『Mouthwashing』『No, I'm not a Human』など個性的な多くのインディー作品を世に送りだし、今ノリにのっているパブリッシャーCRITICAL REFLEXがまたしてもやってくれました。
今回は2025年9月16日PC(Steam)向けに発売された、トロリーバスの車掌さんとなって乗客相手に大暴れする一人称アクションゲーム『TROLEU(トロリー)』の笑いとカオスに満ちたプレイレポートをお届けします!
なお本稿は、執筆にあたりSteamキーの提供を受けています。また、ネタバレなどが含まれていますので閲覧にはご注意ください。
◆令和最強の“バカゲー”誕生!『TROLEU(トロリー)』とは

本作は、一人称視点のバス運行シミュレーター&アクションゲーム。プレイヤーは、路線バスの運転手となり、チケットを発券して運賃を回収したり、車内をキレイに清掃したりして業務をスムーズにこなしていきます。ただし、不正乗車しようとする客もいるので、その時は圧倒的暴力でブチのめします。交通機関の安全を守るため、ワイルド&ファンキーに職務をまっとうしていきましょう!


本作の魅力はなんといっても、ハチャメチャでカオスな世界観とゲームシステム。まず目に飛び込んでくるのはPS1風のカクカクポリゴンで構成された風景と、ババアからOL、酔っぱらい、ギャル男、果ては宇宙人や半魚人まで登場する濃厚なキャラクターたち。このヘンテコなヴィジュアルだけでも本作のファニーな一端が垣間見えます。
そして、無賃乗車やマナーの悪い乗客を見破りつまみ出すバイオレンスアクションが面白い。あやしいヤツに蹴りを入れるのは当たり前、口答えするふざけた野郎はボクシング対決でボコボコにして、気絶した客を車外にポイッ!と投げ捨てて解決。
なんのゲームだコレ?(真顔)
いやしかし、この止まらない勢いと地獄を足して2で割ったようなハチャメチャ具合が最高にクレイジー&アナーキー!古き良き90年代の個性派ゲームを彷彿とさせ、まさに「令和最強のバカゲー」と言っても過言じゃありません。


また、乗客にバスチケットを発行して運賃を回収したり、落とし物を拾ったり、悪臭を放つ客に香水をかけて清潔にしたり…バス運行の業務はやることが多く大忙し。作業効率を考えながら自分なりに適切な業務パターンを見つけ出すのが楽しく、ついつい「もう一度トライするか」という気にさせられます。世界観だけでなく、ゲームプレイもしっかり作り込まれているのがニクい!
◆操作方法&対応言語

操作はキーボードマウスおよびコントローラーに対応。筆者は今回Xboxコントローラーを使用しましたが、操作コマンドを見てください。LB「乗客持ち上げ」RB「ケリ」X「ケンカ」などなど、他のゲームではお目にかかれない不穏ワードが満載。先行きが不安になりますね。


そして言語は日本語字幕に対応しています。翻訳は『Mouthwashing』など、CRITICAL REFLEX作品ではお馴染みのゲーム翻訳者・nikolith氏が担当しており、今作でも雰囲気ピッタリの超素敵な日本語訳に仕上げてくれてます。「ウチの村じゃ5分と呼吸できねぇな」という、凄いのか凄くないのかよくわからない捨てゼリフは特にセンス良く、筆者の笑いを誘いました。
◆不正乗車は暴力で取り締まれ!笑いとカオスのバス運行業務

さあ、さっそく業務開始!する前に、まずは「研修」から始めましょう。

ここではゲームの流れをすべて体験できます。プレイヤーはトロリーバスの車掌さんとして、終点まで円滑で安全なバス運行を完了するのが目標です。
画面上部には、「路線バー」があり各停留所が表示され、次に何が通過してくるのかを確認することが可能。これをしっかり見逃さず業務をこなすことがめっちゃ重要です。

あ!そうこうしていると、記念すべき第一村人…じゃなかった、初めての乗客がやってきました。近づいてRTボタンで交流してみましょう。


話しかけると、そのダサいTシャツを着た男は「現金こそキング カードはネット頼りのザコ」と反応に困る一言を放ち、現金を渡してきたので受け取ります。運賃の回収は大事な業務の一環です。


当然ながら、お釣りが発生します。なんだかゴチャゴチャして見づらいUIですが、硬貨とお札がそれぞれ用意してあるので、LTボタンで掴んで加算し正しい額を渡しましょう。客が増えてきたら捌くのが大変。釣り銭渡しは速さが勝負です!

で、最後に切符をつかんで渡し発券完了!これで基本的な業務内容を学べました。簡単でしょ?


さて次は応用編です。今度の乗客から「カードいけんだろ?ピッてやつ」と要望されたので、すかさずPOS端末という便利ツールで読み取りお会計。カード払いは釣り銭気にしなくていいのでめっちゃ楽ちんです。

おっと、とつぜん野生のTikTokerが現れました!いや、よく見ると違います…それはどうやら小学生ぐらいの少女のようです。週5で日サロでも通ったかのような浅黒い肌に、ピンクのTikTok風Tシャツ、オッサンみたいな顔。おまけに、「定期 去年モンだけど有効臭すんだろ」と言葉遣いもヤンキーみたい。少女の可憐さがまったくねぇ!


