2013*年末企画『大作に埋もれた良作ゲーム』TOP10 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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2013*年末企画『大作に埋もれた良作ゲーム』TOP10

筆者が年内にプレイした最高のゲームたちを好き勝手に語っていく年末企画。2013年は『Grand Theft Auto V』や『The Last of Us』や『BioShock Infinite』だけじゃない、今年見逃すべきではない10本のゲーム達はコレだ。

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ついに次世代への移行を果たした2013年。海外でリリースされた次世代タイトルや、現行世代で最後に発売された有名フランチャイズの続編などが登場した同年ですが、それらに埋もれつつも輝きを放っていたインディーや新規タイトルを皆さんは見逃していないでしょうか。

大作に埋もれた良作ゲーム Top 10』は、そんなまだまだ注目されるべきタイトル達を紹介していく……という形で、筆者が最高のゲームたちを好き勝手に語っていく年末企画。2013年は『Grand Theft Auto V』や『The Last of Us』や『BioShock Infinite』だけじゃない、今年見逃すべきではない10本のゲーム達はコレだ。

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10位: 『Viscera Cleanup Detail』 (2013年7月以降リリース)
海外レビュー平均スコア: 無し



今年の夏に国内でも紹介され話題を呼んだ『Viscera Cleanup Detail』は、「映画『エイリアン』で殺戮が終わった後の宇宙船は誰が綺麗にしたんだ?」という疑問に答えた画期的な一人称視点SF清掃シム。プレイヤーは清掃員の1人となり、地球外生命体との死闘で惨殺死体の血肉に塗れた宇宙船内を綺麗に掃除していくことになります。現在無料のアルファビルドがリリースされているほか、予約版と『Shadow Warrior』版とクリスマス版も配信中。

一見すると単なるネタゲームか一発タイトルに見え、プレイせず映像だけ確認したという人も多そうですが、本作の根本の面白さはこのユニークな設定ではなく、如何に掃除を無駄なく進めていくかという「作業の効率化」です。集めたゴミが飛び散ったり汚れが広がったりと、ただ漠然と掃除を進めているだけでは巨大な宇宙船内の清掃業務は終わりません。文字通り「作業ゲー」ですが、大量の案件や仕事を効率良くこなすのが好きな仕事人、『Team Fortress 2』で開幕セントリーガンLv.3を構築するのが大好きなエンジにはオススメ出来るタイトルです。




9位: 『Rogue Legacy』 (2013年6月リリース)
海外レビュー平均スコア: PC版 85/100

――IGN(90/100): 30秒間の周回ゲームプレイが最終的には20時間以上になる極めて独創的な2Dローグライク
――Polygon(90/100): ノンストップで続く意表を突くような仕掛けで『Rogue Legacy』はプレイヤーの忍耐に報いてくれる


Cellar Door Gamesが今夏に放った『Rogue Legacy』は、"ローグ・ライト"と銘打たれた横スクロール型のアクションゲーム。操作するキャラクターはダンジョン内の探索で死亡するとそのまま消滅、プレイヤーはその度に主人公の血筋を引く3人の子孫から1人を選び再び迷宮に挑戦します。様々な種族から「特徴」を持って生まれてくる子孫たちは、例えば生まれつきせっかちで動きが早かったり、目が悪くてマップが見えづらかったり。ランダム生成されるマップと合わせ、死ぬ度に味わえる新鮮なプレイ感と新たなチャレンジ性が、『Rogue Legacy』の異常な中毒性を生み出しています。

ゲームを進めるにつれて強力な武装やスキルを購入し子孫に残していくRPG要素もあり、プレイヤーの腕次第で難所もクリア出来るレトロなアクションゲームの魅力もあり、これらが渾然一体となってチャーミングなプレイ体験を生み出している同作。グラフィックやアニメーションがそれほどゴージャスでは無いとは言え、横スクロールアクション好きならば『Rogue Legacy』を見逃す手はありません。




