変更

『ウィザードリィ:狂王の試練場』には「青銅の鍵」「銀の鍵」「金の鍵」という3種の鍵、そして「クマの置物」「カエルの置物」「ブルーリボン」という3種のキーアイテムが存在しましたが、過去のバージョンではこのうちクリアに必須なのは「ブルーリボン」だけで、他のアイテムは無視して先に進むことができました。

しかし今回の正式版ではダンジョンの構成が少し変更され、「ブルーリボン」以外のすべてのキーアイテムを集めないと中盤の難所である「モンスターアロケーションセンター」に入ることができないよう構造が修正されています。

これらのアイテムは比較的危険度の少ない地下1~2階を隅々まで探索すれば見つかるようになっているので、初心者向けのチュートリアルを兼ねたちょうど良い変更と言えるでしょう。なお、これらのキーアイテムは今回のリメイクでは各自の所持アイテムとは別枠で管理されるようになったので、アイテム欄の圧迫を気にする必要はありません。

冒険者の新たな使命。「モンスター図鑑」を完成させよ!

本作では「モンスター図鑑」機能が実装されており、倒したモンスターの情報が記録されます。モンスターの識別段階は、以下の4段階に分かれています。

  1. 完全未確定(戦闘でもシルエット表示される)

  2. 名前確定(シルエット表示解除、名前・出現数・経験値が判明)

  3. 一部識別(種族・AC・HP・攻撃回数が判明)

  4. 完全識別(耐性・特殊行動・特殊能力が判明)

未識別のモンスターと出会った段階で1→2の識別が行われることはありますが、それ以上の識別は戦闘中のコマンド「調べる」を成功させる、あるいは僧侶魔法「ラツマピック(ラテュマピック)」を唱えるしかありません。

『ウィザードリィ』シリーズに慣れている人のために補足しておくと、本作の「ラツマピック(ラテュマピック)」は探索中常駐し自動で敵を識別する判定を強化する魔法ではなく、Apple II版準拠なので戦闘時に個別に敵を識別する魔法です。

モンスターの識別状況は戦闘が終了しても引き継がれ、完全識別を達成するとゲームメニューの「モンスター図鑑」から各モンスターの解説文、および宝箱ドロップの情報が閲覧できるようになります。モンスターの解説文は攻略本の名著として知られる「ウィザードリィのすべて」を手がけたベニー松山氏によるものとなっており、充分な読み応えがあります。

宝箱を落とした場合に何をドロップするか……といった情報が見られるのも今回の新機能で、欲しいアイテムを求めて狩りをする際に役立つでしょう。

今回のキャラクターメイキングと、人数の多い傭兵たち

今回は最初からLv2のデフォルトパーティメンバーを使用して冒険するか、それとも今までの『ウィザードリィ』通り、自身の手でLv1のキャラクターを6人作って冒険するかを選択できます。デフォルトのLv2パーティ(戦士×2、僧侶、盗賊、司教、魔法使い)はややHPが高く、HPの低いLv1キャラクターに比べると安定度がかなり違うので、キャラクターメイキングの面倒さを省きたい人はこのパーティを使用してもいいでしょう。なお、デフォルトパーティメンバーの名前や外見は、他のキャラ同様、訓練場で後から変更できます。

訓練場で1からキャラクターを作る場合は、種族選択→特性値にボーナスポイント割り振り→職業選択→性格選択→容姿選択→名前決定……というお馴染みの流れになります。

ゲームのデフォルトでは特性値のボーナスポイントは種族ごとに固定となっていますが、後述する「オールドスクール設定」で今までのシリーズ作品の大半と同様のランダムボーナスポイントに変更が可能です。

なお、今回はキャラクターの容姿の設定が必須です。種族で選択肢に制限はないものの、どの容姿も正直洋ゲー的な印象が強いのは否めません。(そもそも今回のリメイクは純洋ゲーですが……)日本産の『ウィザードリィ』であれば『五つの試練』含め数多くで採用されている顔の代わりの職業アイコンもないので、それでもなんとか選びましょう。

