メイド喫茶経営ADV『電気街の喫茶店』開発者インタビュー!数多の困難を乗り越えられたのは、メイドへの、日本橋への、そして何よりも開発チームの「愛」のおかげだった【TGS2023】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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メイド喫茶経営ADV『電気街の喫茶店』開発者インタビュー!数多の困難を乗り越えられたのは、メイドへの、日本橋への、そして何よりも開発チームの「愛」のおかげだった【TGS2023】

大阪・日本橋を舞台に数々の実在店舗も登場。そのこだわりには無数の「愛」がありました!

連載・特集 インタビュー
メイド喫茶経営ADV『電気街の喫茶店』開発者インタビュー!数多の困難を乗り越えられたのは、メイドへの、日本橋への、そして何よりも開発チームの「愛」のおかげだった【TGS2023】
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PLAYISMは、Adventurer's Tavern(冒険者酒館)の手がけるメイド喫茶経営アドベンチャー『電気街の喫茶店』を、PC向けに2024年にリリース予定です。

本作の舞台は大阪のオタク街・日本橋。主人公はブラック企業を辞めたばかりで衣食住を失い、潰れかけのメイド喫茶「ふわふわ喫茶店」に流れ着くように入っていきます。そこで“シロ”というメイドと出会い、ひょんなことからメイド喫茶の店長代理として経営を任されることになる……というのが、本作の物語です。

ゲーム内には「駿河屋」「ソフマップ」「ドラゴンスター」「スーパーポテト」「カラオケレインボー」など、現地に実在する店舗が多数登場。シロを始めとする4人のメインヒロイン(メイド)とデートや買い物で訪れることもできます。また、グッズガチャなどのコレクション要素も用意されています。

Game*Sparkでは、本作のプロデューサー・劉博文氏へのインタビューを実施。ゲームの魅力や日本橋への愛など、さまざまなお話を聞かせていただきました。TGS2023で試遊レポートをお届けしている【吉田輝和のTGS絵日記】もあわせてご覧ください!



『電気街の喫茶店』開発スタッフインタビュー

――最初に自己紹介をお願いします。

劉博文氏(以下、劉)電気街の喫茶店』のプロデューサー、冒険者酒館の劉博文です。よろしくお願いします。

開発チームの冒険者酒館は東京と上海でゲームを開発しているんですが、上海ではレトロゲームバーも運営しているんです。昼間はゲーム開発の現場として、夜間はスペースを利用してバーを経営しています。

――本作の舞台は大阪・日本橋ということですが、この場所をモデルにした理由を教えてください。

理由はとても簡単で、一文字で言いますと「愛」です。

僕は横浜出身の中国人で、11歳まで日本で生活していたんです。僕の両親が中国政府公式の日本への留学生で、ホームステイ先がお爺ちゃんとお婆ちゃんの住んでいる大阪だったんですね。小さい頃から祖父母に会うために大阪へ行っていたので、昔からすごく好きな街でした。

あと、新型コロナウイルス流行前には一ヶ月に一度くらい日本橋に取材に訪れて、電気街ライフを満喫していましたね(笑)。日本橋はでんでんタウンやオタロードなど色々な場所がありますし、とても面白いですよ。

――様々な企業とタイアップしたことで、世界観にどのようなリアリティを与えることができたでしょうか。

本作ではPLAYISMさんのおかげで、大阪・日本橋に実在する企業とのタイアップが実現できました。どれも私がよくお世話になっているお店ばかりです。ゲーム内では、電気街の街並みで見たことがある看板があったり、日本橋に実在するお店に入れることで「大阪・日本橋がゲームの舞台になっている!」ということがプレイヤーに分かりやすく伝わるのではないかと思いますね。

――これまでに、デートや買い物などの要素が紹介されていましたね。買ったものを飾るなど、プレイヤー好みに店を改装できたりするのでしょうか?

そうですね。お店で買ったオタクグッズなどは自分の部屋に飾れるようになっています。ちょこっとお店をデコレーションできるようにもしたいので、現在は頑張ってその機能を開発している最中です。

――試遊してキャラクターの表情の変化や動きなど、ドット絵への素晴らしいこだわりを感じました。グラフィック面でのこだわりについて教えてください。

グラフィック面に関してですが、僕を含めて開発全体のこだわりが非常に強い部分があると思います。キャラクターに関しては、ドット絵で可愛いキャラクターをできる限り表現したいということで、何度も試行錯誤して作り直していました。

特に主人公やヒロインたちのアバターのモデルに関しては、つい最近グラフィック素材をも作り直して、ストラクチャーをアップグレードしました。その結果ゲーム内に着替えシステムを実現できたんです!