8位: 『Outlast』 (2013年9月リリース)
海外レビュー平均スコア: PC版 80/100

――Joystiq(90/100): 『Outlast』は自らに課した狂気を全デザイン範囲の中で完璧に描き上げており、まったく呆然としてしまう。大好きなゲームだ
――Edge Magazine(90/100): 『Outlast』のステルスとアクションとホラーの融合は桁外れであり、どこにでも居るような開発チームが高い才能を発揮し多種多様な体験をもたらした賜物だ

昨今インディー出の一人称視点ホラーゲームは増加傾向にあり、Steam Greenlightを開けば数ページに1つか2つは同ジャンルの作品が見つかる程。そんな中、やや問題を抱えつつも「逃走劇」という新たな息吹を吹き込んだ『Outlast』は、ホラーファンのみならず多くのプレイヤーが体験すべきゲームとなっているでしょう。

新生スタジオRed Barrelsが放った『Outlast』では、プレイヤーは内部告発を受けた記者として精神病院を調査し、内部で行われていたおぞましき行為と惨劇を辿っていきます。中盤の盛り上がりがピークであり、その後は簡単に脱出できてしまうお化け屋敷ランニングゲームと化すものの、見事な恐怖演出と逃走劇のスピーディな展開はプレイする価値のある体験です。主人公に内部告発した告発者のストーリーを描くDLC「Whistleblower」が現在開発中。




7位: 『State of Decay』 (2013年6月、11月リリース)
海外レビュー平均スコア: PC版 78/100、Xbox 360版 78/100

――Game Trailers(82/100): ゾンビとサバイバルホラー両方のジャンルが遭遇してきた停滞を『State of Decay』は回避している
――Game Spot(80/100): 没入型の緊張感に満ちたオープンワールドゾンビアドベンチャー、決して見逃すべきではない

海外ではすでに100万本セールスを突破しインディーでは大成功を収めていると言える『State of Decay』。しかし国内から正規の手段で購入出来ず、"仕方なく見逃す形"となっているユーザーも多いのではないでしょうか。ゾンビのみならずサバイバルジャンルの作品はここ最近で多数登場していますが、同作は問題点がありながらも真のサバイバル体験を描き切りました。ゾンビの感染はあくまで「周囲に広がる環境」であり、プレイヤーはどうやって食料を確保するのか、薬を集めるのか、脅威から身を守るのか、そして他人と生き延びていくのかを常に選択していきます。

後半以降は同じことの繰り返しでやや作業的な面も見られる『State of Decay』ですが、同作が成功すればMMOタイトルとなる『Class 4』の開発が始動する予定ともなっており、そのポテンシャルに触れても損は無いでしょう。『State of Decay』は誰もが夢想した「ゾンビ感染後の終末世界でどう生き延びていくか?」に答えた夢のゲームの1つです。




6位: 『Shadow Warrior』 (2013年9月リリース)
海外レビュー平均スコア: PC版 73/100

――IGN(86/100): 『Shadow Warrior』の優雅なソードプレイと驚愕に満ちたストーリーのおかげでLo Wangのカムバックツアーは成功した
――PC Gamer(80/100): 90年代中頃のシューターリバイバルは大成功。ユーモアのセンスにイラつくことはあるが、『Shadow Warrior』の戦闘は楽しい

2012年ついに書籍まで発売されてしまった忍殺が大流行の日本において、「間違った日本を満載した忍者テーマの古典カルトFPSがリメイクされる」と聞けば誰もが興味を持つところ。しかしFlying Wild Hogが放った『Shadow Warrior』は、意外にもマトモなストーリーや凝ったアニメーション、現代的なキャラクター育成要素など良い意味で多くのプレイヤーの予想を裏切ったタイトルと言えます。

率直に言えば本作は前身である元祖『Shadow Warrior』ほどカルト感やトンデモ日本要素は無く、変わりに用意されたのは大量の敵を日本刀で斬り裂いていくマッシヴな一人称視点メレーアクション。Flying Wild Hogの元スタッフたちが開発していた『Painkiller』に忍者テーマをそのまま被せただけ感はあるものの、複雑でありつつクセになる小気味よい操作感と絡んだスピーディーな戦闘は新鮮で楽しく、『Serious Sam』のような撃ちまくり系FPSが好きならば必ず触れるべきワザマエな作品です。




