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『XCOM2』の全貌を開発者に訊いた―敗北した人類、エイリアンの支配に立ち上がる

2KとFiraxis Gamesが贈るストラテジーゲーム『XCOM2』が2016年2月5日に世界同時発売されます。それに先立ち、アジアのプレス向けツアーが韓国・ソウルにて開催され、先行プレイや開発者にインタビューする機会に恵まれました。

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『XCOM2』の全貌を開発者に訊いた―敗北した人類、エイリアンの支配に立ち上がる
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Greg Foertsch氏 / Firaxis Games

2KとFiraxis Gamesが贈るストラテジーゲーム『XCOM2』が2016年2月5日に世界同時発売されます。それに先立ち、アジアのプレス向けツアーが韓国・ソウルにて開催され、先行プレイや開発者にインタビューする機会に恵まれました。

歴史あるシリーズの最新作となる本作では、エイリアンに敗北し支配された世界が舞台で、20年後にXCOM達がレジスタンスとして再び立ち上がる物語が描かれます。まずは本作のアートディレクターであるGreg Foertsch氏らに本作について聞きました。

Greg氏は開発元Firaxis Gamesでリードアーティストの職にあり、前作『XCOM: Enemy Unknown』でもアートディレクターを務めたベテランゲーム開発者。本作でもゲーム全体を指揮する立場で、非常に高いレベルで仕上がった本作に満足していると述べました。「一番嬉しいのは前作と同様、素晴らしいチームメンバーに恵まれ、ゲームの各パートが高いレベルで仕上がっているだけでなく、全体として調和の取れた作品となっている事です」とGreg氏は話してくれました。

■誰もが敗北を共通体験として持っている

「XCOM」とは各国政府が共同で設立した特務機関。未知なる敵との遭遇に備えた精鋭部隊ですが、『XCOM2』で描かれるのは彼らが敗北し、無条件降伏。彼らの支配を受け入れた世界です。その世界は一見平和裏に運営され、人々は幸せに見えますが、エイリアンは謎の陰謀を進めているようです。そして20年後、XCOMたちがその支配を打ち破るべく立ち上がるのです。

「こうしたストーリーを描こうと思ったのは、(XCOMは非常に難易度の高いゲームであり)誰もが敗北を共通体験として持っているというユニークなシリーズだからです」とGreg氏は説明しました。本作では「アベンジャー」と呼ばれる移動式の空中要塞を強化していく戦略パート、ターンベースのストラテジーで敵と戦う戦術パート、この基本的な遊び方は変わりませんが、敗北後の物語という背景が遊びの部分にも反映されています。

その1つがXCOMの基地となる「アベンジャー」です。アベンジャーはこれまでの基地と異なり、移動式の空中要塞です。XCOMはレジスタンスであり、定住拠点を持たず、エイリアンの目から逃れながら戦いを進めていきます。世界各地に立ち上がりつつある仲間のレジスタンスと接触し、協力しながら戦っていきます。


世界各地に点在するレジスタンスと協力して戦いを進める

エイリアンたちは「アバター計画」という謎の計画を進めています。時間の経過と共に、エイリアンたちの勢力は増し、立ち上がるXCOMを困難にしていきます。ミッションで得られる「インテル」という要素を集めることで、「アバター計画」の一部を覗けるようになります。また、ミッションで集められるエイリアンのテクノロジーを研究者に解析させることで、エイリアンの先進技術を探り、謎に包まれた計画を明らかにしていくことができます。

■ゲームプレイの進化

○戦略パート

戦略パートでは空中要塞「アベンジャー」において、エイリアンとの戦いに備え、XCOMのチームを強化していきます。ここで最も重要なのは"人"です。戦闘員を鍛える、技術者に研究させる、アベンジャーを拡張する、といった遊びの要素は人が中心となります。人員は限りがありますので、何を優先して進めていくか、どこに誰を何人配置するかによってプレイヤー毎に異なる展開が生まれていきます。

人は大事で、戦いに挑んで死んでしまうと帰ってきません。「アベンジャー」には追悼所もあって、死んだキャラクターのメモリアルが残ります。補充として新兵をスカウトできるのですが、当然最初は弱く、一から育てる苦労があります。