――(ヒロイン)シロの登場シーンで顔を赤らめたり、笑ったりしてるだけでも多くの表情差分があるのに驚きました。

表情には色々な差分があるんですが、ユーザーの皆さんに向けてできる限り“最高の可愛さ”を表現できるようにしたいと思っています!

――街の背景なども、驚くほど描写が豊かですよね。

ありがとうございます。まだ開発途中なんですが、実はまだエリアが増えていく予定です。こちらも期待していただければいいなと思っています。

グラフィック表現に関してもうひとつお話しますと、プロジェクト当初は素材を切り替える形で「光の変化」や「昼夜の差」を表現していました。今はUnityの2Dライティングシステムと、弊社で開発した独自のライティングコントールシステムを併用しています。

その結果として、より効率的かつ繊細に光の変化や昼夜をコントールできて、ゲーム内でかなり良い雰囲気を作り出せています。完成版ではゲーム内で雨が降ることがあるのですが、店内の窓からでも雨が見えるようになるなど、更に表現の幅は拡がっていきます。

――試遊した際、シロが登場するときの滑らかで柔らかい動きが本当にすごい出来で、印象に残りました。

「ふわふわ喫茶店」の店内はもともと2Dだったんですが、プランナーと話し合って3D表現に変更したのです。話し合っていく中で多少はぶつかることもあったのですが、お互いが腹を割って対話し続けることで、どんどん良いものに仕上がっていきました。この開発体制があったからこそ『電気街の喫茶店』は良い作品になってきているのだと思います。

――昨年のBitSummit出展から今年2月のTwitterでのシナリオライター募集、そしてPLAYISMによるパブリッシングと、本作はさまざまな開発での苦労があったと思います。開発段階で特に苦労したエピソードがあれば、お聞かせください。

電気街の喫茶店』の開発自体はすごく楽しいのですが、開発の過程においてさまざまな困難に遭遇しました。経営の資金繰りが一番厳しかったときは私個人の家を売却して、その資金で『電気街の喫茶店』の開発を続けていました。

――なるほど。

あとは、コロナ禍ですね。当時、上海で異例のロックダウンにより想像を絶する苦労をしました。開発メンバー全員が初めての在宅ワークになり、慣れない環境下で必死に頑張って開発を続けてきました。

しかし、コロナの影響が異常なほど長引いて、経済全体も、会社経営もまったく見通しの見えない状況になってしまいました。開発を諦めようと思ったこともあります。でも、そういったときにスタッフ達が「何があっても最後まで劉さんとゲームを完成させるよ!」と言ってくれたのが、『電気街の喫茶店』開発への最大の励みとなったんです。

それから様々な困難を乗り越えて、何とか日本へたどり着くことができて、BitSummitに出展できて、その後PLAYISMさんとパブリッシャー契約を締結することができたんです。本当に色々な出来事や支えもあって、本作の最終的な完成へさらに一歩近づけたのだと思います。

――本当に大変な苦労をして、それを劉さんや開発スタッフ皆さんのさまざまな「愛」で乗り越えてきたのですね。

色々な苦労があったからこそ、今の形の作品ができたんだと思います。そういった意味では感謝していますし、これはまさしく「愛」なんだと思います。

コロナ禍のロックダウンで困ったこととして、開発用のサーバーのある会社に誰も行けないというトラブルがあったんですよ。なので、解除後はすぐさまクラウドに切り替えたりもしました(笑)。

――ちなみに開発の皆さんはメイド喫茶が好きなのでしょうか?

はい、もちろん大好きです!開発メンバーはみんなメイド喫茶が大好きですが、私は特にレトロ感があるクラシカルなメイド喫茶が大好きです。なので、ゲーム内の舞台である「ふわふわ喫茶店」も“純喫茶”な雰囲気があるレトロなメイド喫茶になっています。

――ちなみに、上海にもメイド喫茶はあるんですか?

そうですね、上海にも似たようなお店はあります。でも、なるべく日本にしかないものを取材したいので、上海のメイド喫茶にはあまり行くことはないですね。

――『電気街の喫茶店』を開発しているチームの体制はどれくらいの規模なんでしょうか?

全員で6人という少人数でやっています。もちろんみんなメイド喫茶大好きです(笑)

――メインキャラクター4人だと、どのキャラクターが一番推しでしょうか?

もちろん4人全員推しですが、僕個人としてはシロがナンバーワンですね。

でも、ファフナも是非ともオススメしたいです。ファフナに関するシナリオは何度も作り直していて、自慢できるようなクオリティに仕上がっています。初期設定やお店への加入など、色々な部分を考え抜いてストーリーを作り上げました。ぜひ楽しんで欲しいですね。

――関西弁キャラが好きなところもあり、個人的にはほのかにすごく惹かれています!

