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タッチデバイスで本格MOBA始動―『Vainglory』の魅力を開発者に訊いた

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タッチデバイスで本格MOBA始動―『Vainglory』の魅力を開発者に訊いた
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2014年9月、AppleのiPhone 6プレスカンファレンスで発表された、iOS専用の新規MOBAタイトル『Vainglory(ベイングローリー)』。Apple独自のグラフィックAPI「METAL」を採用するなど、既存のiOSアプリゲームとは一線を画しており、欧米のiTunesでは昨年末から配信中。Game*Sparkでは、先日発表のあった国内リリース決定に伴い、本作の開発元Super Evil Megacorpを取材、ゲームの詳細はもちろん、スタジオの開発精神や目指す方向を聞いてきました。

■本格的MOBAが遂にモバイルプラットフォームへ

『Vainglory』は、『League of Legends』や『Dota 2』にはじまる、今PCゲーム業界では最も熱のあるMOBAジャンルの新規タイトル。アクションRTSとも形容される対人戦(PvP)主体のゲームシステムで、複数のプレイヤーが各々個性的なヒーローキャラクターを操作。向かい合った二つのチームが敵の拠点を攻め落とすべく、マップ上を進軍しつつ攻防を繰り広げます。毎回マップは同じでも、プレイするたびに異なるドラマや駆け引きが生まれるのがMOBA最大の特徴です。


MOBAゲームの基本操作は、クリックのみで移動や攻撃指定を行い、僅か数種類のスキルを状況に応じて使用するという、非常にシンプルなもの。本作ではそれらを全てタッチ操作で行うため、MOBA経験者なら直感的にプレイに馴染めるはず。一般的なMOBAの対戦形式は5対5、3つのレーン(マップを進軍するための経路)が使われるのに対し、『Vainglory』は3対3でレーンも一本のみと、分かりやすい作りです。

本作で特筆すべきは、『LoL』に引けを取らない魅力的なキャラクターデザイン。いかにも洋ゲー的な屈強キャラもいれば、アニメ風な美少女キャラからポケモン的なかわいいモンスターキャラまで、日本人ゲーマーでもきっと親しみやすいルックスの多彩なヒーローたちが用意されています。Appleの独自3DグラフィックAPI技術「METAL」を採用しているだけに、そうしたキャラクターやマップディテールのクオリティーの高さは一見の価値あり。反面、対応機種がiPhone 5S以上、またはRetinaディスプレイ搭載のタブレットに制限されています。




■なぜPCではなくモバイルプラットフォームなのか

PCゲーマーなら、なぜこれほどのクオリティーを持ったMOBAを、PCではなくスマホやタブレット向けに開発するのか、疑問に感じることでしょう。その点をまず開発者にぶつけてみました。Super Evil MegacorpのCEO Bo Daly氏とCOOのKristian Segerstrale氏の説明によれば、そもそもMOBAをカジュアル向けにモバイルで作るのではなく、タッチスクリーンという新しいプラットフォームを使ってコア向けゲームの体験を提供したいという考えの下、独自のエンジンや技術を用いて開発しているのだとか。現在のApp Storeにおいて同ジャンルタイトルが少ないというのも理由のひとつということです。


取材に応じてくれたCEOのBo Daly氏(左)とCOOのKristian Segerstrale氏(右)

さて、もうひとつ気になるのは、既存のMOBAタイトルと何が違うのか、という点です。単にシステムが簡略化、小規模になっただけでは、ユーザーの目を引くことは難しいでしょう。それについても開発者に語ってもらいました。最も大きな点は、操作性にはじまり、ヒーロー、マップ構造、オブジェクティブ、1プレイに要する時間まで、ゲームのあらゆる部分がタッチスクリーンに特化してデザインされているということ。

さらに、モバイルデバイスで遊べる『Vainglory』ならではの魅力として開発者が挙げたのが、「LANパーティー」です。最近は一部でe-Sports関連の施設やイベントが増えているとはいえ、地方に住むユーザーや一般的なユーザーが、オフラインで一緒にPCゲームを楽しめる機会はなかなかありません。しかし『Vainglory』なら、仲間がスマホやタブレットを持ち寄って、簡単にLANパーティー的な催しを開きMOBAの対戦を楽しむことができます。CEOのBo Daly氏は、友人や家族が集まってWii Uなどのコンソール機を遊ぶのに近い感覚だと説明してくれました。


■スーパー悪役メガ企業? 斬新な開発スタジオ名の由来は

『Vainglory』の開発元Super Evil Megacorpは、米国を拠点とし、28名の業界経験者からなる新鋭スタジオ。かつてRockstar Gamesで『レッドデッド』シリーズに携わったCEOのDaly氏をはじめ、Riot Games、Blizzard、Electronic Arts、GazillionといったトリプルAクラスのデベロッパーから移籍した人材が集結。前述したように、彼らが「カジュアル向けのMOBA」ではなく、「タッチ操作のコア向けMOBA」を念頭において開発しているのもうなずけます。

「スーパー悪役メガ企業」とも訳せる個性的なスタジオ名の由来についてSegerstrale氏に話を聞くと、スタッフ全員が少年時代から現在までコアゲームタイトルをプレイして育った面々ばかりで、強烈で深みのある作品を愛してやまず、そうした体験を、タッチ操作でゲームを遊ぶようになった今の新しい世代に届けたいとの想いが込められているのだそうです。

■『Vainglory』今後の展開や日本語バージョンについて


2015年1月にApp Storeで日本語版の配信が決まっている『Vainglory』。現段階では、ユーザー規模やレイテンシーの快適さを考慮し、オンライン対戦は日本と韓国のみでマッチングされる仕様とのこと。ただし、将来的にはインターナショナルなオンラインプレイができるようになるのも視野に入れているそうです。ゲーム自体もコンスタントにアップデートを繰り返しており、およそ一か月ペースで新たなヒーローが追加されている状況。なお、現ビルドでランクドマッチは未実装ながら、パブリックゲームでもプレイヤーのスキルレベルが判定され、それに基づいて適正なプレイヤー同士がマッチングされる仕組みだということです。

最後にe-Sportsシーンへの参入についてもデベロッパーに話を聞いたところ、リリースから間もないということもあり、今のところ具体的なプランは立てていないとの答え。あくまでプレイヤーの評価や判断にまかせたいという意向で、自然的な盛り上がりに期待している様子でした。一方で、海外ではすでに小規模なトーナメントが開かれていたり、人気の『LoL』プレイヤーがTwitchでストリーミングしていたりと、ムーブメントは生まれつつあるようです。

『Vainglory』公式サイト http://www.vainglorygame.com/
《Rio Tani》

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