激しい競争の中で生き残るRMT業者の実態 ビジネスの中心はパワーレベリングに | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

ハードコアゲーマーのためのWebメディア

激しい競争の中で生き残るRMT業者の実態 ビジネスの中心はパワーレベリングに

日本でも日々議論が絶えないMMOゲームにおけるRMT業者の存在。ベールに包まれたその実態は、普段ユーザーが知る機会はほとんどありませんが、海外のブログにて、大手RMT業者のオーナーを名乗る人物が、自社の運営システムやRMTマーケットの動向などを打ち明けた興味

PC Windows
日本でも日々議論やトラブルが絶えないMMOゲームにおけるRMT業者の存在。中国を筆頭に、仮想通貨やアカウントの販売を行う無数の企業が存在していると言われていますが、その実態はベールに包まれており、どのようなシステムで、どんな人達が運営しているのかは一般的にあまり知られることがありません。

Gamasutraのネットワークサイトである海外ブログGameSetWatchでは、大手RMT業者のオーナーで“Smith Sam”と名乗る人物による、自社の運営システムやRMTマーケットの動向などを打ち明けた興味深いエッセイを掲載しています。その内容をまとめてお伝えします。

Smith Sam氏は、およそ40人の従業員からなる[url=http://www.usfine.com/]USFine.com[/url]というRMT企業の運営を担当するオーナーの一人。中国を拠点にする同社は、ゲーム内通貨の販売やパワーレベリングサービスをユーザーに提供しており、15種類のMMORPGタイトルを対象にしています。この中でもとりわけ人気の高い5つが、World of Warcraft、ファイナルファンタジーXI、Runescape、メイプルストーリー、そしてロード・オブ・ザ・リングス オンライン。Smith Sam氏の話によれば、最近のマーケットの動向として、中国や東南アジアをベースにするほとんどのRMT企業が、ゲーム内通貨の販売よりもパワーレベリングサービスに力を入れているそうです。



パワーレベリングとは、お金さえ払えば、RMT業者のスタッフが代理でゲームのキャラクターをレベル上げしてくれるサービス形態の一つ。その昔は、高レベルのキャラクターを持つプレイヤーが、レベルの低い仲間の経験値稼ぎをヘルプするのを指すこともありましたが、今や完全に一つのビジネスモデルとして確立され、様々なオプションやプランが用意されて[url=http://www.usfine.com/World-of-Warcraft-US-Pl-c-53.html]パッケージ販売[/url]されています。一般的にMMORPGにおけるキャラクターのレベル上げは、家庭用ゲームやシングルプレイのRPGに比べて、非常にゆるやかで膨大な時間を要するものなので、確かにゲームをプレイする時間が限られているプレイヤーからの需要は大きいのだと考えられます。

もともと欧米で生まれたこのサービス形態は、価格競争が激化し、人件費の少ないアジア圏の業者が台頭したことで、欧米の企業は次第に淘汰されていきました。2004年には30社足らずだったWorld of Warcraftのパワーレベリングのサービスを運営する中国の業者は、まもなく2000社に達する見込みで、さらに規模は拡大し続けています。これは、全世界で1000万人近い登録ユーザー数を誇るWorld of Warcraftが生み出した、影の部分なのかもしれません。また、昨年1月頃から、米国最大手のオークションサイトeBayが、MMOゲームの仮想通貨やアカウント等の取引を完全に撤廃したことも、RMT業者を拡大させた引き金になったとも言われています。

[size=x-small]RMT業者の下、過酷な労働環境でゲームをプレイする中国の若者達。主にアメリカのサーバー上で活動する彼らは、ゲーム内でのコミュニケーションをシャットダウンしてひたすら同じ場所でレベル上げや狩りを続けており、欧米のプレイヤーからは“[b]Chinese Farmer[/b]”などと呼ばれて敬遠されている[/size]


こうした激しいマーケットシェア争いの中で、個々のRMT業者はゲーム内におけるレベル上げの効率化を追求し、さらに価格競争から必然となる人件費の削減を強いられました。労働コストを抑えるために、RMT業者は中国だけでなく、フィリピンやタイ、ベトナムといった別のアジア諸国へもスタッフ雇用の範囲を広げ、Smith Sam氏は最も人件費が安いとして北朝鮮の名前も挙げています。

