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【海外ゲーマーの声】『Skyrim』有料Modを巡る議論―Modder、ゲーム開発者、ユーザー各々の意見

4月24日より始動したものの、同月28日にサービスが停止されていたSteam Workshopでの『Skyrim』向け有料Mod販売。本記事では、“Paid Mod”に対する海外ゲーマーの反応、そしてゲーム開発者が抱くModコミュニティーへの意見を紹介します。

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4月24日より始動したものの、同月28日にサービスが停止されていたSteam Workshopでの『The Elder Scrolls V: Skyrim』向け有料Mod販売。本記事では、“Paid Mod”に対する海外ゲーマーの反応、そしてゲーム開発者が抱くModコミュニティーへの意見を紹介します。


膨大なライブラリを誇る同作Modはコミュニティーも活発で、オリジナル版リリースから4年近くが経った今でも精力的にModが提供され、PCユーザーに広く利用されています。そんな中、Valveより突如として発表された『Skyrim』向け有料Mod販売。発表時のBethesdaによるコメントには多くの『Skyrim』ユーザーからレスポンスが投稿されており、その中には賛否両論の様々な意見がありました。

Mod有料販売への反対意見としては、BethesdaとValveに向けて感情的な罵詈雑言を飛ばすユーザーや「“寄付”と“購入”」の差異に注目するユーザーが多く見受けられました。中には、Steam外部のModコミュニティー「Nexus Mods」への移行を奨励する声も投稿されていました。

Mod開発はお金の為にやってるものではない」「ゲームへの愛の為だ」と、Mod開発者としての視点から「収益化」そのものに反対を唱えるユーザーも見られました。一部には「Mod開発者に対してもひどい仕打ちだ」と伝えながら、売り上げた際の利率が25%と設定されている点に着目するユーザーも。また、有料化を機会にSteam Workshopへ「寄付ボタン」の導入を求める声が多く投稿されており、支払いの有無を選べる点のみならず、バグフィックスや動作検証が完璧でないユーザー制作の“Mod”ならではのウィークポイントに目をつけながら、中庸的な視点も含めつつ進展を図っていたようです。


多くの反対の声が届いた結果として、Steam Workshopでの有料Mod販売は4月28日に停止。これについてValve担当者は、「『Dota』や『Counter-Strike』、『DayZ』『Killing Fllor』のように素晴らしいModが登場することを期待していたが、結果として“的外れな行い”となってしまった」とコメントしています。

一方で、有料Mod販売に期待していた開発者の声も届いています。『Skyrim』向けMod開発者Sir Edhelsereg氏は、自身が手掛けたMod作品のダウンロード数が20万回を突破しているにも関わらず、募られた寄付は2回だけだったと語ります。これは全体の0.0001%を意味しており、更にほとんどのユーザーはGood/Badの単純な評価さえも行わなかったと明かしています。なお、この数字は個人的に算出した統計であるとのことです。

そしてSir Edhelsereg氏は、完成間近にあるModを抱えていると告白。ベータ版配布も行っていたとのことですが、開発に費やす時間を自身の中で正当化できなくなり、プロジェクトを停止した模様です。同氏は今回の有料販売システムのスタートをきっかけにMod開発コミュニティーへのカムバックを考えていたとも語っています。最終的にこのシステムは停止してしまいましたが、同氏は「有料/無料ダウンロードの選択制」を提案しながら、Mod開発者にとっての尊厳について言及しています。


また、公開停止に至る前日には「Source Engine」で制作された『Half-Life 2』のMod的タイトル『Garry's Mod』開発者Garry Newman氏からのメッセージも伝えられていました。Mod/ゲーム開発者として「Modマーケット」の行末を予測していた同氏は、「もし気に入らないのなら使わなければ良い」とコメント。「Valveやゲームデベロッパーが、(最低限の開発コストをカバーするのに十分な)金銭を望んでいるのは明白なこと」と、Mod開発者のモチベーション維持についても触れています。

更に『Minecraft』生みの親Markus Alexej “Notch”Persson氏も、自身のask.fmでこの件について言及。「もしModにお金を払いたくないのなら、払わなければいい」「ゲイブ・ニューウェル氏のやり方が反逆的と言うのはばかげてます」とコメントしながらも、ValveとZenimaxがとった今回のアクションについて「問題あり」と語っています。
《subimago》
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