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現役プロでも優勝を逃すハイレベルな戦い―高校生eスポーツの祭典「STAGE:0」主催者が語るeスポーツの可能性

「STAGE:0」最終日、本大会の実行委員会よりテレビ東京 イベント局 専任局長の藤平晋太郎氏にお話を伺いました。

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8月5日~7日の3日間、国内最大規模となる高校生eスポーツ大会「Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2023(以下、STAGE:0)」全国大会がRED° TOKYO TOWERにて開催されました。

「STAGE:0」は、電通とテレビ東京が主催する高校対抗のeスポーツ大会。2019年にスタートし、今年で5回目を迎えました。競技種目は、『クラッシュ・ロワイヤル』『フォートナイト』『リーグ・オブ・レジェンド』『VALORANT』『オーバーウォッチ2』の5タイトルです。

過去最多となる7,031名がエントリーした中から、6月~7月にかけて行われたオンライン予選大会、ブロック代表決定選を勝ち抜いたチームが、全国大会で優勝を争いました。

高校生がチームを組み、切磋琢磨するという魅力

「STAGE:0」の最終日、本大会の実行委員会よりテレビ東京 イベント局 専任局長の藤平晋太郎氏にお話を伺いました。

ーー「STAGE:0」決勝大会の最終日を迎えましたが、盛り上がりはいかがですか?

藤平晋太郎氏(以下、藤平):本大会は今年で5年目を迎えましたが、エントリー数は過去最多の7,031名と、第1回目と比べて確実に盛り上がりが増しています。また、数字としての盛り上がり以外にも、たとえばゲームプレイのスピード感がこれまでより速くなっているなど、技術のレベルも上がっていると感じました。

5年前と比べ、高校生がeスポーツに取り組める環境が整ってきていることも大きいでしょう。特にN高のようにeスポーツに力を入れている高校はますますレベルが高くなっています。

その一方で、今回の『フォートナイト』部門では、既にプロとして活躍しており、「アジアNo.1」とも言われているZagou選手(ZETA DIVISION所属)を擁するN高の「チームZ」を抑え、北海道江別高等学校のチーム「来樹のお通りだ道を開けろ」が優勝しました。N高のような強豪校の存在が、全体のレベルを押し上げているということを感じます。

またトップレベルの選手であっても勝つのは容易ではないということを表していますし、大会全体の価値が高まるような事例だったと思います。

ーー現在、公立/私立あるいは全日制/定時制/通信制を問わず、部活動や同好会でeスポーツに取り組む高校が増えています。高校生がeスポーツに取り組むことについて、どのような教育的意義があるとお考えですか?

藤平:「教育的意義は何か?」「スポーツなのか?遊びなのか?」ということは、「STAGE:0」を立ち上げた時、さらに遡れば「eスポーツ」という言葉が生まれた時からずっとあるテーマですね。

eスポーツの教育的な効果については全世界で研究が進められていますが、私は研究者ではないので「STAGE:0」のオーガナイザーという立場で発言させていただきます。大会に参加する選手たちを見ていて「圧倒的な集中力」「俯瞰でものごとを把握する力」「大量の情報を瞬時に解析する力」が特に育まれていると感じています。

藤平:また、「STAGE:0」は立ち上げ当初からチームプレイを重要視しており、必ず「チーム対チーム」で対戦する競技を採用してきました。

「ゲーム障害」という言葉があり、ゲームに熱中するあまり一晩中ゲームを続けてしまったり、社会性を失ってしまったり、といったこともたびたび問題視されていますよね。しかし、チームを組んで仲間と共にeスポーツに取り組むためには必ずコミュニケーションが必要です。作戦を考えたり、一緒に喜んだり悲しんだり、あるいは時間をあわせて共に練習したり、会場まで一緒に向かったり……。そういったことを通じて、どんな場面においても必要であるコミュニケーション能力が鍛えられているんだろうと思っています。

ーー2019年にスタートした「STAGE:0」は、今では国内最大の高校生eスポーツ大会となりました。そもそも「STAGE:0」はどのような思いで創設されたのでしょうか?

藤平:テレビ局としてさまざまなスポーツを日々取り上げていますが、野球やサッカーのような文化としてすでに出来上がっている競技ではなく、まだ誰も取り上げていないスポーツを狙っていました。eスポーツには将来メジャーな競技へと成長する可能性を感じ、早くから取り組んでいきたいという思いで、電通さんと協力して研究をスタートしました。

色々とアイディアを出していく中で、日本においてスポーツが発展する原動力である高校生スポーツに注目したのです。サッカー、野球、ラグビーなど、高校生がスポーツに打ち込む姿は国民全体に支持されています。当時はそういった高校生大会がeスポーツには無かったことから、「STAGE:0」を立ち上げるに至りました。

ーー野球で言えば「夏の甲子園」で地元の高校を応援するように、高校生スポーツは地域に根差したコンテンツとしても楽しまれていますね。

藤平:そうですね。eスポーツですからオンライン対戦もできるのですが、そういった「地元を応援する」という文化を活かして盛り上げたいと考え、「STAGE:0」では地域ブロックごとに予選を行っています。

ーー「STAGE:0」のスポンサーには、トップスポンサーのコカ・コーラを始め、日本ガイシ、アサヒグループ食品の「一本満足バー」、サードウェーブのゲーミングPCブランド「GALLERIA」が名を連ねています。Z世代への有効なアプローチ手段として注目されるeスポーツ市場をどのようにご覧になっていますか?

藤平:まず、eスポーツという成長過程の分野を応援したいという思いで協賛していただいているというのは大きいと思います。

また、基本的にはZ世代をターゲットとした商品訴求をしたいスポンサー企業様が多いですが、今後さらに増えていくのではと感じているのは、リクルーティングとしての協賛です。

先ほどお話しした通り、選手たちがeスポーツを通してさまざまな能力を身に付けていくと期待される中で、そういった能力のある高校生の目に触れるところに企業名を露出し、人材採用に繋げたい。そう考えている企業は増えてきていますし、今後もますます増えていくと思います。

――ありがとうございました。


全国から猛者が集まり、激しく火花を散らした「STAGE:0」。高校生大会でありながら現役のプロ選手も参加して繰り広げられるハイレベルな戦いは、eスポーツならではの光景でしょう。藤平氏が述べたとおり、日本eスポーツ界発展の原動力として高校生eスポーツがますます盛り上がっていくことが確信できる大会でした。

《e-Sports Business.jp》
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