気になる新作インディーゲームの開発者にインタビューする本企画。今回は、Pixel Forest Games開発、PC向けに8月15日リリースされた3Dワールド作成シミュレーション『FlowScape』開発者へのミニインタビューをお届けします。
本作は、20種の地形、300以上のモデルを使ってフォトリアルな3Dワールドを作成できるシミュレーション。植生、生物、岩や家屋を自由に配置できるほか、太陽の位置設定や様々なサウンドエフェクトを利用でき、自分の思うままの光景を作成可能です。UIは日本語にも対応済み。
『FlowScape』は1,520円で配信中。
――まずは自己紹介をお願いします。
Chris日本のビューティフルな皆さん、こんにちは。オーストラリアにおいて単身でゲーム開発をしているChrisです。ここには怖いクモやヘビはいますが、コアラはそれほど怖くありません!
――本作の開発はいつどのようにして始まったのでしょうか?
Chris私は映画のVFX制作に何年も携わっていました。一人のアーティストとしていつも背景にはとてもこだわっていた分、逆に使いにくいものとなってしまっていたのです。当時は、木を一本一本コピーしてそれを動かす、またはルールを設定してランダム作成させていたのですが、何年もかけ、木や岩を好きな箇所に設置する手助けをするツールを開発しました。2、3年前、UnityやUnrealといったリアルタイムエンジンを使い始めましたが、これらのエンジンでも同様の問題があることに気づいたのです。そのため、私は同じようなツールを作り、より芸術的な世界において自然な方法でこれを解決できるようにしました。
ある日、私の6歳の娘が私の作業している様子を見て、自分もやりたいと言い出したのです。そして一度やり始めるとコンピュータから離れなくなってしまいました!この時、Unity向けにシンプルなインターフェースを作ることで、複雑な3Dプログラムを学んだことのない一般の方々でも、美しい光景を作り出すことができるのではないかと思ったのです。
私は3ヶ月かけて本作の最初のバージョンを作り、itch.ioで公開しました。それから6ヶ月で、ユーザーの数は8,000を超えました。すべての人から本作をより良くするための意見をいただき、毎月のアップデートでは新たなツールと新たなモデルを追加していったのです。ユーザーには幅広い年齢層の方々がいます。子どもたちはものづくりが好きですし、特に最近は暴力的でないゲームが少ないということもあり、親たちも本作を歓迎してくれました。一方でミドルエイジの方達も楽しんでくれて、どうやら理由としては日頃のストレスの発散に役立っているからのようです。そして高齢の方々は、すでに定年退職をしている方もおり、やることがあまりないので本作を楽しんでくれています。他にも、『Dungeons and Dragons』をプレイする人たちも本作を楽しんでいるようで、彼らは本作を使い、バトルマップを作るというのです。数分でマップを作れるのが素晴らしいとのことでした。本作は現在のゲーム市場が忘れがちの多くの女性にも楽しんでいただいています。
8月15日、本作をSteamでリリースし、とてもいい評価をいただいています!(これを書いている時点で)94%のポジティブなレビューをいただいており、Steamのスクリーンショットギャラリーにはいくつもの素晴らしい画像が投稿されています。私が作ったものでこれほど多くの人が楽しみ、そして素晴らしいものを作り上げているということはとても嬉しいです。私たちのDiscordもとてもフレンドリーですし、ユーザーたちはウィークリーチャレンジを行なっています。先週は海賊がテーマでしたし、今週はおとぎ話です。たくさんの素晴らしい画像を見られるのは、本当に嬉しいことです。来週はどんなチャレンジになるのか、楽しみです!
――本作の特徴を教えてください。
Chris本作において皆さんに特に気に入っていただいているのが、設置できるオブジェクトのバラエティの豊かさです。綺麗な様々な色の花々、緑の草原、たくさんの種類の木と茂み、異なるスタイルの家と建物、馬、猫、鹿、ドラゴンといった多くの動物がおり、可能性は無限大です。遠くに山を設置することもできますし、様々な岩をペイントしたり、青空から夕日、夜空まで、24の空模様も用意されています。最終版の画像を作るため、いろんなスライダーをいじるのに慣れている人にはわかりやすいカメラ操作になっていますし、たくさんのサウンドエフェクトも用意されていますよ。
――本作が影響を受けた作品はありますか?
Chris『Terragen』や『Vue』、『Bryce』といったとても昔のゲームから多大な影響を受けています。いくつかのゲームはもう遊ぶことができないので、本作がその代わりになっているように感じます。将来的にはもっとたくさんのオブジェクトを追加し、もっと多くの言語に対応させようと思っています。本作を作っているときは、可能な限りボタンに絵をつけ、英語がわからない人にも選びやすいようにしました。実際、非英語圏のユーザーがたくさんいますので、この試みは成功したように思います。
――本作の日本語対応予定はありますか?(UIが日本語に対応する前にご回答いただきました)
Chrisはい、ぜひ対応させたいとは思っています。幸い、本作ではほとんどテキストがなくアイコンなので、翻訳もとても簡単でしょう。
――最後に日本の読者にメッセージをお願いします。
Chris本作を購入してくれたすべての日本人の方にお礼を言わせてください。皆さんがTwitterに投稿した画像を見ましたが、とても驚かされました!
――ありがとうございました。
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