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『Bloodstained』五十嵐氏に単独インタビュー、1日でKickstarterを達成させた怪物タイトルに迫る

元『悪魔城ドラキュラ』シリーズのプロデューサー五十嵐孝司氏が手がける新規タイトル『Bloodstained: Ritual of the Night』について、五十嵐氏にインタビューを行いました。

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──現在発表されているキャラクターはそれぞれどのような関係なのでしょうか?

五十嵐: 元々この3人はほぼ同い年で、ミリアムとジーベルは生贄用の被験体、そのお世話係としてヨハネスが付き、とても仲が良かった。そして感情移入してしまい、ヨハネスは錬金術士の先輩に儀式をやめるように主張しますが、結局儀式は行われてしまいました。ミリアムは昏睡状態になってしまったので生贄にはされず、錬金術の組織はジーベルたちを利用して地獄を召喚することに成功します。しかしジーベルだけは奇跡的に生き残る。ちなみに、召喚に使用したのは、エノキアンタブレットとロガエスの書です。これはエノク文字で書かれており、アダムがエデンの園ですべてのものに名前を付ける際に使用していたものです。

そこから時が流れ、ジーベルは当然ながら恨みを晴らすためにこれらを使って悪魔を召喚し、錬金術ギルドを崩壊させる。ただ、友人だったヨハネスだけは殺さないのですが、加えて昏睡状態だったミリアムを守らないといけない。自分たちは結晶の侵攻が進んでいくだけなので人間には戻れない、地獄にも行くことができない──そのため、この世界に地獄を作って我々が生きていける場所を作るべきだという考え方になっています。「自分の体を人間が改造した。だったら今度は俺が世界を変えてもいいはずだ」という思考ゆえの行動ですね。


──ジーベルは主人公のミリアムに対して、同胞意識が強いということですか?

五十嵐: そうですね、恋愛感情ではありません。ヨハネスについても、ミリアムは恋愛対象というより、守らなければいけない存在となっている。彼は優秀なので結晶化を止める方法を持っており、彼女の体に施してそれを止めている。ジーベルに対しても助けてあげたいのですが、ジーベルは上記のようなモチベーションなので力を欲している。ミリアムは昔の仲間が力に蹂躙されていることに疑問を感じ、助けたいと考えています。


──キャラクターデザインや、そのこだわりについて教えてください。



五十嵐: キャラクターのデザインについては、当初あった主人公を初めとしたキャラクターに結晶を体に埋め込むというアイデアを、デザイナーさんがステンドグラス風にするのはどうですかと提案してくれました。結晶が体を侵食していくという設定で、それをぎゅっと抑え込むとバラのようになると考えて、このようなデザインにまとまりました。ミリアムについては、背中で結晶を破壊させて増殖するのを外に排出して防いでおり、その結果オーラのようなものが背中から出ています。ステンドグラスは僕も大好きで、赤が一番高い。赤のステンドグラスは金を使っていて高価なので、敵のジーベルには赤がいっぱい入っています(笑)。

こだわった点は、ミリアムは結晶が心臓の部分にあり、一方のジーベルは心臓以外が結晶化されている。赤いのは手遅れなのか、心臓が結晶化して問題ないのか──など、色々ご想像いただければ嬉しいです。キャラクターのデザインについては、結晶の部分をある程度外に出しておく必要があるので、服のデザインはこのような形になりました。当初はもっとゴスロリのような服装だったのですが、戦う雰囲気にして欲しいので鎧のパーツが加えられ、左右対称でなくていいので右手を軽くしてくださいとなりました。角はただの飾りです(笑)。



ジーベルは赤を中心としたカラーリングをお願いして、僕の要望としてはとにかく結晶に侵食されている感じを出して欲しかった。当初はもっとたくさんの服を着ていたのですが、肌を露出してもらいました。ただ、顔の侵食だけは気にしているのか、仮面をしている。体に何か入っていても服のように見えることがあるのですが、顔は最後に侵食されるものというイメージがあったので手遅れ感を出すために入れてもらいました。