5位: スタンドアローン版『Cry of Fear』 (2013年4月リリース)
海外レビュー平均スコア: 無し



Valveが今年前半に行った『Half-Life』のLinux対応アップデートにより多くのMod作品が今まで通りプレイ出来無くなりましたが、おかげで『Cry of Fear』という名作Modがスタンドアローンと化したことについてはゲイブに感謝しないといけないでしょう。サンクス、ゲイブ!このMod自体は2012年リリースとなりますが、Steamからシングルクリックで誰でも無料プレイ出来るようになったスタンドアローン化を踏まえると、同作を2013年のトップ10に選んでもバチは当たらないはずです。

『Cry of Fear』をシンプルに言い表すのならばFPS版『サイレント・ヒル』。交通事故にあった主人公Simonが、現実とは思えない異形の者達が蠢く町を進み自身に起きた謎を解いていくというストーリーが描かれます。プレイヤーの精神に直接問いかけてくるような恐怖とサイコ感は圧巻で、初代PlayStationを思わせるグラフィックの荒々しさなどはすぐに忘れてしまいます。今まともな新作「シズオカ」がプレイ出来ない点を考慮しても、多くのホラーおよびシリーズファンはこの作品を見逃すべきではありません。




4位: 『Brutal Doom Ver 1.9』 (2013年10月リリース)
海外レビュー平均スコア: 無し



さて『Doom』が発売されたのは1993年であり、このMod『Brutal Doom』も今年バージョン1.9が正式リリースされたとはいえ登場したのは何年も前のことです。それでもゲームハードが次世代機へと移り変わる中、改めてFPSの根底にある面白さとはなにかを学ぶとき、発売20週年を迎えた『Doom』とその最高傑作Modである『Brutal Doom』を外すことは出来ません。

FPSというジャンルを分解していった時、最後に残るのは「敵の攻撃を避けて撃つ」というメカニックです。ゴテゴテとしたアニメーションや装飾、アンロックなどの付加的な要素を取り除いた時、この「敵の攻撃を避けて撃つ」で『Doom』に匹敵しているFPSタイトルは果たしてどれだけあるでしょうか。今も輝くFPSの原石である『Doom』と、それを研磨して美しく仕上げた『Brutal Doom』は、FPSを語る上で外せないマスター・ピースです。『Doom』生誕20週年の今こそ、この軽妙な操作感とデモニッシュな世界観に浸りましょう。




3位: 『Brothers - A Tale of Two Sons』 (2013年8月、9月リリース)
海外レビュー平均スコア: PC版 90/100、PS3版 85/100、Xbox 360版 86/100

――Polygon(90/100): ボタンを押すという行為によって、物語の最後の瞬間に私は泣いてしまった
――Eurogamer(90/100): 全体的に内容不足であり荒い部分も目立つが、それでも『Brothers』の最高のエンディングは勝利をもぎ取った


ファンタジー童話的な内容ではあるものの、『Brothers - A Tale of Two Sons』は『God of War』のような力強く厚みのある世界観描写を持っている3Dアクションゲームです。ストーリーは病気になった父親を救うため兄弟たちが薬を求めて壮大な冒険に出発するという内容で、闇夜に浮き上がる野犬の目や巨人兵たちの凄惨な戦いの跡などは、まるでガリバー旅行記のような冒険小説やジェフリー・カッツェンバーグ時代のディズニー映画の如く。次世代突入でリアル調のグラフィックにスポットが当たる中、このアニメーション映像と表現力に触れることが出来るのは非常に貴重です。

同作最大の特徴は1つのコントローラーを左スティック側と右スティック側で二分して2人のキャラクターをそれぞれ操る独自のプレイスタイルで、やや煩雑ではあるものの2人を同時に操作するプレイ感覚は新鮮。何よりも物語後半へ向けこのプレイ感覚が積み重なっていく結末は、ゲームメディアでしか表現の出来ない手法であり、『ICO』のR1ボタンに匹敵するとも言えるでしょう。ゲーム内では謎の言語でキャラクター達が喋り、一切のダイアログやメッセージも無いため、英語がわからなくともプレイは可能です。




