新作非対称対戦ゲーム『Halloween: The Game』開発者インタビュー!スラッシャー・ホラー金字塔、神出鬼没な殺人鬼をゲームで表現。原作者もお墨付き | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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新作非対称対戦ゲーム『Halloween: The Game』開発者インタビュー!スラッシャー・ホラー金字塔、神出鬼没な殺人鬼をゲームで表現。原作者もお墨付き

次にゲーム化したい作品を訊いてみたら…まさかの日本の漫画/アニメ!?

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新作非対称対戦ゲーム『Halloween: The Game』開発者インタビュー!スラッシャー・ホラー金字塔、神出鬼没な殺人鬼をゲームで表現。原作者もお墨付き
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ハロウィンの夜、異常な殺人鬼「マイケル・マイヤーズ」が神出鬼没に迫りくる…スラッシャー・ホラー映画の金字塔「ハロウィン」は、現在まで続く人気シリーズです。

印象的なテーマソングも有名な本作ですが、『Predator: Hunting Grounds』『Friday the 13th: The Game』などホラー映画のゲーム化作品で有名なIllFonicが『Halloween: The Game』としてゲーム化し、日本時間2026年9月9日に発売します。

Game*Sparkでは、IllFonicのCEOであるチャールズ・ブランガード氏(写真左)、チーフクリエイティブオフィサーのジャレッド・ゲリッツェン氏(写真右)にインタビューを敢行。気になる内容や、次にゲーム化したいIPなどをお訊きしました。

「ハロウィン」ならではの怖さとは?

――最新作について、あらためてご紹介をお願いします。

ジャレッド・ゲリッツエン(以下、ジャレッド):1978年公開の映画「ハロウィン」を原作とするゲームで、シングルプレイヤーとマルチプレイヤーの両方が楽しめる作品となっています。マイケル・マイヤーズの知られざる姿を描くことを目指しています。

――ベースにしたのは1作目だけなのですね。

ジャレッド:はい。70年代というのは非常にアメリカ的な時代であり、グラフィックや雰囲気で当時感を出せるよう、大切にしています。

――制作にあたって、ジョン・カーペンターをはじめとしたオリジナルのスタッフは関わっているのでしょうか。

ジャレッド:まさに、今晩もジョン・カーペンター監督と打ち合わせをするんです。日本時間だと朝3時とかなのですが(笑)。密接に意見交換をしています。

また、権利を所有されているCompass International Picturesさんともやり取りをしていて、「ハロウィン」の秘密の資料もいただいていたりします。

加えて、マイケル・マイヤーズのマスクは何度も何度も作り直して、皆さんに納得いただけるような自然さにこだわって作り込んでいます。

――ホラー映画はいろいろありますが、「ハロウィン」ならではの魅力は何でしょうか。

ジャレッド:「ハロウィン」はホラー映画の中でも最初期のスラッシャー映画ですし、我々世代としても一番最初に体験するホラー映画の原点だったんです。非常に卓越したストーリーラインを持っていて、どこにでもいるし、どこにもいないという神出鬼没さ、何をしているのかわからないという不気味さも魅力的です。

近年のホラー映画はなにか「理由付け」が行われているものだと感じますが、マイケル・マイヤーズはあまり“理由”がない、というのが恐怖のひとつだなと思いますね。

チャールズ・ブランガード(以下、チャールズ):マイケル・マイヤーズはホラースラッシャーのアイコン的存在ですし、70年代の映画として小さな街でリアルに起こりそうなストーリーというのが他の作品と違うところだと思います。殺し方もだいぶリアルですしね。

『DbD』にマイケルはいる、その中で単独作品を作る理由は

――今回「ハロウィン」を題材として選んだのはなぜでしょうか。

ジャレッド:アメリカ人からすると、「ハロウィン」は「13日の金曜日」のジェイソン・ボーヒーズと並ぶくらい大きなホラーシリーズです。なので、ゲーム化の対象として選ぶのは必然でした。マイケル・マイヤーズの神出鬼没さはゲームシステムとして非常に作りやすいのではないかとも考えていました。

――マイケル・マイヤーズ自体は『Dead by Daylight』に参戦していますが、改めて「ハロウィン」単独で作る理由は何なのでしょうか。

ジャレッド:本作ではマイケル・マイヤーズが主人公なので、彼をメインに据えたストーリーを語ることができるんです。他のゲームでもマイケル・マイヤーズは登場していると思いますが、どちらかというとおまけというか、ゲストやコラボキャラとしての登場ですよね。なので、マイケル・マイヤーズのストーリー自体は語り尽くされていないのではないかと考えています。