ヨハネスはオーソドックな感じでお願いして、研究者っぽくないようにしたいと考えています。理屈よりも感情を大切にしているキャラクターですね。




──「魔力錬成結晶システム」という、レア素材アイテムをドロップさせて攻撃魔法を獲得するというシステムについて教えてください。

五十嵐: これは初期アイデアなので、ブラッシュアップしていかなければいけないのですが、まずは敵の技を使えるようにしたいというのがありました。その際、サブエフェクトを付けたい。具体的には、ドロップアイテムが5つあり、敵の頭や腕などいろいろな部位から出てきます。それらのドロップアイテムのなかでも、魔力を帯びているものだけがレアとして輝いている。

通常の素材はクエストに使ったり、武器の素材として使ったりできるのですが、輝いているレア素材は、それ自体を錬成させると結晶になります。すると、自分の体の結晶とリンクして技が使えるという仕組みになっています。その時に、例えば頭の部分からドロップしたら魔法攻撃力が上がるサブエフェクト、足の部分からドロップすると移動速度が上がるサブエフェクト──というようにしたいと考えており、同じモンスターからドロップした素材でもサブエフェクトの違いを作ることでステータスのカスタマイズができるようにしたいと考えています。


──魔法は、新しいものをどんどん獲得していかないと攻略は難しいですか?

五十嵐: キーの魔法──移動で使用したり、特定の敵を倒すために必要だったりするものは、必ず道中で手に入るようになっています。持っていたら有利になるものに関しては、自分で獲得していく必要がありますね。本作では、収集要素を含めることも考えていて、ドロップ率は高く設定し、ドロップしたけれど自分の欲しいサブエフェクトがついていない──となって繰り返し遊んで欲しいと思っています。




──本作のコンセプトを作っていく中で、苦労した点について教えてください。

五十嵐: ゲームシステムはベースがあってそれをアレンジするだけだったので苦労しませんでしたが、一番困ったのは主人公が女性に変わったことですね。もう一度世界観を構築する必要があったので。僕は世界設定を作ることが多く、今回は時代背景を実際の歴史に乗せていくことで真実味が増してくる。本作では舞台をイギリスにしようと思いました。そこにストーリーを合わせていくのですが、生贄によって地獄を召喚し、悪魔が地上に現れる、その悪魔たちは殺戮を行う──ということは、大きな事件が起こるはずなので、イギリスでそうした事件がないかを調べていました。


──結果、大きな事件は見つかりましたか?

五十嵐: 見つかりました。1700年代にラキ火山が噴火した事件で、アイスランドの人口の3分の1が亡くなっています。さらに、この火山灰と亜硫酸ガスが西ヨーロッパの方に流れてきてたくさんの人が巻き込まれました。これに関してはたくさんの伝承が残っているのですが、イギリスでは2万3000人亡くなっているにも関わらず何の伝承も残っていない。

大災害なのに記録が残っていないのは、人在らざる者たちが殺戮を行った、それを隠蔽しようとしている人たちがいる──と想像しました。また、当時の村人の言葉に「昼でも夜のように暗く、太陽は血のように赤い」という一節がありました。なので、この作品は地獄から城を作り出すのですが、城の外側は赤い血のような外観になっています。このように作り上げることで、ファンタジーの世界と現実世界の親和性が高くなることを大切にしてします。


──海外のユーザーから多数の期待の声が出ていますが、それについてはどう思っていますか?

五十嵐: 本作のKickstarterは、たくさんのファンの方からご支援をいただいているというのもとても感謝しています。プレッシャーはありますが、これだけの方に応援してくださっていることが嬉しいので、あとはやるだけという感じがしていますね。


──発売時期はいつ頃になりそうですか?

五十嵐: Kickstarterが終了後にゲームボリュームが確定するので、再度告知をさせていただきたく思っています。


──最後に、本作に期待している世界中のファンの方へ、メッセージをお願いします。

五十嵐: 久しぶりに自分が得意としているゲームを発表できるので、今は自分が作れることが純粋に楽しいです。こうした気持ちがゲームに乗り、みなさんにお届けできればと思いますので、『Bloodstained: Ritual of the Night』に期待していてください。また、ArtPlayではモバイルの方も頑張っていきますので、併せてよろしくお願いいたします。


──本日はありがとうございました。

《》
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