
何と台北市内のど真ん中、高級ブランド店が連なる目抜き通りに建つビルのトップフロアに、e-Sports競技の為だけのアリーナが誕生しました。その名も「Blizzard Estadium」。競技者がプレイするための豪奢な舞台に対面する観客席は200席、ド派手な照明機器とパブリックビューイング用の大画面スクリーン、そして全世界同時配信用の放送用設備とこれ以上無い豪華仕様。その眺めは一体どれほどの情熱と労力と資金をつぎ込んだらこれだけのものが築けるのかとため息も漏れるほど。

そしてそのこけら落としに合わせてスタートしたイベントが「Overwatch Pacific Championship 2017」。シーズン1ではアジア・パシフィック各国を代表して選抜された強豪8チームが、他を制しこの地の覇者となるべく11週間に渡って死闘を繰り広げる総当たりリーグ戦。アジア・パシフィック地区の覇者と言う栄誉と、総額830万台湾ドル、日本円にして約3000万円もの賞金を争うというもの。日本からはDetoNator.GoldとSunSisterの2チームが参戦しています。

筆者は、「Blizzard Estadium」開場と「Overwatch Pacific Championship 2017」開幕のその瞬間その場所に居合わせた訳ですが、会場は凄まじい盛り上がり具合を見せていました。観戦チケットは発売後即ソールドアウト、スタジアムの入り口には贔屓の選手の活躍を生で一目見ようと多くのゲーマーやファン達が詰めかけました。

参加チームの選手たちが紹介される度に集まったファンたちから黄色い声援が飛び交います。その偽りのない歓喜の声に自分のe-Sportsシーンに対する遅れた認識と、若いゲーマー達との価値観のギャップを否応なく思い知らされてしまいました。
まだe-Sports後進国とも言われる日本にいては仕方がないのかも知れませんが、世界は確かにこのビデオゲームの勝敗、プレイの華麗さ、立ち回りや仕掛けのスマートさに一喜一憂し、賛辞の声を送っているのです。本リーグを主催しているBlizzard幹部エディ氏の言葉をお借りするなら、「スポーツで見られる様々な洗練された技、花形選手、地元贔屓、そして彼らが繰り広げる偉大なる競争とドラマ」はまさにe-Sportsでも生み出されているものであり、敏感な聴衆者は既にそのドラマを感じ興奮しているのだと思わされる光景でした。

「Overwatch Pacific Championship 2017」シーズン1はこれから9週間をかけて各チームがプレーオフ進出をかけて争い、2週間のプレーオフの後に優勝者が決定するとのこと。Game*Sparkでは今後も同リーグの動向を追いかけ、お伝えしていきたいと思います。











