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Steam人気上位の『シヴィライゼーション VI』―その魅力や遊び方を改めて開発者に訊く!

Firaxis Gamesが開発する『シヴィライゼーション VI(Civilization VI)』。今回、開発者のアントン・ストレンガー氏にメールインタビューを行いました。

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Steam人気上位の『シヴィライゼーション VI』―その魅力や遊び方を改めて開発者に訊く!
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Firaxis Gamesが開発する文明発展ストラテジーのシリーズ最新作『シヴィライゼーション VI(Civilization VI)』。発売から約一ヶ月が経過した今でも、その人気は衰えず、Steam上では日々数万人のユーザーがプレイを続けています。そこで、開発者のアントン・ストレンガー氏にメールインタビューを行い、今作の新機能やプレイに際したポイント、初心者向けのサポートやコツなどを改めて聞いてみました。

    アントン・ストレンガー
    アントン・ストレンガーは2011年にFiraxisの一員となり、『シヴィライゼーション V』の拡張パック「Gods & Kings」でゲームプレイ・デザイナーを務めました。スタンフォード大学とカーネギーメロン大学のエンターテイメント・テクノロジー・センターで学んだ彼は、『シヴィライゼーション V』の2つの拡張パックに加え、『Civilization: Beyond Earth』と『Civilizatin Beyond Earth: Rising Tide』でもデザインに携わっています。好きな勝利のタイプは「外交による勝利」(『シヴィライゼーション V』のもう1つの拡張パック、「Brave New World」の世界議会システムをデザインしたのは彼です)、『シヴィライゼーション V』に登場する文明の中で好きなのはアッシリアです(スタンフォード大学ではアッシリアについて学んだのだとか)。

――Civilization 6で目指したことやメインコンセプトを改めて教えてください。

過去のシヴィライゼーションシリーズからの学びや、ファンからのフィードバックを取り入れて、これまでにない最高傑作のシヴィライゼーションを作り上げました。
今回のゲームのメインテーマは”bringing the map to life”です。つまりアートスタイルから、ゲーム内のディストリクトシステム、多くのゲームの要素は個人の進めかたによって大きく違ってくるものであり、十人十色の攻略法があります。

――開発で最も苦労した点は。

我々はユーザーの声か『シヴィライゼーション V』の拡張パックから好評だった機能をできるだけ多く継承させたいと考えていました。そのためそういったもの全てを継承しつつ、かつゲーム内のバランスを保つのがすごく大変でした。個人的には、偉人システムを担当していましたが、実現させたいことがかなり多くありました。

ゲーム内には181 人の歴史上の偉人が登場し、収入を得ることができたり、プレーヤーが使うことで独自のボーナスが発生します。181種類ものパターンを作り出すのはすごく大変でしたが、努力した甲斐はあったと思っています。

――グラフィックやビジュアル面は前作からどのように進化していますか。

はい。確実に進歩していると言えます。歴代のシヴィライゼーションシリーズにも共通して言えることですが、毎回、歴史がどういう風に歩いてきたかをユーザーに想像してもらえ、そこに、新たな解釈をユーザー自身が加えられるゲームということを重要視してゲームを作成しています。

『シヴィライゼーション V』では、とてもリアルなアートスタイルを採用しました。一方で『シヴィライゼーション VI』は、大げさな感じで、カラフルな感じを採用しました。今回のスタイルは“bringing the map to life.”というスタイルにかなりマッチしていると思っています。


――注目すべきユニットや指導者は?

それぞれのリーダーに魅力があるのですが、あえて言うのであれば、スキタイのリーダーのトミュリスと彼女が率いるサカ族弓馬部隊です。トミュリスは、非常に個性際立つリーダーで、ミリタリーボーナスを非常に多く獲得できるリーダーです。また、素早くて強力なサカ弓馬部隊をうまく使うことによって、ゲームの初期では、大きな脅威になることができます。彼女は私の大好きなリーダーの一人で、先日オフィス内でマルチプレーを行った際にも、彼女とサカ族弓馬部隊を使って、同僚に大きなダメージを与えることができました。

――Civilizationシリーズ未経験のユーザーでもすぐに遊べるでしょうか?

シヴィライゼーションに慣れるには、多くのことを学ばないといけないのは事実です。しかしながら、初心者の方にも早くゲームに慣れてもらえるように、いくつものサポートシステムを導入しています。一例をあげると、ゲーム内のベーシックな機能をチュートリアル形式で教えていくシステムがあります。こちらを行っている場合は、複雑な操作や、危険にさらされるようなことはありません。チュートリアルが終了すると、実際のゲームを低レベルでプレーしていただけます。

実際のゲームでは、アドバイザーシステムによって、プレーヤーが実際に直面した場面に応じてより詳細なアドバイスを伝える形式を採用しています。

――今作の注目システムであるユニットのスタックについて詳しい仕様を知りたいです。

『シヴィライゼーション V』から導入された、 One Unit Per Tileというルールをすごく気に入っていました。さらに『シヴィライゼーション VI』からは、プレーヤーにさらに選択肢を与えたいので、スタックバックシステムを採用しました。幾つかのユニットは「サポート専門」ユニットです。軍の機能を保持していますが、通常の戦闘ユニットと一緒にtileに待機することができます。例えば、ゲーム初期に使うBattering Ram supportユニットでは、普通の軍隊ユニットと一緒に待機することができ、敵国の防衛壁を破壊の手伝いができます。また、そこからゲームを進めると、回復チームは一緒に待機している戦闘チームの回復力が増加します。隣接している、友好的なユニットに関しても同様です。さらに、ゲーム後半には、同じタイプの軍ユニットを融合させて、より強力にして、一つのtileに設置することができます。2つ一緒にするとCorpsになり、3つ一緒にすればアーミーになります。融合によってつくられたユニットは、融合してない部隊より強い設定にしており、また、戦略的に重要な拠点を占拠する際や、敵国の軍隊を潰すのに非常に役に立ちます。