2006年夏の設立から価格競争に打ち勝ってきたというUSFine.comは、現在のパワーレベリングマーケットでも最安価の販売価格を実現しており、World Of Warcraftのレベル1から60までのパッケージで129ドル。拡張パックを含んだレベル70までのパッケージが250ドル。これらの価格は、当初の設定から現在に至るまで、半額近くコストダウンされています。

一方で、World of Warcraftの運営をするBlizzard Entertainmentは、パワーレベリング業者を阻止するため、急激にレベルが上がったプレイヤーのアカウントを差し止めるなどして対策をすすめているものの、Smith Sam氏は、目下のところパワーレベリングサービスを法的に取り締まる明確な規則は存在しないと語っています。そして、パワーレベリングサービスのニーズは、完全に成熟しつつあるところまで来ているとも付け加えています。[size=x-small](ソース: [url=http://www.gamesetwatch.com/2007/12/qa_essay_smith_sam_talks_gold_farmin.php]GameSetWatch:Q&A/Essay: 'Smith Sam' Talks Gold Farming, Power Leveling[/url], イメージ:[url=http://www.flickr.com/photos/juliandibbell/237400853/in/set-72157594279649151/]Flickr[/url])[/size]

【関連記事】
『World of Warcraft』登録ユーザー数が900万人突破!1000万到達はスグソコ
友人にガソリンで大火傷を負わせた少年 ファイヤーメイジに変身したと供述−中国
eBayが仮想アイテムのリアルマネートレードを全面禁止に!
リアルでヘラジカに襲われたゲーマー少年「挑発」や「死んだふり」でやり過ごす
世界規模の登録ユーザー数で見る、海外人気MMOゲームTOP10

拡張パック第二弾『World of Warcraft: Wrath of the Lich King』発表!
「Activision Blizzard」誕生 Guitar Heroなど人気シリーズへの影響は
『ファイナルファンタジーXI』のプロデューサー田中氏がFFXI、新MMOについて語る
ヴァーチャルワールドとはちょっと違う 「ヴァーティカルワールド」って何だ?
エルダースクロールズ オンライン?Bethesdaの親会社が謎のドメインを取得


 






《Rio Tani》
【注目の記事】[PR]

PC アクセスランキング

  1. 美少女パイロットが戦う『ヴァンサバ』系ACT『ヘビーストームシャドウ』日本語対応でリリース!襲い来るモンスターの大群に武装巨大ロボで立ち向かう

    美少女パイロットが戦う『ヴァンサバ』系ACT『ヘビーストームシャドウ』日本語対応でリリース!襲い来るモンスターの大群に武装巨大ロボで立ち向かう

  2. PvEが可能な『Escape From Tarkov』新エディション販売が闇落ちユーザーの暗黒面を目覚めさせる―開発「PvEは新モードでありDLCではない」

    PvEが可能な『Escape From Tarkov』新エディション販売が闇落ちユーザーの暗黒面を目覚めさせる―開発「PvEは新モードでありDLCではない」

  3. 新エディションへの不満吹き荒れる『Escape from Tarkov』―開発がEoD版に関する新情報公開も余波は続く

    新エディションへの不満吹き荒れる『Escape from Tarkov』―開発がEoD版に関する新情報公開も余波は続く

  4. 怪異判定ADV『奇天烈相談ダイヤル』大型アプデ版Steamにて無料リリース―資料と会話から矛盾を見つけ相談者の悩みを解決

  5. 『マブラヴ』シリーズロボACT『Project MIKHAIL: A Muv-Luv War Story』正式リリース―サバイバルモード実装や「特別任務」追加の大型アップデート実施

  6. 新機能でより快適になったDRPG『剣と魔法と学園モノ。』1AE/2Gリマスター版リリース―ハクスラ&ハードコアなファンタジー学園生活

  7. 街づくり、資源管理、戦闘で村を成長させていく中世シム『Manor Lords』同接13万人突破!早期アクセス開始からわずか2時間

  8. 『百英雄伝』アップデートパッチが配信―「特定条件下でキャラクターが仲間にならない」不具合などを修正

  9. 工画堂スタジオが送る新作ターン制戦術ロボSLG『One-inch Tactics』発表!メカ部隊を操作し勝利を目指せ

  10. 基本無料脱出シューター『Arena Breakout: Infinite』ゲームプレイ映像!期待の『タルコフ』ライク、CBT参加者も募集

アクセスランキングをもっと見る

page top