運賃の支払い方法は、現金とカードのほか「定期払い」の3種類があります。しかし、この定期払いは特に注意が必要。というのも、バスに乗ってくるのは平和な客ばかりでなく、不正に乗車してくるクソ野郎もたくさんいるからです!
安全安心のバス運行を達成するために、定期に記載された情報を厳しくチェックしましょう。まず、現在の日付を確認し、有効期限を照合。ふむ、一致してます。次に、写真と同一人物か見比べてみると…うん、オッサンみたいな少女で間違いないですね。こんな感じで、不正かどうかをしっかりと見極めるのも業務のひとつです。


中には明らかに写真と違う偽造定期を出してくる乗客もいるので、その場合全力でブチのめします。RBボタンで相手が気絶するまで蹴り上げましょう!


そして、フラフラになったところをLTボタン長押しで掴み上げ、車外へ勢いよくポイッ!強制的につまみ出します。これも円滑な運行に欠かせない重要な業務。え?本当になんのゲームかって?れっきとしたバス運行シミュレーターですよ。

その証拠に、ただ日常業務をこなしていけば良いわけではなく、車内で起きるさまざまな出来事に対応し、かつパラメーターも気にしながら運行しなければなりません。
たとえば、画面右のバーはバスにいる「乗客の平均不満度」を表しています。これがMAXになると運行失敗ゲームオーバーになるので、キチンと切符を販売し不満度を下げておきます。

ほかにも、非常識な迷惑客を放っておくと不満度が高まってしまうので、スピーカーでガンガン音楽を流す輩には止めるよう注意喚起します。

一番やっかいなのはやたら攻撃的になっている乗客。話しかけると間髪入れず戦闘モードに入っており、「ビビるとでも?ウチのババア市場で屋台出してっぞ」と意味不明なディスを仕掛けてきます。

こうなったらもう直接シバくしかありません。なぜか『パンチアウト!!』風のターン制ボクシング対決が開幕ッ!左右から流れてくる拳マークを楕円の中にピタリ入った瞬間LTまたはRTボタンを押すと攻撃、同時押しで防御、というめちゃくちゃアナログな戦闘システム。


けれども、このシンプルな殴り合いが意外に面白くて白熱します。ギャル男を渾身の右ストレートで葬り去り無事撃退、社会の厳しさを叩き込んでやります。ちなみに、この対決で勝利しても不満度が下がるので積極的にボコボコにしちゃいましょう。

不満度が充分低い状態であれば、「商人」からさまざまアイテムを購入でき、能力強化や攻略を有利に進めることが可能になります。たとえば、「ケリ強化」は蹴撃威力が+43%、検札官へのダメージが1.5倍になるバフ効果を授かります。ほかにも「幸運のお守り」は、乗客が貴重品を落とす確立と価値が格段にアップする嬉しいアイテム。

購入資金は、運賃やボコった乗客から頂戴した貴重品を売って捻出します。マジでとんでもねぇゲームだぜ……!しかし、ヘンテコキャラが勢揃いの中でもこの商人は特に奇抜。まるで春先によくエンカウントする中身全裸の変態コート野郎みたいな風貌ですね。


さて、やりたい放題で無敵かと思われたプレイヤーですが、天敵もいます。それは「検札官」で、車内の不満度が高いと乗り込んできて、プレイヤーがちゃんと仕事してるかどうかを調べてきます。もし不正な違反客がいた場合、こちらに接近して捕まえようとしてくるので、乗客を投げつけるか蹴りを入れて追い返しましょう。

もし抵抗虚しく捕まるとゲームオーバーに。今までの苦労が泡と消えます。


こうして一通り業務内容を体験し研修完了。お疲れ様でした!次はいよいよ本番ですが、その前にトロリーバスのハブで色々と準備を整えましょう。


ハブではさまざま機能にアクセスできます。現在までに完了したバス運行や対応した乗客数などの標準的な統計から、ケンカした回数や勝利数などの「カオス統計」まで、自分のスタッツを見ることができます。
また、各運行ロケーション(ステージ)の選択も可能ですが、一定のランクでクリアしないとアンロックされません。


ページをめくっていると、「田舎」「郊外」「浜辺」に並んで「石器時代」「深海」「宇宙」の文字が。どうやらそこも運行ルートみたいですが、まさか宇宙人とかも不正乗車してくんの??とにかくカオスすぎる。


バス運行が無事完了したら、成績に応じて評価がくだされます。とくに誤って無実の乗客を蹴り出す、ケンカに負ける、乗客の対応に失敗するとググンと評価がダウンし、総合ランクも低いものになるので、誠実で安全、安心な業務を心がけましょう!



いかがだったでしょうか?本作は、個性的すぎるハチャメチャな世界観とバイオレンスなアクション、バス運行シミュレーターとしての確かなゲームプレイが濃厚に融合した唯一無二の作品です。
普段はインディーゲームなんて目もくれないアナタも、CRITICAL REFLEX作品にどっぷり浸かっているプレイヤーにもおすすめで、遊ぶ価値は大いにあります。さあ、その最高にブッ飛びまくったカオスっぷりと笑いに満ちたゲームプレイを是非ご賞味あれ!
タイトル:『TROLEU』
対応機種:PC(Steam)
記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)
発売日:2025年09月16日
著者プレイ時間:5時間
客をブン殴ったり運賃を集めたりバス運行業務がハチャメチャ楽しい!最高にブッ飛んだおバカゲーだったスパ!