ただし、PC版であれば「(ゲームのインストールフォルダー)→murphy→Content→CustomPortraits」フォルダーに512x512のpng画像ファイルを放り込むことで、その画像ファイルを容姿選択で使用することができます。この機能を利用すれば、アイコンなどを顔の変わりに用いて人物のビジュアルを排除したり、スパくんを裸で前衛に出してロストさせたり、マハリトが唱えられるブラックバスを育成したり……といったことが可能です。本記事のスクリーンショットでも同機能が活躍しています。

キャラ作成にまつわる本リメイクの新要素として、「ギルガメッシュの酒場」では傭兵が募集できます。募集できる傭兵のレベルは現在のセーブデータ内の最高レベルキャラクターに依存しており、パーティメンバーとほぼ遜色ない強さのキャラクターを雇う事ができます。

パーティが全滅してしまった場合に備えての第2パーティの構築や、たまには気分を変えたメンバーをパーティに加えたい……といった場合に便利な機能でしょう。1度雇った傭兵は他のプレイヤーキャラクター同様に訓練所で名前および外見の変更が可能です。

「オールドスクール設定」で自分好みのゲーム設定が可能に

本作には様々なゲーム仕様について、過去作品に近づけたり今回の新規機能を組み込む「オールドスクール設定」オプションが存在しています。ゲームに与える影響が強い割に項目数も多いので、迷うプレイヤーも多いことでしょう。以降は、未説明のこれらの項目について見ていきます。

レベルアップ時の特性値の動き

「選択」にするとレベルアップ時に1~3のボーナスポイントを能力に割り振る形式になります(能力が下がることはありません)。「ランダム」にすると一般的なシリーズタイトルのようにレベルアップ時に各能力値がそれぞれランダムに1上昇・変化なし・1低下するようになります。

キャラクターの加齢方式

「活力」を選択するとキャラクターの年齢が「活力」という能力値に置き換えられます。これが高いほどレベルアップ時に能力値が上昇しやすくなります。「活力」は宿屋に泊まると低下することがありますが、筆者の経験上90%以下にはめったに下がらないイメージです。「年齢」を選択すると従来のウィザードリィのようにキャラクターに年齢が設定され、年齢が上がると能力値が上昇しにくくなります。

宿屋の方式

「リメイク」を選ぶと、宿屋に泊まった時点で完全無料でHP・MPが全快するようになります。はっきり言って超便利です。「オリジナル」を選ぶと、原作通り馬小屋に寝てMPを回復しつつ雀の涙の回復魔法でHPをちまちま回復する羽目になります。

寺院の方式

「リメイク」を選ぶと状態異常の治療・蘇生費用が大幅に安くなるうえ、レベルドレインを受けてしまっても寺院で失った経験値の回復ができるようになります。なお、本作ではレベルドレインを受けても経験値とレベルの他は最大HPしか低下しません。

レベルドレインからの回復はそれなりにお金が必要ですが、このオプションで経験値の回復を行うと、即座に再度のレベルアップが可能となり、さらに能力値を伸ばすチャンス……という、レベルドレインが一種のメリットとなるオプションでもあります。

「オリジナル」に設定するとオリジナル通りのぼったくり偽善寺院に早変わりします。当然レベルドレイン回復機能もありません。

仲間の雇用

先述したギルガメッシュの酒場での傭兵の雇用の有無を設定するオプションです。「無効」にすると傭兵の雇用ができなくなります。

ミニマップ

近年の同ジャンルのタイトルの大半のように、ダンジョンで歩いた軌跡をミニマップとして常時表示します。ただし今作では、ダンジョン内でテレポートの罠や回転床に引っかかっても、仕様として画面上のミニマップはトラップに引っかからなかったものとして記録されていき、だんだんとヘンテコなミニマップになっていくので、鵜呑みにし過ぎると危険です。「無効」にするとミニマップ自体が非表示になります。

デュマピックでマップを表示

Lv1魔法使い呪文「デュマピック」を使用した際に、階層で今まで歩いた部分の詳細なマップを表示するかどうかを設定します。この呪文で表示されたマップはミニマップと違い、その階層の正確なマップを表示します。「無効」にするとこの呪文を使用した際に現在位置の座標のみが表示されるようになります。

