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今更聞けない!?「TGA」ってどんなイベントだっけ?世界で最も有名なゲーム賞を徹底解説

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今更聞けない!?「TGA」ってどんなイベントだっけ?世界で最も有名なゲーム賞を徹底解説
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インターネットを騒がせるゲーム用語、どれもこれも略語やスラングばかりでわかりませんよね。そこで今回は、年末になると現れる「TGA」というワードについて詳しく解説します。これを読めばあなたもゲーム業界通になれる、かも?

そもそも「The Game Awards」とは何か?

「TGA」とは「The Game Awardsザ・ゲーム・アワーズ」の略称で、毎年12月にアメリカで行われているビデオゲームの式典です。その模様はYouTube上で誰でも視聴することができ、世界中でサイマル配信もされています。

目玉は何と言っても、GOTYと略されている「Game of the Year」の発表です。去年の12月から今年の11月までの1年のあいだに発売されたビデオゲームの中から最も優れた1本を決めます。ビデオゲーム業界の専門家と一般枠の混合投票なので、11月中に公式サイトに行けば誰でも推しの1本を応援できますよ!(ちなみに2022年のGOTYは『ELDENRING』でした)

司会を務めるのはカナダのゲームジャーナリストであるジェフ・キーリー氏です。彼はGameSpotやKotakuでライターとして活動し、E3に初期から参画していました。世界でもトップクラスに有名なゲームライターと言えるので、筆者のような立場の人間からすると足を向けて寝られない存在ですね。

GOTYの発表だけでなく、来年以降に発売されるゲームの新発表もたくさんある上、豪華ゲストの出演や、生バンドによるゲームサウンドの演奏もあるので、是非とも最初から最後まで観て欲しいイベントとなっています!

他に有名な式典や賞(GOTY)はあるの?

老舗の賞であれば「Golden Joystick Awards」が挙げられるでしょう。こちらはイギリスで80年代から行われている式典です。最近はGOTYと言えばTGAで選出されたものを指すことが多いのですが、こちらも充分すぎるほどに権威があり、注目すべき賞となっています。ちなみに2022年はTGAと同じく『ELDENRING』でした。

ちなみに2021年には、商業ゲームが生まれてからちょうど50年ということで、Ultimate Game of All Time(今までに発売されたゲームで最も優れたタイトル)という部門が作られ『DARKSOULS』が選ばれました。スゴいぜフロムソフトウェア!

また、国内のゲーム賞で言うと『日本ゲーム大賞』が有名です。こちらは毎年東京ゲームショウの最中に発表され、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズを作った桜井政博さんなど著名なクリエイターが登壇し、その年の最も優れたコンシューマーゲームを讃えます。ちなみに2022年は『モンスターハンターライズ:サンブレイク』が受賞しました。

他にも、ゲーム開発者側の組織――GDC(Game Developers Conference)のメンバーが優れたゲームを選出する「Game Developers Choice Awards」も面白い試みですし、元々は権威ある映画の賞であった英国アカデミー賞(BAFTA)が近年ビデオゲーム部門を作り、ユニークなタイトルを選出しているのもチェックしておきたいです。

TGAをもう少し掘り下げ……部門賞にも注目!

GOTYは何もたった1本のゲームを表彰するわけではありません。部門賞をちょっと見てみましょう。

よく話題に挙がるのは、The Game Award for Best Narrative。最も優れたナラティブゲームはどれか、という賞です。「ナラティブ」。近年あらゆるところで語られるようになったワードですが、話者によって用途が揺れております。

そもそもナラティブというのは、文芸の世界で使われていた言葉で、ストーリーの対義語として機能してました。作者が一字一句記した結末のあるお話に対して、ナラティブというのは「語り」であり、個人が経験したあやふやで主観的なお話を指します。

ビデオゲームにおいては、ゲームをどう遊んだか自体が個々人で違うため、そもそもがナラティブな文化です。「私はどんなアイテムで、いつどんな風に戦ったか」といったようなことを友達などと語り合うことが、ナラティブであると考えてください。

ちなみに2022年のTGAでは『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』が受賞しましたが、「いや確かにスゴいゲームだけど、それはナラティブというよりストーリーでは?」と思ったりも……。

そのほか、ビデオゲームのIPから派生したアニメや映画作品を表彰するThe Game Award for Best Adaptationや、やたらと国産RPGがノミネートされまくるThe Game Award for Best Role Playing Gameも面白いです。

準備をしていても事件は起きる……近年のTGAで起きたトンデモ・アクシデント

2022年、TGAでは『ELDENRING』がGOTY受賞をし、開発会社のフロム・ソフトウェアから宮崎英高氏らが登壇してスピーチを行った際、謎の少年が乱入した事件がありました。

当時筆者はリアルタイムで観ていたのですが、妙に自然な感じで受賞者たちと一緒に上がってきたので、最初は関係者かと思いました。登壇している全員が当惑する表情を浮かべ始めたことと、日本語で感動と感謝の言葉を述べる宮崎さんたちに比べ、何の脈絡もない話を英語で喋り出したことから「あれ?もしかして部外者なんじゃ?」と思いました。

彼は突然「この賞をビル・クリントン元大統領に捧げます」と言い始めたことから、クリントンボーイなどと呼ばれているそうです。

また同じジェフ・キーリーが司会を務めた「gamescon 2023」のオープニングナイトライブでも、「GTA」を連呼する謎の男性が壇上にあがってきて、警備員に取り押さえられるという事件がありました。このようなリアルタイムイベントですべてのアクシデントを防ぐのは不可能かもしれませんが、もっと恐ろしい事態になっていたかもしれないと思うと、しっかりした警備をお願いしたいですね……。

一方、ちょっと笑える珍事も同じく2022年のTGAで起こりました。ベストパフォーマンス賞を受賞した『ゴッド・オブ・ウォー:ラグナロク』のクレイトス役であるクリストファー・ジャッジ氏の受賞スピーチが長すぎると話題になりました。

なんとたっぷり7分59秒。なげえ、長すぎるぜ、クレイトス。パパになって説教癖が付いたのかな?

こちらもリアルタイムで観ていましたが、スピーチの直前に登場した俳優のアル・パチーノがずっと脇で彼のスピーチを見守っており、マフィア映画のドンをここまで待たせるとは、さすが神々を屠った漢だなと感心していました。なお、この出来事のあと、TGAでのスピーチは45秒以内に制限されたそうです。


以上、TGAについて解説しました。TGAについて理解が深まったのであれば幸いです。まだ10年にも満たないアワードですが、その存在感とゲーム業界への影響力は目覚ましいものがあります。今年もどんな発表があるかとても楽しみですね!

他にもゲーム業界のスラングや用語について知りたいことがあったら、コメント欄でこっそり教えてください!

《各務都心》

各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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