戦闘の無いローグライクストラテジー『As Far As The Eye』部族を率いて水没する世界を生き抜け!【爆速プレイレポ】 | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

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戦闘の無いローグライクストラテジー『As Far As The Eye』部族を率いて水没する世界を生き抜け!【爆速プレイレポ】

ローグライク要素のあるターン制ストラテジーゲーム『As Far As The Eye』の爆速プレイレポをお届けします。水没する世界で部族を導き、聖地「The Eye」を目指します。

連載・特集 プレイレポート
戦闘の無いローグライクストラテジー『As Far As The Eye』部族を率いて水没する世界を生き抜け!【爆速プレイレポ】
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最新ゲームが毎日大量にリリースされる昨今。メーカーやストアのゲーム紹介だけでは「どんなゲームかわからない!」とお嘆きのGame*Spark読者も多いのではないでしょうか。そこで“なるべく早く”ゲームの生の内容をお届けするのが本企画「爆速プレイレポ」となります。

今回はUnexpectedが開発し、Goblinz Studio, Maple Whispering Limitedによって2020年9月11日にPC(Steam、Epic Gamesストア、GOG.com)向けにリリースされた『As Far As The Eye』について生の内容をお届けしたいと思います。本記事ではSteam版を使用します。

Unexpectedはフランス・モンペリエのインディーデベロッパーです。2016年11月に設立され、これまでにアマチュア・ベテラン問わず、十数人がゲーム開発に関わってきました。ゲーム開発においては、オリジナリティとグラフィックに特に重点を置いているとのことです。フランスだからなのか、本作のグラフィックはオシャレな雰囲気がありますね。

『As Far As The Eye』のトレイラー

本作の内容ですが、ローグライク要素のあるターン制ストラテジーゲームです。世界が水没する前に、動物たちの部族を率いて、タイトルにもなっている聖地「The Eye」を目指します。プレイヤーは導きの風となり、部族の行動を管理したり、ステージクリアに必要な資材を集めたりしなければなりません。

一般的なローグライク要素のあるゲームには戦闘が付き物ですが、本作には敵がいないとのことです。つまり戦闘が発生しません。いったいどんなゲームなのか、さっそくプレイしていきましょう。

『As Far As The Eye』の実内容に迫る!



本作には通常プレイとキャンペーンの2つのモードがあります。キャンペーンはチャプター5まであり段階的にゲームを学べるので、最初はキャンペーンをプレイするのがいいでしょう。それにしても癒し系BGMが心地良いです。


キャンペーンのチャプター1では、ステージが水没する前に、画像中央にいるオクという人物(?)を次のステージへと導かなければなりません。これらのキャラは「Pupil」(弟子の意味)と呼ばれており、「シヴィライゼーション」シリーズで言うところの「労働者」の役割を果たします。わかりやすいように「部族民」と表現します。

画面下のメータが水没までの期限を示しており、このステージでは30ターンです。無駄な行動をしていると、いずれオクが水に飲み込まれてしまいます。ちなみにオクのそばに浮かんでいる風船は「トランスポートバルーン」と呼ばれるもので、資材を運ぶための装置です。

全体マップ。名作SFローグライク『FTL: Faster Than Light』やローグライクカードゲーム『Slay the Spire』のように、ステージをクリアしながら、点と線でつながれたマップを進んでいく形のものになっています。分岐がある場合もあります。

本作の目的は、前述したように聖地「The Eye」にたどり着くこと。キャンペーンでは分かりやすくするため、現在のステージをクリアしたら、次はいきなり『The Eye』ですね(通常ゲームでは、こんなにすぐにはたどり着きません)。道の途中の橋が壊れているようなので、先へ進むためには資材を集めて修復する必要があります。敵の登場しないこのゲームにおいて、ステージクリアの目的は必要数の資材を集めることです。


とりあえずオクを移動させましょう。各キャラにはMP(移動ポイント)があります。オクは3MPあるので、1ターンで平原タイルを3マス移動することができます。タイルの地形によって、消費されるMPは異なります。