会話によるヒントメッセージ

「有効」にするとダンジョン内で仲間との会話という形で様々なヒントメッセージが表示されるようになります。「無効」にすると表示されません。

全滅したパーティを見舞う悲劇

パーティが全滅すると死体がその位置に置き去りにされますが、このオプションを「有効」にすると今までのシリーズ通りに死体がロスト、あるいは死体の持ち物がいくつか失われる可能性があります。「無効」にすると、全滅で死体のロストやアイテムが失われることはありません。

余談ですが、『ウィザードリィ』シリーズの都市伝説として「全滅したパーティを迷宮内に放置している時間が長いとロストが発生する」といったものがありますが、基本的にはどの作品も全滅時点で1度判定が行われるだけです。

先制攻撃時の呪文使用

この機能が有効だと敵味方問わず先制攻撃時に魔法が使えるようになります。味方の先制攻撃時には確かに有利なのですが、本当に恐ろしいのは魔法を使う多数の敵に先制攻撃されたときです。

Apple II版に準拠するならば「有効」にするのが正しいですが、ひとたび先制攻撃を受ければグループ攻撃魔法の数の暴力であっという間に全滅してしまいます。

よほど高難度プレイをしたい……というのでもない限り、この機能は「無効」にしておいた方が良いでしょう。大半のプレイヤーが触った『ウィザードリィ』はおそらくこの機能が「無効」になっているもののはずです。

但し、この機能は敵のブレス攻撃には影響がなく、先制攻撃の際に使われるので油断は禁物です。

隠れる/奇襲

『ウィザードリィV』から加わった、後衛の盗賊が隠れる→次のターンに敵前列に奇襲近接攻撃を可能にするという要素です。SFC版の『ウィザードリィI・II・III』にも搭載されていたことから今回オプション採用されたようです。

本作では盗賊の装備できる強力な武器は少なく、オマケ的な機能の印象が強いのですが、とりあえず「有効」にしておいても良いでしょう。但し奇襲を行った盗賊は、後衛に居ても敵の直接攻撃の対象になることに注意して下さい。

モンスターの確定/不確定システム

この機能を「無効」にすると、Apple II版同様あらゆる戦闘で敵がランダムに確定/不確定になります。「有効」にするとモンスター図鑑の確定状況が反映されます。

標的の自動修正

この機能を「有効」にすると、攻撃対象の敵グループが全滅したときに自動的に他のグループに攻撃を仕掛け、また呪文対象が存在しないときに呪文の空打ちをキャンセルしてくれます。特別な理由がない限りは「有効」のままでよいでしょう。

行動順に沿った逃走

この機能を「有効」にすると、キャラクター個別に「逃げる」コマンドが有効になり、誰か1人でも「逃げる」に成功した時点で戦闘からの逃走が成功したことになります。「無効」にするとターン開始時に逃げる判定が1回だけ行われ、失敗すると敵の総攻撃を受けることになります。逃走の成功率の低い本作では、複数回逃走のチャンスが生じる「有効」にしておいた方が良いでしょう。

これらの「オールドスクール設定」の内容によって、一切の容赦のないApple II版の再現からFC版寄りの調整、そして2024年という時代に合わせたかなりユーザーフレンドリーな方向の設定まで、自分好みのプレイスタイルに設定することができます。

Apple II版の手触りを残しつつも現代風のオプション要素が充実したリメイク。人によってはテンポが気になるかも

ここまで豊富なオプションを含め、本リメイク版のポイントを紹介してきましたが、それ以外にも大きくApple II版のシビアな手触りを大きく残す部分はあります。以下に列挙してみます。

  • 序盤の敵は「カティノ」で眠らせ、敵のマジックユーザーは「モンティノ」で黙らせる……といった、FC版や『ウィザードリィ外伝』シリーズでお約束の戦略は忘れてください。本作ではApple II版同様、敵に状態異常魔法はほとんど通用しませんし、該当部分の調整オプションもありません。序盤は効けばラッキー程度の「カティノ」よりも、必中の「ハリト」の直接ダメージで敵の数を減らした方が良い場面が多々あります。