「ハロウィン」ファンもホラーファンも満足できるようなストーリーを作りたいと思いますし、彼が映画の中で行っていることもゲーム内のスキルとしてどんどん出てくるので、楽しみにしていただきたいです。

――非対称対戦ゲームはたくさんあり、IllFonicさんも数多く制作されています。ゲームプレイ的な視点で、本作ならではの特徴は何ですか。

ジャレッド:まず、数ある非対称対戦ゲームの中で、我々はIPに忠実な作品に仕上げてきました。例えば『Predator: Hunting Grounds』ではジャングルの中でハントするというイメージをしっかり実現できたと思います。

今回はマイケル・マイヤーズの神出鬼没さを表現するために、誰にも観られておらず、かつ暗闇の中にいれば透明になれるというシステムを搭載しています。これを使えば、市民側をストーキングして、振り返ったらそこにいた……というシチュエーションが実現できるのです。

チャールズ:非対称対戦ゲームは、まだ若いジャンルですから、まだ掘り下げられる部分があると思います。今回はサンドボックス+AIというようなテーマを皆さんに提供して、街の中でさまざまなドラマやストーリーを生み出せるようにします。

――恐怖表現としてこだわった点を教えてください。

ジャレッド:マイケル・マイヤーズ側でプレイする際、「ブラッドラスト」メーターというものがあり、これが上がっていないと市民側を殺害できないという仕様になっています。

ではどうやったら上がるのかというと、マイケル・マイヤーズさながら、ストーカーのように付け回さなければならないのです。市民側はなにかの作業をしているときにマイケル・マイヤーズを見かけ、目を離した瞬間消えている……そしてどこかに戻ると、いきなり目の前に現れる!というジャンプスケア的な面白さが対戦ゲーム上で表現できるように作っています。

非対称対戦ゲームの「シングルプレイヤー」モード、どんなものを目指す?

――トレイラーでは、本作にシングルプレイヤーモードがあることも強調されていました。これはどういったプレイ体験になりますか?

ジャレッド:シングルプレイヤーでは、これまで語られてこなかったマイケル・マイヤーズの物語をみなさんにお見せするということを目的に制作しています。映画の裏では何が起こっていたのかをこのモードで描かせていただき、ファンの皆様に喜んでいただきたいです。

願わくば、そのままマルチプレイに進んでいただき、ランダムな楽しさや、マイケルの神出鬼没さを楽しんでいただければ幸いです。

――では、マルチプレイヤーに入るためのステップというイメージなのでしょうか。

ジャレッド:どちらから入っても大丈夫です。ただ、シングルプレイをある程度プレイするとアンロックされるマルチプレイ向けアイテムやコスメがあるので、どちらもやるのがオススメです!

――ゲームプレイメカニクスとしては、サバイバルホラーといった感じになるのでしょうか?

ジャレッド:いえ、マイケルを操作するので、ステルスホラーアクションと形容するのがふさわしいでしょう。AIで動く市民たちが逃げたり警察を呼んだりする中、プレイヤーの皆さんにはストーキングしてくるモンスターになってもらいます。猪突猛進に突っ込んでも警察に捕まってしまうので、かくれんぼ(エスピオナージ)的な要素も入ったゲームとしてお楽しみいただくのが良いでしょう。

――殺人鬼が主人公のステルスゲームと考えると……結構珍しいですね。

ジャレッド:そうですね。映画になるべく忠実なものにしているので、マイケル・マイヤーズは走らず、ただ歩くだけなんです。その代わり、「シェイプジャンプ」というシステムを搭載していて、後ろに回り込むこともできるんですよ。

これはもちろん、マルチプレイでも使えます。ふと窓の外をみたらマイケルがいて、パニックになって逃げ、どこかにいったかな?と見回すと、目の前にドンと出てくる……これ、マルチプレイで起こるとかなり怖いです。

これを作るために、原作映画を何度も繰り返し視聴しました。目を逸らしたらいなくなるという表現は絶対に入れたいと思っていたので、これをコアシステムとし、完成するまでは本格的な開発に取り組みませんでした。

IllFonicが映画原作ホラーや非対称対戦を作り続ける理由。作ってみたい作品も訊いてみた

――今の業界トレンドはPvPvE脱出シューターや格闘ゲームが握っているようなイメージですが、IllFonicさんが非対称対戦にこだわる理由は何でしょうか。

ジャレッド:おっしゃる通り、今はそういった作品たちがトレンドですが、ヒットしている作品はもう何年も長い間活動されている会社さんやIPですよね。カプコンさんだったり、『Mortal Kombat』だったり、『コール オブ デューティ』だったり……。

