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『The Division』開発チームにとってのRPGとは?海外サイトインタビューで力説

開発スタジオMassive Entertainmentが手がける『Tom Clancy's The Division』。当初2013年のE3で発表が行われ、2015年の発売予定とされている本作について、シニアブランドアートディレクターのRodrigo Cortes氏が語っています。

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開発スタジオMassive Entertainmentが手がける『Tom Clancy's The Division』。当初2013年のE3で発表が行われ、2015年の発売予定とされている本作について、シニアブランドアートディレクターのRodrigo Cortes氏が語っています。


海外サイトVG247のインタビューで同氏は、本作が純粋なMMORPGである点を強調。これまではRPGの「要素」を持つ作品は多いなか、『The Division』は開発当初よりMMORPG作品を製作することを目的としており、そこからの変更はないとのこと。「これまではシューター、サードパーソンアクション、レーシングなどジャンルが固定していた。しかし昨今の大きな作品は様々なジャンルが複合されてきており、その作品のジャンルを明確にすることが難しくなってきている」と語るCortes氏。「この作品にも多くの要素が含まれている。しかしながら、この作品は正当なMMORPGだ」と主張しています。

RPGと言えばファンタジーやSFなど、現実ではフィクションな世界観がベースとなる作品といった常識が国内外にあるなか、今作は舞台が現代に近いものに。また近代的な世界観でありがちな冷戦時代を舞台にしたスリラーや近未来的アイテムを駆使したスパイ作品などもありますが、その分類にも入りません。

「RPG作品を作る」という点については開発当初より不安があったとのこと。しかしながら開発が進められて数年経つなかで、その不安が徐々に強みになってきました。Cortes氏は「これまで誰も作ったことがなかった、素晴らしい作品ができる」と自信を覗かせています。


『The Division』の世界は、ウイルスにより荒廃したアメリカが舞台。プレイヤーはウイルスを撒いた敵や国家を相手取り、サバイバルを繰り広げることになります。このような舞台が設けられていながら、ある種空想的な発想を持たずに作品作りが進められている点は、本作品のタイトルに付く「Tom Clancy」の名が常に意識されているからこそ。トム・クランシーはフィクション作品を多く執筆していながらも、常にリアリティを持たせる作品を書いており、今作ではその精神を常に指針としています。

「トム・クランシーの存在が常に我々を正気にしてくれていた」とCortes氏は説明。「ゲーム内のスキル、敵、メカニズムなどのデザインでは、その名がコンパスかのごとく導いてくれた。背景としてはウイルスなどによる社会の崩壊がコンセプトとなるが、そこでテロリズムや戦争を描いていない。それよりも、電気が供給されなくなることにより社会が崩壊する、などといった現実味のある恐怖を描いた作品こそがトム・クランシー作品である」と、開発陣のなかにあるトム・クランシー作品像を合致させ、リアリティを追求したRPG作品を生もうとしています。


『The Division』はキャラクターにおいてもリアリティに着目。トム・クランシー作品の多くは軍人が活躍するものが多い中、本作では本来一般市民であったキャラクターが主軸に。登場人物は「ただこの世界の事態を予想し、テクノロジーや技術をトレーニングした一般人」となっており、決して過酷な訓練を乗り越えた特殊部隊の人間や、特殊なパワーを持ったスーパーヒーローなどではないとのこと。性別や人種などはプレイヤーが選択できます。しかしCortes氏曰く「彼らは、我々が持つ同じような悩みを抱えながら生きているごく一般的な人間であり、唯一違う点は彼らが特殊な環境に身を置くことになったことだけである」と、現代の人間がウイルスが蔓延し、国家が崩壊した舞台に置かれたら、といったドキュメンタリーにもなり得るストーリーを体験できるのかもしれません。

なお本作のシステム面においてもトム・クランシーの世界観が反映されており、常時オンライン接続が必要となる本作でも、マルチプレイにおいて一緒にプレイできる人数は最大4人まで。これは技術的な問題ではなく、ストーリーを楽しむにあたって限界となる人数が4人であると説明。「多くの人が同時にプレイすることで、変な名前をした変なやつが、感動的なゲーム体験中に目の前で踊られては困るからね」と、不特定多数の煩雑なマルチプレイにならないよう、開発の初期段階でこの人数制限を決めていたことも明らかにしています。

また常時オンラインが必要となりながらも、決して1人ではクリアできないといったわけではなく、ソロプレイでも充分作品を楽しめるとのこと。ソーシャルエリアでは他のプレイヤーを見ることはあれど、絶対に誰かと進めなくてはいけない、といったことはないことも解説しています。


海外産タイトルとしては珍しい「RPG作品」として形容されている本作。開発スタジオMassive Entertainmentにおいても、過去の作品とは比較されることがない、新たなジャンルの開拓といった意気込みで完成へ向けて邁進していますが、先月リリースされた『Destiny』などとは一線を画す作品となり、RPGの名の通り、役を演じているかのように錯覚できるものを生み出してくれることを期待したいところです。
《ハンゾウ@編集部》

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