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メイド喫茶アドベンチャー『電気街の喫茶店』プレイレポ!もうひとつのオタクの街・日本橋のきらめきに、もうすぐ出会える【TIGS2024】

いよいよ今年リリースを控えた、大阪・日本橋を舞台としたメイド喫茶アドベンチャー。

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メイドカフェ運営アドベンチャー『電気街の喫茶店』は、ジャンル通りヒロインたちと喫茶を運営するゲームデザインはもちろん、舞台に選ばれた街そのものが新鮮な一作でもあります。アニメや漫画、ゲームの街として大阪・日本橋を舞台にフィーチャーし、端正なピクセルアートで描いていることで、筆者は長らく注目していました。

筆者は2022年のBitSummitで初めて本作を知り、ゲームでなかなか登場することのない日本橋を歩いてみて、「日本のサブカルチャー全体に対する、なにか憧れやきらめきのような感情が強く反映されている」と強く思ったものでした。

そのきらめきとは、もしかしたら他の国の方だからこそ見えているのかもしれません。本作のデベロッパー「冒険者酒館」の代表を務める劉博文氏は、横浜で11歳まで育った中国人です。

過去にはMr.Katoh氏がGame*Sparkで劉氏への詳しいインタビューも行っており、「ホームステイ先がお爺ちゃんとお婆ちゃんの住んでいる大阪だった」ことや、「レトロ感があるクラシカルなメイド喫茶が大好き」ということを明らかにしています。そんな彼の少年時代や日本への思いが『電気街の喫茶店』をぴかぴかと光らせているのは間違いないでしょう。

そんな『電気街の喫茶店』も今年2024年の完成を控え、先日、吉祥寺で行われた『TOKYO INDIE GAMES SUMMIT 2024』に出展していました。筆者は本作を2年ぶりにプレイするかたちだったのですが、新しいバージョンは煌めきが増し、そして日本橋という街が持つ懐かしささえも描写していることに感動したのでした。

仲間になったヒロインたちと、メイド喫茶の役割分担をやっていこう

主人公はブラック企業を退職し、日本橋を歩いているとシロという女の子と偶然出会います。彼女と話をするうちに、気が付けば主人公は潰れかけのメイド喫茶「ふわふわ」の店長を務めることに。メンバーが足りないなかで、だんだんと新しい仲間となる女の子たちに出会う……というのが、本作の大まかなあらすじと言っていいでしょうか。

今回のデモでは、2年前のBitSummitでは体験できなかったカフェ運営の模様もプレイできるようになっておりました。

まずストーリーの中で出会った女の子のサービスキルや料理スキルを見て、厨房か接客かに役割を振り分け、営業を開始します。ところでメインヒロインのシロのステータスを見ると、サービススキルが高いのに料理スキルがやけに低く、よくある料理が下手な明るいヒロインということがわかります。このあたりも日本シンパな劉氏のこだわりな気もします。

接客中は次々とお客さんがお店に来て、どんどん注文をしてきます。主に接客と配膳はメイドが自動で行っていきますが、プレイヤーがそれを手伝うことも。

潰れかけのお店ながら、いきなりたくさんお客さんが来てくれるのはうれしいんですけど、人数が足りないがゆえに店長が自ら汗をかくという。まあ小さいお店ではしばしば見かけるものでしょう。その辺の苦労も体験できるのはなかなかそれらしい。

一方、「でもお客さんがお店で見たいのはメイドだよな」と考えると、元ブラック企業の(おそらく)暗い顔で注文を取りに来る男はお呼びじゃないんじゃないか? メイドカフェとかフーターズとか女の子が魅力なわけでしょ? よれよれのおっさんが注文を取りに来たらぶち殺すぞって思われない

ちょっと不安がありましたけど、まあ特にクレームもなかったので大丈夫なんでしょう。いや逆に、そもそもうちのお店がまだメイド喫茶と思われていない可能性もありますけど。ここ、古民家だし。