  • 本作は地下1階の時点で敵が2グループ出ます。慣れた『ウィザードリィ』プレイヤーの経験値稼ぎの友である「マーフィーズゴースト」も、結構な確率で2体同時登場します。Lv3程度では2体同時に登場されるとかなり苦しい戦いになるでしょう。

  • 中盤以降は敵からの逃走率がガクンと下がります。地下10階で経験値が良い敵が出るまで逃げてリセマラ……なんてことはやらない方が良いです。

  • 『ウィザードリィ』で多くのプレイヤーが語る「リセット技」については本リメイクでは限定的にしか効果を発揮しません。
    ヤバい!と思う前にメニューの「ゲームを終了」か、「Alt+F4」でゲームを落としましょう。ヤバいことが起こる直前からゲームに復帰できます。なお、ヤバい状況になった後でゲームを落としても、戦闘からは離脱できますがヤバい状況はそのままです。

さらに本作はモンスターが3D化したことにより、出現演出や攻撃演出などが追加されています。演出自体は悪くないのですが、それにより戦闘のテンポが若干妨げられているのは事実です。範囲攻撃呪文で一気に薙ぎ払う分にはテンポは良いのですが、1体1体戦っているとテンポは微妙に感じられます。

このテンポの悪さは本作で初めて『ウィザードリィ』に触れる人よりも、さまざまな『ウィザードリィ』に触れているフリークの方が気になるかもしれません(先述の「マーフィーズゴースト」はただでさえ固い上に演出も凝っているため、テンポに大きな影響を与えています。今作では魔術師がマハリト・ラハリトを覚えたら稼ぎ場を地下4階に移すと良いかも)。

また、早期アクセス開始時点では多数のBGMにFC版の羽田健太郎氏による曲をアレンジしたものが使われていましたが、正式版ではFC版楽曲のアレンジはタイトル画面と戦闘終了時のファンファーレのみになってしまったのも人によってはマイナスに捉えられる点です。しかし代わりに追加された楽曲も地下迷宮探索の雰囲気に良く合った、決してクオリティの低い曲ではないことは強調しておきます。

とは言え、長らく「封印作品」状態にあった本作が様々な問題を乗り越えて現代に蘇った……というだけでも、本作の存在は大きなものです。さまざまなコンピューターRPGの原点となったこの作品に1度は触れてみたいという方、あるいは単純に2024年に歯ごたえのありまくるコンピューターRPGに挑戦してみたいという方は、本作にチャレンジしてみる価値は充分にあるでしょう。

スパくんのひとこと

これぞコンピューターRPGの、そしてDRPGの原点といったゲーム!この難易度の高さや理不尽さ、そしてハックアンドスラッシュの面白さを含め、1度は遊んでおいて損はないと思うスパ!

タイトル:Wizardry: Proving Grounds of the Mad Overlord(邦訳:ウィザードリィ 狂王の試練場)
対応機種:PC(Steam/GOG.com)/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/ニンテンドースイッチ
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2024年5月23日(Steam正式版は2024年5月24日)
著者プレイ時間:28時間(早期アクセスからのプレイ時間含む)
サブスク配信有無:
価格:3,980円(税込)
※製品情報は記事執筆時点のもの

なお、『ウィザードリィ』シリーズに関して、SteamではGame*Sparkがお届けするスピンオフの外伝作品『ウィザードリィ外伝 五つの試練』も配信中です。シンプルなシステムのもとで、それぞれ独立したつくりの数多くの独自のシナリオや、ユーザーの制作したオリジナリティあふれるModシナリオ群が1本のソフトウェア上で楽しめる作りです。罠名・呪文の手動入力などコア層向けのオプションも搭載しています。



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《ずんこ。》

石の中にいたいブロガー ずんこ。

ダンジョンの間に挟まれたい系男子。某掲示板でRPGツクールに目覚めその進捗目的でブログを書き始めるも、いつの間にかDRPGが中心の内容に変わっていた。 DRPGと麻雀・ポーカーゲームと元ネタとの差別化が光るフォロワー系ゲームをこよなく愛する。サービス終了したアーケードゲーム『ポーカースタジアム』の公式大会優勝という凄いんだか凄くないんだかわからない肩書きも持つ。

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