一般解禁されたXbox Oneでの体験版は、東京ゲームショウ 2014でメディア向けに公開されたものとほぼ同じ内容。主人公Arnoの初任務となるシングルプレイでの暗殺ミッションです。異なる点は、国内向けに日本語吹き替えやインターフェイスのローカライズが施されていること。ブラックボックスやモードミッションといった自由暗殺の流れに関しては前回の記事でお伝えしたので、今回は主にフリーランと戦闘に焦点を当てます。
本作では過去作同様、あらゆる建造物をフリーランで自由に登ることができるほか、好きな場所から降りることが可能になりました。インタラクトできる箇所も大幅に増加した印象で、登れない壁は存在しないといっても過言ではありません。さらに、宙にかかる細い縄や壁から突き出た旗の軸など、どんな細かいオブジェクトでも足場にすることができるため、広大なオープンワールドを風のように駆け抜けられます。
フランス革命期のパリを縦横無尽に堪能していた筆者ですが、風になりすぎて迷子に。挙句、足を踏み外して着地した先にはモードミッションのターゲットである暗殺対象の部下とその取り巻きが秘密の会議中。そこへ空からアサシンが降ってきたらさすがに見逃してはくれません。不審に思いにじり寄ってくる武装兵たちはすでに臨戦態勢。一触即発の空気の中、ならば上等とパーティータイムの始まりです。
暗殺プロセスが完全にユーザーの手に委ねられる本作のテーマは「自分らしく殺す」こと。多数の侵入経路や攻略手法が秘められたオープンワールドを自由な発想で立ち回ればいいのです。隠密行動が苦手な筆者は衛兵と目があったら即抜刀。パリの街をドヤ顔で闊歩する兵士たちを白昼堂々片っ端から斬り捨てました。逃げも隠れもしません。目指すは百人斬り。花の都パリは死屍累々たるありさまです。
シリーズを通してステルスキル同等に爽快な戦闘要素の1つがカウンターアタック。相手の剣を飛び散る火花と共に受け流してからの追加アクションは恍惚の境地そのものです。素早い蹴りを加えて次の動作へ移ることができるほか、隙あらばそのまま大振りの一閃。パリィ後の反撃には多様な動作が用意されており、多勢を相手にした大立ち回りには自然とリズムが生まれます。
生まれ変わったアサシンブレードも特筆すべき要素の1つ。新登場、ファントムブレードはこれまで通り魔のごとく刺突に使用してきたアサシンブレードを高速で発射するという優れもの。静音性が高く、遠距離から群集に紛れての隠密殺害が可能です。もう1つ気になったのが、硬貨をばら撒く銭投げアクション。ランボープレイに夢中でその真価を確かめることはできませんでしたが、ステルスプレイで敵の注意を引く際に役立つスキルのようです。
そうして全く忍ぶことなく剣劇に明け暮れているうちにタイムアップ。ミッションの目的をすっかり忘れたまま、筆者のハンズオンデモは終了しました。何人の死体を積み上げたかは途中から覚えていませんが、百人斬りを達成するには些か時間不足。製品版でもう少しじっくりプレイする必要があります。暗殺対象を抹消する前に、ノートルダム大聖堂の中にいる武装集団を1人残らず刀の錆にするという筆者の夢はしばらくお預けです。
また、今回のデモでは体験できませんでしたが、本作で最も注目すべき要素がカスタマイズと協力プレイ。頭や腕、胸や腰、脚といった各部位の装備を変更することでアサシンの外見に個性を持たせられるほか、ギアに応じて異なるスキルが付与されます。Co-opプレイは過去作における「ウルフパック」を刷新。シングルプレイ中に、各地に点在する協力プレイ専用ミッションを最大4人のアサシンで楽しむことができます。
世界中のアサシンたちがフランス革命期のパリへ一堂に会する『Assassin's Creed Unity』は、PC/PS4/Xbox Oneを対象に、11月20日の国内リリースを予定。価格は、PS4/Xbox One版が8,400円(税別)、PC版が6,600円(税別)です。発売まであとわずか。オープンワールドになったアサシンの系譜が、自由暗殺でのプレイスタイルに多様な個性の花を咲かせてくれることでしょう。
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