我々が目指すのは、今まで作ってきたすべてのゲームを結集して進化させていくというものです。なので、むしろ我々が非対称対戦ゲームというシーンの中でトレンドを作っていきたいと思っています。

チャールズ:非対称対戦ホラーには、まだまだたくさんの可能性が秘められていると思っています。まだどの会社も到達できていないものがあるのではないかと思っているので、我々はこの方向性を追求し続けます。

――このジャンルでしか表現できない魅力とは何でしょうか。

ジャレッド:先述したように、非対称ゲームというのはまだまだ可能性のあるジャンルだと感じていますし、今後も多くの可能性が広がっていると思います。特に「キャラクターの掘り下げ」や「強大な存在にどう立ち向かうかという物語性」を描ける点が魅力だと考えています。仮に私たちがこのジャンルを作らなくなったとしても、次々に新しい作品が生まれてくると確信しています。

チャールズ:友達とプレイするソーシャルな体験と、自分のスキルを高めていくという体験、どちらも楽しめるジャンルだと思います。このジャンルを継続して、どんどん良いものにしていきたいと思っています。

――「キラークラウン」「ゴーストバスターズ」など映画原作の非対称対戦ホラーを作り続けていますよね。これはなぜなのでしょうか?

ジャレッド:我々は2023年に『Arcadegeddon』というオリジナルの協力シューターを発売したのですが、やはり我々はインディースタジオなので、知名度獲得に苦労したんです。正直なところ、『Killer Klowns from Outer Space: The Game』ほどの反響はありませんでした。

我々のような規模のスタジオにとって大事なのは、やはり知名度だと思います。どういった体験ができるかのわかりやすさや、インパクトを与えて興味を惹くという意味で映画IPを原作として使わせていただくのは非常に大きな意味を持ちます。そして、そもそも我々は「プレデター」も「キラークラウン」も「ハロウィン」も「13日の金曜日」も大好きなのです。

『Predator: Hunting Grounds』

チャールズ:映画が原作であれば、すでにあるルールを使えるのも大きいですね。このキャラはこれができて、これができないということが伝わりやすいですから、非常にゲームの素材として優秀なのです。

で、やはり自分たちが大好きなIPの一部になれて幸せという気持ちもあります(笑)。我々の原動力ですね。

――今後、ゲーム化してみたいIPなどはありますか。

ジャレッド:いま、さまざまなところとお話しているので言うのは正直難しいのですが……(笑)。ひとつ言えるのは、ホラーは映画もコミックもさまざまな形で見ているので、そういったものを取り入れてそのIPをより良いものにするというのが我々の方針です。

その上で願望を申し上げるなら……「チェンソーマン」をゲーム化したいですね!

チャールズ:私は『SILENT HILL』をマルチプレイ化したら面白いんじゃないかと思っています!

――余談ですが、最近関心したホラー作品を教えて下さい。

ジャレッド:最近の『バイオハザード』シリーズはやはり良いですね。ストーリーラインとゲームプレイは毎回非常に素晴らしく怖いので、ハードルを上げられつつ、インスピレーションも受けています。また、『SILENT HILL f』もどうなるのか非常に興味深く見ています。

ただ、シングルプレイのホラーはかなり完成形に近くなっているジャンルですが、マルチプレイホラーはまだ少ないと感じています。

チャールズ:私は昔から『SILENT HILL』シリーズが大好きで、『2』リメイクも楽しかったですし、『f』を遊ぶのも非常に楽しみです。日本発のホラーゲームに共通するのは、「音」や「音楽」の使い方だと感じています。落ち着かないシチュエーションをどう演出するかというところが非常に優れていますね。『2』リメイクでは霧の表現が大きく改良されつつも、サウンドには変わらぬ良さがあり嬉しかったですね。

――最後に、日本のゲーマーへメッセージをお願いします。

ジャレッド:私個人として、日本のホラーはとてもクールなものだと思っています。本作で描かれるようなアメリカ的ホラーは、日本のホラーとはまた違った味があるので、ぜひその違いもお楽しみください。そして、その中にある「怖い」というものは共通する部分もあることに気づくと思います。

『Halloween: The Game』は、IllFonic史上最恐の作品にさせていただくので、楽しくショッキングな体験をお楽しみください!

チャールズ:実は私は元々、オーディオ畑・サウンドエンジニアの出身なのです。オーディオとビジュアルを組み合わせ、落ち着かないトーンを醸成することに強いこだわりをもって制作しているので、日本のゲーマーのみなさんにもぜひご覧いただきたいです!

――ありがとうございました!

『Halloween: The Game』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/Xbox Series X|S向けに2026年9月9日発売予定です。

ライター:みお



ライター/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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