気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Deimos Games開発、PC/Linux向けに10月12日リリースされたハードSF宇宙交易シム『Helium Rain』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、宇宙ステーション間の物資を結ぶ輸送・生産業者となって小型宇宙船一隻から自身の会社をもり立てていくことが目的の宇宙交易シム。プレイヤーはただ自身の宇宙船を駆り物資の交易を行うだけでなく、部下船や艦隊を作成し、自動交易を行わせたり、活動を通じて様々なテクノロジーをアンロック、各種ステーションの建造などを行うこともできます。気になる*Sparkでもご紹介しているので、気になる方はこちらもチェック。
『Helium Rain』は1,480円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Gwennael Arbona氏(以下Arbona氏):Gwennael Arbonaです。Deimos Gamesのフランス人ソフトウェアデベロッパーで、宇宙、テクノロジー、ビデオゲームへの情熱を持っています。私たちはちょうどデビュー作となる、リアルなスペースフライトとストラテジーをブレンドさせたPC向け宇宙シミュレーション『Helium Rain』をSteamでリリースしました。
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Arbona氏:本作は個人的な小さなプロジェクトとして2014年の初め、今から5年ほど前に始まりました。当時は新しかったUnreal Engine 4を楽しく学ぶためのプロジェクトだったのですが、同ジャンルの他の作品とは異なるよりリアルな宇宙シミュレーションのアイデアがたくさんあったのです。友人のFrederic Bertolusが同様のプロジェクトを行なっていたことから、二人のプロジェクトのアイデアを取り入れて、一緒にゲームを作ろうということになりました。本作の早期アクセスが始まるまで3年間、私たちは一緒に開発を行い、それからまた1年、プレイヤーの皆さんからのフィードバックを参考に、可能な限り良いものにするため作業を続けてきました。
――本作の特徴を教えてください。
Arbona氏:本作の面白い特徴は大きく2つあると思います。一つは経済モデル、もう一つはスペース戦闘シミュレーションです。本作の経済モデルは資源を奥深くシミュレートしており、採掘、精製、物流、売却、と言う現実のようなものです。AIは船や宇宙ステーションを何もないところから作り出したりはしません。ゲーム内のすべての派閥は艦隊を作り上げるため、資源を購入し使用する必要があります。交易はとても重要ですが、敵の宇宙ステーションを捕まえたり、貨物船を破壊することも可能です。スペースフライト部分にもかなりこだわりました。本作ではニュートンフライトモデルをシミュレートし、これはエンジンの噴射なしでは減速しないと言うことです。また、飛行する方向を変えずに船体の向きを変えることも可能です。すべての船はダメージを受ける数多くのパーツで構成されており、プレイスタイルに合わせてアップグレードすることもできます。
この結果、どのように遊びたいかによってゲーム性が大きく異なるものとなりました。飛行の部分を無視し交易だけに注力したり、交易を重視せず海賊のようなプレイをしたり、両方を織り交ぜて遊ぶこともできます。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Arbona氏:本作はかなり異なるタイプのゲームのミックスだと思っています。『Elite』や『X』シリーズと言った一般的な宇宙シミュレーションをプレイしているかのようでありながら、『Total War』シリーズや『Mount & Blade』のようなストラテジー要素も持ち合わせています。私たちはSF映画、特に「エクスパンス -巨獣めざめる-」のようなリアルなものが大好きです。私たちはまた、ロケットや人工衛星がどのように作られているのか本を読んで勉強するような宇宙オタクなので、これらからも本作のアイデアをもらっています。
――本作の日本語対応予定はありますか?
Arbona氏:残念ながら、現時点で本作を今以上の言語に対応させる予定はありません。ローカライズはとても大変な作業ですし、本作の開発初期段階で、そのことを考慮していませんでした。プレイヤーの皆さん達からの声を聞きながら、今後の優先順位を見ていきたいと思います。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Arbona氏:本作が日本のPCゲーマーの皆さんに知っていただけると嬉しいです。本作の開発には何年もの時間を費やし、満足するまで愛情を注ぎ込みました。お読みいただき、ありがとうございます!
――ありがとうございました。
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