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【特集】日本上陸、そして撤退した欧米MMOの軌跡―『スター・ウォーズ・ギャラクシーズ』

「大人数でRPGが遊べる」革新的なMMORPGというジャンルが誕生して十数年たった現在。日本に上陸後、名作と呼ばれつつもその殆どが撤退していった欧米産MMORPGが、なぜ日本で成功を見ることがなかったのか。本連載では日本上陸の経緯を振り返りつつ、その理由を考えます。

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『スター・ウォーズ・ギャラクシーズ』が撤退した理由を考察

2005年には映画「スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐」が劇場公開され、「スター・ウォーズ」ユニバースそのものの知名度の高さにも関わらず、サービス開始から10ヶ月で終了が発表された『スター・ウォーズ・ギャラクシーズ』。こんなにも早く撤退してしまった理由を考えます。

1.国内におけるPC向けMMORPGの状況

『エバークエスト』の時にも言及しましたが、2004年から2005年頃は『ラグナロクオンライン』や『リネージュ』などのMMORPGが主流となっていました。この影響で、国内におけるMMORPGに対するイメージが形成されたといっても過言ではなく、それらと比べて複雑なシステムを持つ『スター・ウォーズ・ギャラクシーズ』は受け入れられ難かったと考えられます。

また、ターゲットにしているプレイヤー層こそ違いますが、『メイプルストーリー』や『RED STONE』などの基本無料のアイテム課金制タイトルが台頭してきたのもこの時期。対して『スター・ウォーズ・ギャラクシーズ』はパッケージ販売+月額課金制であり、その費用はプレイヤーにとってネックになったのではないでしょうか。

2.高すぎた要求スペック

PCでゲームをするという文化が徐々に根付いてきてはいたものの、成熟していたとは言い難く、当時最新の3DゲームをプレイできるPCゲーマーというのは少数派でした。ましてや「スター・ウォーズ」が好きなPCゲーマーともなると、更にその数は絞られます。そもそものパイが小さすぎた感は否めません。



3.大規模アップデート「ニュー・ゲーム・エンハンスメント」の影響

サービスの終了発表後に適用されることとなった「ニュー・ゲーム・エンハンスメント」。発表のタイミング的には、EAが既にアップデートの存在を知っていた可能性が高く、世界観そのものを崩壊させかねないアップデートによる、計り知れない影響を与える可能性を考慮したとも推察できます。新拡張「オビ=ワンの試練」を販売して導入した後では、風呂敷を畳み難くなることが想定されることから、僅か10ヶ月という短い期間でのサービス終了の決定を下したとも考えられます。

◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆

国内サービスは1年と3ヵ月という短い期間ながらも、強烈なゲーム体験ができた『スター・ウォーズ・ギャラクシーズ』。未だに「ニュー・ゲーム・エンハンスメント」前の状態で復活を望む声も聞こえてきます。ちなみに、本家である北米版『Star Wars Galaxies』は、末期にはプレイヤー数も少なくなり、新たな「スター・ウォーズ」MMORPG『Star Wars The Old Republic』のサービス開始5日前、2011年12月15日にサービス終了を迎えました。

今はもう遊べなくなってしまった本作。思い返すと感慨深いものがあります。またいつか、『スター・ウォーズ・ギャラクシーズ』のようなゲームがプレイできる日がくることを願って。「May the Force be with you」。
《水京》
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