気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Alex Carpenter氏開発、PC/Mac/Linux向けに3月22日リリースされた高難易度2Dアクション『Squirm』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、高難易度が特徴の2Dアクションゲーム。目を覚ました時いなくなっていたネズミの友達を探すため、多くの罠が仕掛けらた危険なダンジョンを進むことになります。150以上のステージ、5体のボス、そして道中出会う様々なキャラクターなどが特徴です。
『Squirm』は205円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Alex Carpenter氏(以下Carpenter氏):Alex Carpenterと申します。19歳の米国人で、現在ドイツに住んでいます。私は今までにゲームジャム(注:短期間でゲームを開発するイベント)や小さなゲームサイト向けなどに規模の小さなゲームをたくさん開発してきました。また、比較的大きなインディータイトルのいくつかにも、フリーランスのレベルデザイナーとして参加しています。今まで私が関わった作品の中で一番のお気に入りは『Electronic Super Joy』です。
――本作はいつどのようにして開発が始まったのでしょうか?
Carpenter氏:ゲーム開発を始めた当初、私はとんでもない間違いを犯しました。最初のプロジェクトとして巨大なものを用意し、次の『洞窟物語』や『Binding Of Isaac』を作り、インディーゲーム界の有名人になりたいと思ったのです。
予想通り、全くうまくいきませんでした。野心的すぎたのです。自分が作りたいと思うゲームを作る知識も能力も私にはありませんでした。このゲームの開発に、5年間も費やしました。そう、5年です。私は5年間もの時間を自分の情熱にかけ、大失敗したのです。完全にへこみ、もう諦めようかと思いました。
結局、このプロジェクトは上手くいかないことに気づきましたので、「もういいや」となり、今まで作り上げてきたものを全て捨て、一からまた始めることにしたのです。それから小さなゲームをいくつか作り、ゲームジャムに参加する中で多くのことを学ぶことができたのです。
ここで得られた知識により、また当初のプロジェクトに戻る決意をしました。しかしやはり巨大なものを作る前に、まずは小さなものを作り上げようと思ったのです。巨大プロジェクトのためのアイデアは無駄にしたくなかったので、これらを小さなゲームに落とし込むことにしました。そのため、作りたいとずっと思っていたゲームの前の話となるゲームを作ったのです。その際、2つのことに注力しました。シンプルであること、そして個性的であることです。
そこで、自分が作った昔のゲーム『Squim』を取り出し、ここに様々なコンテンツと愛を詰め込みました。もちろん、シンプルであるということは忘れないように心がけました。そしてそれが本作『Squirm』なのです。
――本作の特徴を教えてください。
Carpenter氏:私が個人的に本作で気に入っている点は、様々な場所にいるNPCたちのセリフです。「よくあるドット絵のインディーゲームか」とは思われたくなかったので、ストーリーに個人的なテーマを交え、ゲームに個性を与えました。
世界中にいるNPCたちは、ストーリーを語るものから、予想もしないようなジョークをいうキャラまで、楽しませてくれますよ!まぁ、ちょっと嫌な気分にさせてくるようなのもいますが…
――本作が影響を受けている作品はありますか?
Carpenter氏:はい!何の影響も受けずに何かを作るというのは不可能です!私は比較的若いので、多くのインディーゲームを遊んで育ちました。『Super Meat Boy』、『VVVVVV』、『Spelunky』のような作品です。これらの作品が、本作をプラットフォーム・ゲームにしていると言えるでしょう。
グラフィックの面では、自分がとてもコモドール64が好きでして…これでお分かりになるかと思います。
キャラクターデザインへの影響は、ちょっと面白いかもしれません。多くの人が、本作のスプライトについて「『UNDERTALE』と似ている」というのですが、実は『UNDERTALE』はそれほど好きな作品ではないのです…。キャラクターデザインに大きく影響を与えたのは、『RPGツクール』で作られたフランス製RPGである『OFF』です。もしこの作品をご存じないようであれば、ぜひ調べてみてください。すぐに類似性に気がつくでしょう。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Carpenter氏:正直、わかりません。『Squirm』は現時点でフランス語とロシア語の翻訳に対応しています。これらはタダでお手伝いしていただける人が現れたためです。素晴らしい翻訳者を雇うようなお金はありませんので、日本語翻訳をしていただけるような人がもし現れれば、実現できるでしょう。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いいたします。
Carpenter氏:私が一番好きな部分であるセリフを抜きにしても、日本人の方達が本作を楽しんでいただけているということで、とても嬉しく思っています。自分がやってきたことは間違っていなかったのだなと実感します。ありがとうございます。いつか、日本の皆さんが本作を100%楽しんでいただけるようにするためにも、日本語対応を実現させたいです!
――ありがとうございました。
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