「暴力表現」「グロテスクな描写」はこれまでの「海外ゲーマーの声」でも数度にわたってお伝えしてきた、ゲームの表現規制における重要なファクターのひとつ。今回はとある海外フォーラムユーザーから、これまでとは対照的な意見をご紹介。「暴力表現の規制を緩めてほしい」といったものではなく、「ビデオゲームに暴力表現が必要なのか」と疑問を提起する声をお伝えします。
「Why all this violence?! - Alternatives to violence in video games?(なんでどのゲームも“暴力的”なんだ?!暴力表現の代わりになるものは?)」と題されたスレッドの投稿者は、『Fallout 4』のゲーム性に焦点を当てながら、「美しい世界観を体感するには、キャラクターを“殺害”する以外に方法がない」と指摘。「暴力表現」に抵抗を持つというよりも、『Fallout 4』の荒れ果てた大地“ボストン・ウェイストランド”、『BioShock』の水中都市“ラプチャー”の世界観を「戦闘」以外で味わえないことに疑問を感じたようです。
無法地帯の世紀末や荒廃した水中都市で“暴力”を避けるのは無理難題と感じたのか、一部ユーザーは、これらのマップがあくまで「敵地」であることを挙げ、『Fallout: New Vegas』や『Undertale』といったRPG作品には「平和主義」的なプレイスタイルもあると注釈。しかしながら、豊富なプレイングバリエーションはもとより「昨今のゲームで“ノーキル”のままエンディングを迎えるのは難しい。本当に面白く遊べる“非戦闘系ゲーム”というジャンルは廃れているかもしれない」と時代を憂う声、「ゲーム作りの中でも、“暴力表現”を描くのは最も簡単かつ怠慢なやり方だ。他のやり方はないのだろうか?」と主張するコメントまで見られました。
そのほか、興味深い比喩としては「ハリウッドのアクション映画作品」と照らしあわせた批評も見られており、激しい爆発やド派手演出が飛び交うことに注目しながら「マイケル・ベイ監督作とAAAゲームの境遇は似ている」と述べる方も現れています。しかしながら、「英国王のスピーチ」「それでも夜は明ける」のような非アクションの名作になぞらえ、「非暴力的ゲーム」の存在を認めながらも、「『Call of Duty』や『Halo』シリーズのようなビッグタイトルには成り得ない」と補足。ルックスやゲームプレイで得られる爽快感ではなく「世界観を堪能したい」というユーザーの声はマーケットに反映しにくいところもあるかもしれませんが、「バイオレンス描写」という表現手法はジャンルを超えた上でも議論の余地が残りそうです。
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