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Game*Sparkレビュー:『Ruffy and the Riverside』テクスチャ張り替えで池をマグマに、滝をツタに!不思議な“フリップ”が面白い3Dアクション

ラフィーはRIVERSIDE……集めるRIVERSIDE……

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Game*Sparkレビュー:『Ruffy and the Riverside』テクスチャ張り替えで池をマグマに、滝をツタに!不思議な“フリップ”が面白い3Dアクション
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『Ruffy and the Riverside』をクリアしました。

本作はラフィーという生物が主人公の3Dプラットフォーマーです。往年の名作をオマージュしたオーソドックスな体験ながら、物のテクスチャを塗り替える「フリップ」という特殊な遊びが面白い良作でした。

なお、レビューにあたり、Phiphen Gamesよりキーを提供いただきました。

世界を塗り替えて、世界を救え――秀逸なプラットフォーマーに乗っかる“フリップ”体験

本作は、リバーサイドという世界が舞台。かつてこの世界に君臨した邪悪な存在・グロールが復活し「世界のコア」を破壊して、再び混沌をもたらそうとしています。

主人公の「ラフィー」は“フリップ”という魔法の力を持っており、聖なる文字「R・I・V・E・R・S・I・D・E」を元に戻してグロールを打倒する使命を帯びました。相棒のお喋りなハチ「ピップ」とともにリバーサイドを混沌から守り抜きましょう。

本作は『バンジョーとカズーイの大冒険』シリーズなどに代表されるオーソドックスな3Dプラットフォーマーです。ラフィーたちが住むハブエリアから独立した別のエリアへと移動して、各地に散らばったパズルを解き、収集物を集めたり、新たなエリアを解放したりするのが主な遊びです。30代の筆者としては童心に帰った気持ちでプレイすることができました。

とはいえ、それだけでは秀逸なパロディ作品の枠を抜け出せませんが、本作を唯一無二なものにしているのが“フリップ”です。

フリップは(Xboxコントローラー基準で)LBボタンを押すことでテクスチャを吸収し、LTボタンで別の場所に放出することができます。

たとえば、上記の画像のように、滝にツタのテクスチャを貼ることで登っていくことができるようになったり、池にマグマのテクスチャを貼ることで、泳いでいるサメを倒すことができたりします。

本作の謎解きはほぼすべてこの要素を必要としており、テクスチャをどこから持ってくるか、どういう風に貼り付けるかがキーになっています。周囲と色を合わせてみたり、数字や矢印のテクスチャを入れ替えてみたり、あるいは大胆に大海原を砂や泥で一気に塗り替えてしまったりと、様々なことができます。

反面、ゲーム上で想定されていない上書きはできず「え、これは貼れないの?」ということも度々起きました。特に法則性もわからず、モヤモヤする場面は何度かありました。

要は『バンジョーとカズーイの大冒険』的な3Dプラットフォーマーのアクション性や単純さと、発想力が求められる奥深いパズルゲームのあいだくらいをとっているデザインです。とはいえメインストーリー上で求められるミニゲームやパズルの難易度は抑え目であり、ヒントも表示されるので、クリアするだけなら間口は広い作品だと感じました。

独特なセンスとディープな謎解きにどんどんハマっていく

本作は見ての通り、独特なアートスタイルで描かれています。『マリオストーリー』『ペーパーマリオRPG』的な、キャラクターだけ平面のペラペラした紙っぽい質感で描かれていますが、それをフィーチャーした謎解きやストーリー展開はなく、あくまでアート上のこだわりに過ぎません(特に問題もありませんし、これはこれで可愛いですが)。

また、音楽もちょっと独特で、基本的にはステージに沿ったのどかなBGMが流れますが、俵に乗ったり(そう、このゲームの移動手段はなんです!)謎を解いたりすると、メインテーマが流れます。そのメインテーマもなんともクセになるメロディーで、太めの声で「ウ~♪」とコーラスから入り、スチャラカなサウンドが流れるというちょっと口では説明できないほど味のある一曲です。

(この曲のノンボーカルverがいたるところで流れます)

『ゼルダ』シリーズならもっと勇ましくて清々しいサウンドが流れるのに、なぜこのチョイス!?と思いました。いや、耳には残りますが……。

キャラクターやテキストのセンスも魅力的です。ラフィーを導いてくれるモグラの「エドラー卿」は、人格者ではありますが、すぐ宝石に眼が眩み、崖の上でも土を掘り始めてしまう難儀な性格をしています(そのせいで崖が崩落し、のっけから大ピンチに襲われます)。

常にラフィーとともに行動してくれる相棒の「ピップ」も、小うるさいやつですがそこまで捻くれた性格をしているわけでもなく、ふたりがお互いを信じ切っているのもとても見ていて気持ちが良いです。

ギャグがクドくない代わりにストーリーはベタですが、大きな穴があるわけではありませんでした。テキストを読むのがしんどくてゲームを辞めるようなことにはならないでしょう。

本作の日本語ローカライズは『クラッシュ・バンディクー』などに関わった鶴見六百氏が行っており、その品質はバッチリです。一番きれいなお墓を決めるコンテストの名前が「オハカーバーフェスト」……たまらないセンスですね。

何はともあれ、本作の魅力は謎解きやパズルに終始しているかと思います。

背景の色合いから法則を見出したり、はるか遠くから特定のテクスチャを頑張って引っ張ってきたり、物の重さを変えてみたりと、発想力が求められる瞬間が多々あります。

ミニゲームの難易度にバラつきがあったり(トガリ山トライアルが特に大変です……!)解けた後でも納得感のないパズルもあったりはしますが、全体としてこのテクスチャを塗り替えるという体験は成功しており、パズルゲーマーでも充分に満足できる仕上がりになっています。

筆者は一応隅々まで観て回ってからメインストーリーをクリアしましたが、パズルや収集物がいくつか残りました。往年の3Dプラットフォーマーだと思って取り掛かるとだいぶ歯応えがあって面喰らいますが、そこそこのサイズ感のフィールドにみっちりとパズルが詰まっているゲームが大好きな人には、深く刺さる作品なのではないでしょうか。

Game*Spark レビュー 『Ruffy and the Riverside』 PC(Steam)/PS5/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch 2025年6月27日

往年のプラットフォーマー+テクスチャを塗り替える新鮮な“フリップ”体験

GOOD

  • テンポ良く楽しめるアクションとパズル
  • クドすぎないキャラクターと耳に残るサウンド
  • やり込めば見えてくる奥深い謎解きの数々

BAD

  • 難易度にバラつきがあるミニゲーム
  • 後半に集中する単調なボス戦
  • 上書きできるテクスチャのルールが不明



ライター:各務都心,編集:みお

ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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編集/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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