ほのかもすごくいいですよ!初期段階で2人メイドがいて、それからほのかたちが加入するようなシナリオなんですが、そこのストーリーや過程も面白いですよ。

これまで試遊いただいた方からも「関西弁のキャラも出てこないのかな?」など聞かれることがあるんですが、そこで「実はいるんですよ!」と答えると、とても喜んでもらえるんですよね。それがすごく嬉しかったです。

――ガチャなどの遊び要素も非常に多いですね。こういったアイデアは開発メンバーで出しあっているのでしょうか?

僕自身、開発中は結構な欲張りで、開発メンバーに「これ作りたい!」と意見を出すことが多いです。開発メンバーの意見もあるので、よく喧嘩もしていましたが、最終的には僕のわがままも聞いてくれますし、ゲーム内に上手に組み込まれていると思います。

――喫茶店経営でのコーヒーづくりはミニゲーム形式ですが、プレイを進めていくとレシピが増えたりするのでしょうか?

コーヒー部分はあくまでミニゲーム要素なのですが、やっぱり面白いものにしたかったんです。ゲーム内の本屋でレシピ本を購入することで、作れるコーヒーの種類は増えていきます。そこまで多くは増えないんですが、バリエーションは豊かになると思います。

――経営シミュレーションとしての要素はどれくらいでしょうか?

「メイド喫茶スローライフアドベンチャー」ということもあり、そこまで経営パートに重きは置いてませんね。スローライフを楽しんで、女の子と一緒に過ごす日常を楽しんで欲しいという思いがあります。でも、喫茶経営でお金を稼ぐことで、好きな買い物やグッズ集めなども楽しめるようにもなっていますよ。

――話は変わりますが、劉さんが今日着ているTシャツがすごく素敵です!アクリルリスタンドなども用意されていますし、グッズ制作もお好きなんですか?

そうですね!僕自身グッズを作るのが大好きですし、配布するなどして、色々なイベントに参加してくれるユーザーの人たちに少しでも恩返しできればいいなと思っています。

今回の「TGS2023」では、試遊した方に向けて「メインヒロインのブロマイド写真」と「ふわふわ喫茶店のポイントカード」がプレゼントされていました

――グッズ展開やコラボカフェなんかもできたら面白そうですよね!

そこはもちろんPLAYISMさんとも協力しなければなりませんが、色々とやれたら嬉しいですね。ゲーム内に出てくるグッズの再現や、キャラクターのフィギュア化なんかも出来たら本当に嬉しいと思います。

――大阪・日本橋で劉さんがオススメしたいスポットがあったら教えてください!

僕はレトロゲームのコレクターでもあるんですが「駿河屋」さん、「スーパーポテト」さん、「ゲーム探偵団」さんにはよくお世話になっていますね。

他にも「兎月屋書店」さんなどの書店や、美味しいマーラータンを提供してくれる「無限麻辣湯」さん、ラーメン屋の「くそオヤジ最後のひとふり」さんなんかは非常にお気に入りで、PLAYISMさんの協力のお陰でゲーム内への登場を実現させています。

特に「くそオヤジ最後のひとふり」さんは実際の看板をそのまま使用させていただける許可ももらっていて、とてもお世話になりました。

※PLAYISM担当者によると、TGS2023期間中も『電気街の喫茶店』タイアップ登場を自ら申し出る企業があったようです。

――最後に、本作のリリースを楽しみにしている読者の方へコメントをお願いします!

一日も早く皆様に完成版をお届けするため、昼夜を通して頑張っている最中です。引き続き『電気街の喫茶店』にご期待ください!


メイド喫茶への「愛」、開発スタッフ同士の「愛」、そしてなにより『電気街の喫茶店』という作品への「愛」など、劉さんからさまざまな「愛」を感じられるインタビューでした。

試遊でも美しいグラフィックや導入部などで十分な魅力を感じられましたが、今後の完成が本当に楽しみな一作です!

『電気街の喫茶店』はPC向けに2024年リリース予定です。


《Mr.Katoh》

酒と雑学をこよなく愛するゲーマー Mr.Katoh

サイドクエストに手を染めて本編がなかなか進まない系。ゲーマー幼少時から親の蔵書の影響でオカルト・都市伝説系に強い興味を持つほか、大学で民俗学を学ぶ。ライター活動以前にはリカーショップ店長経験があり、酒にも詳しい。好きなゲームジャンルはサバイバル、経営シミュレーション、育成シミュレーション、野球ゲームなど。日々のニュース記事だけでなく、ゲームのレビューや趣味や経歴を活かした特集記事なども掲載中。

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