右下の月マークは「ターン終了」ボタン。本作では、ターン終了したのちに、指定した移動先へキャラが移動を始めます。画像のように、あらかじめ遠くまでの移動を予約しておくことも可能です。


行く手を山が遮りました。山の移動はMPを4消費します。オクが1ターンで使えるMPは3しかありませんので、山を超えるためには2ターン必要です。山の向こうの灰色の土地はいわゆる「戦場の霧」で、何があるかは行ってみないと分かりません。


山を越えた先にいたのは、巨大な生き物。背中に住居や施設を背負っており、キャラバン(ようするに拠点)の役割を果たします。部族メンバーの集めた資材は、キャラバンの足元の資材置き場に置かないかぎり、カウントされません

オクはもともと鉱石を40持っていますので、これを資材置き場に置きましょう。橋を直すのに必要な資材は「鉱石40、木材80」。鉱石の数はクリアしたので、あとは木材を80集めるだけです。周辺を探索してみましょう。


ジャングルのタイルを2つ発見。オクを選択したのちに、キャラバンかジャングルを右クリックして木材マークを選ぶと、「伐採」を委任できます。オクが伐採能力のあるレッドパンダの姿に変身し(部族民は変身能力があります)、ターンを進めれば自動的に森で木を伐採し、持ち帰ってくれます(解除しないかぎり、任務を繰り返します)。

途中、落雷イベントでジャングルが焼かれてしまいましたが、すぐ隣にもジャングルがあるので、そこで伐採を続行。木材80を資材置き場にストックできました。


資材が集まったので、橋を直して次の場所へ移動することができます(橋は資材が集まった時点で直ったことになります)。キャラバンごと移動しますので、資材など運びたいものを積めるだけ積みましょう。これで次のステージを有利な状態で始めることができます。


とは言っても、次のステージはゴール地点である「The Eye」なんですけどね。これでチャプター1はクリアです。キャンペーンはあくまでチュートリアルの位置づけですね。

ゲームの概要をまとめると、「目標数の資材を、水没までのターン以内に集める」といったところ。いかに効率よく動くかが、クリアの鍵となってくるでしょう。

建設と交易




次のチャプターでは、操作できる部族民が2人になります。また先程とは違って、クリアしたらすぐゴール地点の「The Eye」ではなく、分岐がありますね。分岐先へ行くのに必要な資源は、それぞれ異なっています。

上の分岐先は「食料10、鉱石40、木材80」、下の分岐先は「ぺプキン(カボチャのような食材)540、石材100」。ヘクスマップを探索しながら、取れる資材に応じて進む先を決めるのもいいでしょう。


マップを探索すると、石材が取れる場所が1つと、ぺプキンの取れる場所が2つありました。ペプキンは木材を取った要領で収穫できますが、石材の方は「採石場」を造る必要があります。


石材の取れる丘のそばに採石場を建設。作業時は鳥の姿に変わりますね。完成までには3ターンかかり、木材100を消費します。幸い、木材はステージ開始時から200持っていますので、それを利用しましょう。


採石場が完成しました。あとは右クリックで採石の仕事を委任しておけば、自動的に作業をしてくれます。後は目標の「ぺプキン540、石材100」が集まるまで、ひたすらターンを進めましょう


資源が目標数に達し、ステージクリア。キャラバンに資材を積めるだけ積んで、次のステージ開始です。まずはキャラバンを移動させ、拠点になる場所を決めなければなりません。拠点を設置したタイルは、資源が失われてしまうので注意。平地など、資源のない場所を選びましょう。


今回、クリアに必要な資材は「木材50、鉱石10、石材120」です。マップ全体を探索したところ、木材と石材は確保できましたが、問題は鉱石の出るタイルが存在しないこと。この場合、「市場」を作ることで、他の部族と交易ができます。物々交換で鉱石を手に入れましょう。

市場を作るための素材としては、木材100以外に、市場を背に載せて運んでくれる巨大生物(「Rhinoffalo」といいます)が必要です。マップ上に2頭いたので、食料を使ってこれを飼い慣らします。