――新たに外交に加わったアジェンダの要素や、指導者のAIについて教えてください。

どのリーダーも外交上の2つの課題を持っています。一つは歴史的背景からの課題、つまり、リーダーの歩んできた歴史を基にして設定されたものです。例えば、アメリカのリーダーのセオドア・ルーズベルトは、”Big Stick”という課題を持っています。これは、彼の領域内で平和を維持する人を尊重し、彼の領域内で戦争を起こした人に怒るという性質を持っています。他方で、もう一つは秘密の課題で、これは、ランダムに設定され、ゲームごとにその性質は違うものになります。AIのリーダーにスパイされることにで、実際にプレーしている人は各リーダーにどんな秘密の課題があるのかを発見することができます。これにより、すべてのリーダーは、ゲーム内で何かしら固定のアジェンダ設定と、その時によって違うアジェンダの2つを持ち合わせていることになります。その時その時によってコンピューターのリーダーに場所など問わず様々なアジェンダが発動するのはとても面白いと感じました。また、このことが外交上の様々な外交上の課題を引きおこします。


――新しいマルチプレイ要素や特徴を教えてください。

ユーザーさんにご好評いたいだいていた『シヴィライゼーション V』までのマルチプレーヤーモードに加え、『シヴィライゼーション VI』にはさらに2 つの魅力的な要素を取り入れました。一つは、独自の勝利条件を設定した上で、ある歴史だけにフォーカスをおいたカスタムヒストリカルシナリオを導入しました。このモードはプレー時間が90分から、120分で完結できます。職場で試しに遊んでみましたが、ものすごく盛り上がるマルチプレーとなりました。

そして、もう一つは、ユーザーさんからの一番のリクエストであった、マルチプレーヤーの中で、MODを採用したことです。皆さんがどんなMODを作るのか非常に楽しみです。

――今作で都市国家のシステムが大きく、分かりやすく変わりましたが、どのような意図をもってこのデザインの変更に繋がったのでしょうか。

これは率直にそういう感想を聞けてすごく嬉しいです。なぜなら、私がゲームの中で一番作業時間を費やした部分だからです。『シヴィライゼーション V』までの経験に基づいて、私たちは様々な勝利条件を設定しました。全ターンの数値の変更を全て記録するのは非常に難しいものです。また、発展状況は、プレーヤーの経済状況にものすごく依存します。そのため『シヴィライゼーション VI』では、プレーヤーの都市国家に関する投資に報酬を出したかったし、全てのプレーヤーが当たり前に使う機能にしたかったのです。 使節団を使うことをベースにした都市国家ボーナスがゲーム内でさらに投資できるようになります。しかしながら、『シヴィライゼーション V』では時間の経過とともに減衰することになります。

また、『シヴィライゼーション V』では、プレーヤー自身でシステムを探す必要がありましたが、『シヴィライゼーション VI』ではプレイヤーがゲーム内で簡単にプレーヤーのペースで使節を送ることができるようになりました。

――直近のシリーズ同様、今作でもSteamワークショップを採用したMODサポートが行われる予定ですが、MOD作成の方法や内容などには大きな変化はあったりするのでしょうか?

『シヴィライゼーション V』と似ていますが、MODはSteam ワークショップで作られます。そして、我々のSDKシステムを通して使われます。MODを使うユーザーは、ゲームのルールや、ボーナスやUIをXMLやLuaを使うことで変更できます。また、新しいアートワークなどもゲームに追加することができます。ユーザーさんに共有できる大きな変更点としては、「ゲームエフェクト」と呼んでいる部分です。ソーシャルポリシー、都市国家、ワールドワンダーなどゲーム内のほとんどのボーナスシステムについて同じシステムを採用しています。よってMODで遊びたいユーザーにとっては、例えばワールドワンダーのゲームエフェクトをリーダーボーナスでも使用できるなど、彼らの好みに応じて簡単な変更が可能となります。


――Civilizationシリーズは25周年をむかえるそうですが、これまでの道のり・過去を振り返って感じることは。

シヴィライゼーションは人の歴史のゲームですが、シヴィライゼーションシリーズとして、独自の歴史を作ってきました。(25周年ということは)私たちにとってすごく大きなイベントで、個人的には感慨深く思います。11歳のときにシド・マイヤーズ アルファ・ケンタウリを始めてプレーし、それ以降ずっとシヴィライゼーションシリーズを遊んできました。子供の頃からずっと愛してきた作品の開発に携われていることは非常に嬉しく、光栄に思います。『シヴィライゼーション VI』を最高の作品にするために多くの学びがありました。

――日本のCivilizationファンにメッセージをお願いします。

日本は私にとって特別な場所です。小学生の頃、シド・マイヤーズ アルファ・ケンタウリを友達とプレーしていた頃のすぐ後、Yugo Yoshimuraという日本人と友達になりました。彼は、私の日本に対する興味、関心を植え付けてくれた人です。また、日本のテレビゲームを教えてくれた人でもありました。大学で日本語を学び、京都と神戸に5ヶ月間留学もしました。日本のユーザーの皆さんに是非知ってもらいたいのは、私たちはユーザーさんの意見をすごく大事にしていることです。また、日本文明をいかに再現させるかに多くの時間を費やしたということです。私は自身の経験と、日本に対する情熱をゲームをデザインするときに注ぎ込みました。日本の皆様がゲームに対してどう言った感想を抱いていただけるか非常に楽しみにしています。

――本日はありがとうございました。
《Game*Spark》
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