2位: 『The Stanley Parable』 (2013年10月リリース)
海外レビュー平均スコア: PC版 88/100

――Polygon(90/100): 最高のコメディアンと同様に、『The Stanley Parable』は愉快であると共に洞察力に満ちている
――PC Gamer(90/100): あまりにも独創的で、しばしば驚異的で、常に愉快。『The Stanley Parable』はゲームのストーリーを作りだすストーリーを見せてくれる

The Stanley Parable』はメタフィクション小説のようであり、『世にも奇妙な物語』や『トワイライトゾーン』のようなミステリアスなドラマシリーズでもあり、しかし実際にはゲームというメディアそのものを利用した「エンターテイメント作品」という位置づけが最も相応しいタイトル。同じ一人称視点アドベンチャーでありながら同作は「神の視点」とそれに抗う「人」を描いた作品であり、今年高い評価を受けた『Gone Home』も、あるいは『Dear Esther』も『Proteus』も土俵が違うため本作と勝負にすらなりません。ズルい。

『The Stanley Parable』は、とある会社に勤務し毎日毎日飽きもせず指令を受けてボタンを押し続けている社員Stanleyが、ある日周りの社員が居なくなったことに気づき、会社の奇妙な裏側を見ることになる物語……のはずです。しかしただのミステリー作品で無いことは、ゲームをプレイして数分後には気づくでしょう。『Half-Life 2』のMod時代からグラフィック的に大きく進化し、軽妙なナレーションやウィットに富んだ物語でその素晴らしいアイディアを実現した同作。筆者は辞書片手にでもプレイを勧めますが、このオススメを断るのも『The Stanley Parable』らしい決断です。本作を買うのか無視するのか、正しいかどうかは別として選択権は常にあなたにあるのです。




1位: 『The Swapper』 (2013年5月リリース)
海外レビュー平均スコア: PC版 87/100

――Destructoid(100/100): 見事な解法が用意された素晴らしきパズルが哲学的なプロットラインを引き立てている。他に類を見ない忘れがたき体験だ
――IGN(93/100): 『The Swapper』の巧妙なパズルと、今まで殆どのゲームが描写してこなかったような方法で問いかける死という問題に、私は魅了されてしまった

The Swapper』は疑いようもなく『Braid』や『Limbo』といった名作2Dアクションの仲間入りを果たしているにも関わらず、国内外を問わず2013年多くのゲーマーが見逃しているように思えます。フインランドのFacepalm Gamesが今年5月に放った同作は、海外メディアからハイスコアレビューで迎えられたにも関わらず、大手のショーレースにも登場せずひっそりと評価されてきました。もう今年出たゲームはプレイし尽くしたというゲーマーは、真っ先に同作をチェックすべきです。

地球の資源が枯渇した遠い未来。宇宙資源を地球に届けるテセウス宇宙ステーションのクルー達は、ある日Chroi Vと呼ばれる砂漠の惑星で電気化学反応を示す「特殊な岩」を発見。この岩がテレパシーのような能力を持っていることを調査し、彼らを「The Watchers(監視する者)」と名づけます。

彼らの声に従いステーションの科学者は、使用者のクローンを作り出し、さらにそのクローンへと自分の精神を移し替えることが出来る「The Swapper」と呼ばれる謎の装置を開発しました。プレイヤーはこの「The Swapper」を持って、なぜか無人と化したテセウス宇宙ステーションと研究機関を探索。装置自体と岩たちの謎を解き明かし、ステーションから生き延びることを目指します。

クレイアニメーションを用いた特徴あるグラフィック、高い難易度を有しながらも決して理不尽ではないパズル、哲学的でもある知的なストーリー、そしてプレイヤーの勇気を試すエンディング。そして『The Swapper』ほど酷く不気味でヒンヤリとしたタイトルがあるでしょうか。装置「The Swapper」で瓜二つのクローンを作り出すと、彼らは自分と全く同じ動きをし、そして死んで消えていきます。このクローンに意識を移した自分は、それはもう本当の自分と言えるのか。ゲームメカニック自体に恐怖を込めつつチャレンジブルなパズルを盛り込んだ完成度の高い『The Swapper』は、文句無く『大作に隠れた良作ゲーム Top 10』のトップです。
《ishigenn》
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