飼い慣らしに成功したので、さっそく市場を建設。市場はキャラバンと隣接するタイルにしか設置できません。人員を市場に配置する必要はなく、いつでも即座に取引ができます。木材40に対して鉱石1というレートですね。石材なら、鉱石1に対して10必要です。


木材を入手するために伐採をしすぎたことから、ジャングルタイルの資源が枯渇……。過剰な自然破壊を繰り返せば、精霊たちの怒りを買うことになります。今回は部族民の一人が病気にかかってしまいました。


市場での物々交換で鉱石も必要数集まり、ステージクリア。先程と同じように、資源や施設を運べるだけ運びましょう。今回は市場を作るために飼い慣らした巨大生物もいるので、運べる量は少し多くなっています。とは言っても、次はゴールの「The Eye」。チャプター2はこれで終了です。

職業と食料問題



これまで当たり前のように変身してきましたが、部族民はそれぞれ違う変身能力を身に着けることができます。それによってこなせる作業・こなせない作業が出てきます。ジョブシステムのようなものですね。職業は大きく分けて13種類あります。

また作業をこなすことにより経験値が得られ、スキルツリーで能力を強化できます。ツリーは途中で分岐があり、さらに専門化された上位ジョブに移行可能。例えば木材や食料を集められるレッドパンダですが、経験値を稼ぐことによって「果物収穫者」か「木材伐採者」の上位ジョブにチェンジできます。


チャプター3のクリアには羊毛が必要なので、羊たちのいるタイルのそばに放牧地を作って採取します(画像の右の部族民)。画面左の部族民は、レッドパンダの上位の職業である「果物採取者」にジョブチェンジしました。

本作では、部族民は毎ターン食料を消費し、食べるものがなくなるとHPが減っていきます。HPが尽きれば死亡。生存させるためにも、食料採取は継続的に行わなければなりません。


建設物は、持ち運びのできる「モバイル建設物」を作ることが可能です。そのまま設置する建設物に比べて必要な材料の種類が多いですが、一度作ってしまえばいつでも設置場所を変更できるという利点があります。またステージクリア時に、キャラバンに積み込んで次のステージで利用可能です。


マップを探索していると、遺跡を発見することがあり、そのまま中を調査できます。危険が潜んでいるかもしれませんが、利益を得られることも。

探索した結果、製材所を発見し、利用できるようになりました。これで周囲のジャングルから木材を得られます。拠点まで木材を持ち帰っていたら、時間がかかってしまいますしね。


穀物のあるタイルに農場を作ることができます。チャプター4では部族民が3人いるため、食料の消費が多い。ペプキンを収穫しているだけでは消費に追いつきません。

穀物を収穫し、ベーカリーを作ってそこで食料を生産しましょう。食材は穀物以外にもいろいろ用意されています。料理能力が高くなると新しい料理のレシピを覚えられ、少ない食材から多くの食料を生産することも可能です。



マップ内を他の部族のキャラバンが通過していくこともあります。遭遇すると3つの選択肢が表示され、その中から1つ選ぶことができます。交易をしたり、こちらに加入したい部族民を招き入れたりなど、状況に応じて選択しましょう。

ここでは新たなメンバーを招き入れました。高い料理スキルを持っているので、ベーカリーに配置して食料生産をしてもらいます。前述したように、食料が尽きるとHPが減り、最終的には部族民の死につながってしまうので、早急に対策したい問題です。

さらなる冒険の旅へ



部族民が増えると、問題は食料だけに留まりません。人数分の住居が必要になります。住居のない部族民は作業をしなくなりますので、住居不足になったら、市場を作ったときと同じように巨大生物を飼い慣らし、その背中にキャンプを作って住むところをあてがってやりましょう。


聖地タイルでは祈りを捧げることにより、資源を得ることができます。また略奪をしたり、供養物を捧げたりということも可能です。精霊を怒らせるとろくなことにはならないので、行動には注意しましょう。