いろんな不安が脳裏をよぎる中で、カウンター席のほうに他とは違うお客さんも。劉氏によればこれは「特別客」とのことで、メインストーリーに関わるお客さんなのです。

特別客に対しては、主人公が自ら飲み物を準備する場面に。お客様の雰囲気や会話から、相手が好みそうな飲み物を提供するパートになります。コーヒーや紅茶に、ミルクや砂糖、それからジュースなど、どれをブレンドしたものにするかはプレイヤーの自由。それが相手のお口に合えば、心を開いた会話をしてくれたりもします。

ゲームの完成に向けて、さらに洗練される日本橋

忙しく接客したり、大事なお客さん相手に頭を悩ませてコーヒーを作ったりと大変な業務を楽にするために、主人公はまだまだ新しいメイドを仲間に引き入れようと日本橋を歩き回ったりします。

それにしても、なにか以前よりもグッと街の姿が鮮やかに見えるような……。これは現実の店舗が正式に採用されていることが大きいように思います。アニメやゲームを扱う店舗として、ソフマップ駿河屋などがそのままの名前で登場しています。それだけではなく、お店の中の再現度も高く、より日本橋に入り込ませるというか。

懐かしのゲームを探すのにもよく訪れる駿河屋が公式に登場!
駿河屋の店内も、あの雰囲気が細かく描かれている。

先述の劉氏のインタビューでもある程度は明らかにされていますが、改めて実際のお店を登場させることができた理由について、劉氏はこう答えてくれました。

「これはPLAYISMさんがパブリッシャーについてくれたことが大きいですね。そのおかげで、有名なお店をゲームに出すことができるようになったんです」

インディーゲームにパブリッシャーがつくということは、宣伝やローカライズ、その他にさまざまな雑務を担当してもらえることが利点だと言われています。しかし、「パブリッシャーの力で現実のお店を街に登場させることができましたよー」なんていうのは、日本橋を舞台とする『電気街の喫茶店』でしかない利点でしょう。

日本橋の「麻辣湯専門店 Mugen」とも正式にコラボ。ストーリー中にヒロインたちと食べに行くことも。
サブカルチャー専門の古本屋さん「兎月屋書店」も登場

この実店舗とのコラボはさらに進んでいるのも確認できました。今回のデモでは日本橋で個人店などが多く、よりレトロな雰囲気を持つ通りも実装されており、よりこの街の空気を楽しめるものになっていました。この通りを歩いていると、劉氏がひとこと説明してくれます。

「日本橋のこうした個人のお店も、許可を取って実名で描いています。もちろんお店の中も描いていますよ」

なんと有名なチェーン店だけではなく、日本橋の小さなお店とまでコラボしていたのです。「街がグッと鮮やかに」感じたのもそのはずです。日本橋のディテールをさらに細かく描くだけではなく、現実の店舗を描けるようになったのですから。

ソフマップのあの空気感もある

これまではセガの『龍が如く』シリーズなど、やはり実店舗を含めた街を再現するには大企業じゃないと難しいのかな、と思っていた中、『電気街の喫茶店』はインディーゲームでもパブリッシャーが協力することで精微な街を描くことができる前例にもなったのではないでしょうか。特にPLAYISMが日本のパブリッシング・ブランドだったからこそ、国内の店舗とのコラボを円滑に進めることができたんだろうなと思います。

いずれにせよ『電気街の喫茶店』は軽いコメディ交じりのメイド喫茶ものに見えながら、意外にも今後のインディーゲームのマイルストーンになりえる部分もある一作として、どんどん洗練されています。本作は2024年、PCでのリリースを予定しています。大阪・日本橋に広がる、アニメや漫画のお店に囲まれたメイド喫茶の物語に出会うのはもうすぐでしょう。

《葛西 祝》

ジャンル複合ライティング 葛西 祝

ビデオゲームを中核に、映画やアニメーション、現代美術や格闘技などなどを横断したテキストをさまざまなメディアで企画・執筆。Game*SparkやInsideでは、シリアスなインタビューからIQを捨てたようなバカ企画まで横断した記事を制作している。

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