「(難しいゲームですが)命は大事にした方がいいですね(笑)。もちろん新しい人をスカウトして鍛える事はできて、そうこうしているうちにエイリアンに完全に制圧されてしまう、というほどではないけど、折角育てた能力や武器も失われるから、なるべく傷ついた兵士も回収してもう一度挑むようにした方がいいと思います」(Greg氏)

兵士は5種類のクラスが存在しますが、うち4種類が公開されています。

    ・グレネード兵(Grenadier) グレネードランチャーや手榴弾などで戦う
    ・遊撃兵(Ranger) 剣や刀など近接戦闘で戦う
    ・狙撃兵(Sharpshooter) スナイパーライフルやピストルなど銃が得意
    ・技術兵(Specialist) ハッキング能力に優れる

新兵をスカウトすると、訓練することで特定のクラスを獲得できます。また実践で経験を積むことで昇格し、新たな能力を獲得していくことができます。見た目のカスタマイズも多種多様で、タトゥーや体の傷といった部分まで変更できます。


兵士のカスタマイズ


武器のアップグレード

武器も強化していくと共にデザインも変更可能。全体のデザインやボタンの位置などを変えることで、性能は同じでも全く異なるデザインに仕上げることができます。

「アベンジャー」にある「ゲリラ戦訓練施設」では様々な戦術を獲得できます。戦いに赴くパーティの人数を増やしたり、特定の条件下でメンバーが強化されるような戦術を選んで獲得できます。

○戦術パート

ミッションはターンベースのストラテジーゲームであり、味方のターン、敵のターンで交互にキャラクターを移動させていきます。各ミッションには敵の殲滅、特定の建物の調査、オブジェクトの回収など様々な目的があり、エイリアンを倒しながら目的を達成し、脱出することで勝利となります。

ミッションはストーリーミッションとサイドミッションが用意されていて、サイドミッションはプロシージャル(動的)に生成されるため、何度でも挑戦し甲斐のあるものになっています。Greg氏は「前作でも85のミッションを用意しましたが、最も多かった要望がミッションの数を増やして欲しいというものでした。プロシージャルにミッションを生成することで建物の配置や天候など数えきれないほどのバリエーションにチャレンジできます。プロシージャルには前作から挑戦していて、蓄積してきたノウハウも多く、自動生成だから単調でつまらないというような心配は無用です」と話しました。

ミッションはターンベースで進行します。新たなステータスとして「潜伏状態」というものがあり、パトロールしている敵を待ち伏せして戦うような事も可能。「監視状態」というステータスに移行することもできます。監視状態ではエイリアンが射程内に入って動いた瞬間に自動で攻撃をしてくれます。エイリアンの動きにカウンターのように使えるわけです。


複数の兵士を監視状態(Overwatch)にしておき、ロケットランチャーで穴を空ける。中にいた敵が動いた瞬間、集中砲火

ミッションの目的によっては特定のオブジェクトを調べたり取得したりする必要があります。そこで使うのが「ハッキング」。非常に難易度の高いものも登場してくるようです。

■充実のMODサポートにも注目

本作ではMODサポートも手厚く行っていくとのこと。Steam Workshopを使うことによってユーザーが本作を拡張していくことができます。どういったことができるのかとGregに尋ねたところ「ミッション、建物、武器、キャラクター、スタッツ、ゲームに登場する全てのもの、事実上なんでもMODで制作することができます。新しい機能を追加するようなこともできます」とのこと。



MOD制作をサポートするため、ゲームに登場する素材、約50GBを公開。MODコミュニティを盛り上げていきたい、とのことでした。

前作はスマートデバイスを含むマルチプラットフォームでしたが、今回は今のところPCのみ。PCにフォーカスすることで、よりMODのサポートにも力を入れられるという背景もあるようです。(ただし、リリース後にプラットフォームのサポートが拡大することはあるかも、との弁でした)

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新鮮な物語と大きく進化したゲームプレイ、『XCOM2』は2016年2月5日に2K Gamesより世界同時発売予定です。別記事では体験レポートもお届けします。

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《土本学》
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