上位ジョブであるドルイドは、5ターンを費やして遺跡の調査をすることができます。遺跡にはグッドイベントもバッドイベントもありますが、それらを事前に察知して回避することも可能です。また施薬所を作って回復ポーションを作成したり、周囲の資源を守る大樹に許しをもらって資源採取することもできます。


鳥のいるタイルが大量に!狩猟小屋を建てて狩りを行い、肉を取ることができます。また漁師小屋を造り、池で魚を釣ることも可能。取れた肉はクックハウスで調理して食料にします。腕のいい料理人を育てたいところですね。


キャンペーンを全チャプタークリアしてゲームの概要が分かったら、通常プレイに挑戦してみましょう。ゲーム開始時に4つの部族から一つを選べますが、それぞれ初期条件や難度が違います。またカスタムゲームを使えば、自分の好きな条件を設定してスタートできます。



キャンペーンと違って、「The Eye」までの道のりは長く険しい。通常プレイで始めた場合でもチュートリアルは表示されますので、「キャンペーンを遊ぶのが面倒」という方は、いきなり通常プレイで始めてしまっても問題ないでしょう。


知識ポイントを消費して、キャラバンや部族全体のアップグレードを行うこともできます(知識ポイントは市場を建てるなどすれば得られます)。視界を広げるなど便利なスキルが多いので、積極的に取ってきましょう。

キャンペーンに比べ、通常プレイはマップも広い。水没までのターン制限がありますので、出来る限り移動に時間を掛けたくないところです。

果たして「The Eye」までの長い道のりを踏破できるのか。部族民たちの能力を十分に活かしつつ、この続きはぜひとも自身の手でプレイしてみてください。

癒しのローグライク3Xストラテジー


『シヴィライゼーション』シリーズや『ステラリス』などの戦略ゲームは、「eXplore(探検)」「eXpand(拡張)」「eXploit(開発)」「eXterminate(殲滅)」の4つの要素から成り立っていることから「4X」と呼ばれています。

本作は敵が登場しないので「殲滅」はありませんが、その他の要素はすべて含まれています。言うなれば「3X」ゲームといったところでしょうか。戦略ゲームで戦争もせず、ひたすら内政に明け暮れているプレイヤーには打って付けの作品だとは思います(筆者も内政好きです)。

釣りをする遊牧民。釣りというか、超能力のようなもので魚を引き寄せて捕獲しています。

近年のローグライク要素のあるゲームと言えば、『Slay the Spire』のように「戦闘」と「マップ移動」を繰り返していくタイプのものが主流になっています。そのようなトレンドの中で、戦闘の無いローグライクストラテジーというのは、ある意味貴重な存在と言えます。落ち着きのあるBGMの中、緊張しないでじっくり遊べるのがいいですね。

しかし、殺し合いこそありませんが、飢えや病気で死ぬことはあります。生存するためには施設を造り、食料や資源を集めていかなくてはなりません。敵がいなくても、生き延びるのは容易なことではないのです。部族民たちの個性をいかに活かせるかが勝利の鍵となるでしょう。

現在日本語はサポートされていませんが、ルールや施設の効果などが分かればプレイ自体に問題はないとは思います。「一風変わったローグライク系の作品が遊びたい」「戦闘はしたくない」「ボードゲーム好き」という方は、ぜひとも本作をプレイしてみてください。

タイトル:As Far As The Eye
対応機種:PC(SteamEpic GamesストアGOG.com
記事におけるプレイ機種:PC(Steam)
発売日:2020年9月11日
記事執筆時の著者プレイ時間:6時間
価格:2,570円

《渡辺仙州》

歴史・シミュ・ボドゲ好き 渡辺仙州

主に中国ものを書いている作家。人生の理念は「知られていない面白いもの」を発掘・提供すること。歴史・シミュレーションゲーム・ボードゲーム好きで、「マイナーゲーム.com」「マイナーゲームTV」を運営中。著書に「三国志」「封神演義」「西遊記」「封魔鬼譚」(偕成社)、「文学少年と運命の書」「天邪鬼な皇子と唐の黒猫」(ポプラ社)、「三国志博奕伝」(文春文庫)など。

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