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『CONTROL』の世界で協力マルチシューター!襲い来る“付箋”を剥がせ――『FBC: Firebreak』プレイレポ

オールデスト・ハウス再訪。

連載・特集 プレイレポート
『CONTROL』の世界で協力マルチシューター!襲い来る“付箋”を剥がせ――『FBC: Firebreak』プレイレポ
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皆さん、付箋……剥がしてますか? 特に、襲ってくるタイプの付箋を剥がしたりしてますか?

今回紹介する『FBC: Firebreak』は『Alan Wake』や『CONTROL』のRemedy Entertainmentが開発した協力マルチシューターです。

特に『CONTROL』とは直接繋がっており、連邦操作局(Federal Bureau of Control)がある、あのオールデスト・ハウスが舞台なのです。

ブロック状のコンクリートが立ち並ぶブルータリズム建築の異世界のなかで、襲い来る敵を薙ぎ倒しながら、様々なミッションをクリアしていく体験はなかなか愉快でした。

FBCはいつも大忙し!「SCP財団」風の世界観で行われるドタバタマルチプレイヤー

『CONTROL』はネット上の創作コミュニティである「SCP財団」を元ネタにしており、世界観が繋がっている本作でもその空気感は存分に味わえます。

(IGNのインタビュー。「SCP財団」に影響を受けていると発言)

ちなみに「SCP財団」とは、特定の設定を共有した創作小説群であり、世界各国から届いた異常な物品や事象を、確保・収容・保護(Secure、Contain、Protect)する方法が綴られた報告書という体裁で、様々な書き手が書いたものを読んだり批評したりすることができます。「SCP財団」の説明はこれくらいにして、ゲームのプレイレポに移りましょう。

本作は『Left 4 Dead』などに代表される協力型マルチシューターです。最大3人まで同時に出動することができ、それぞれに決められた能力を用いて、敵のウェーブを捌いたり、特定のミッションをこなしたりして、オールデスト・ハウスの異常を“収容”していきましょう。

ゲームを始めると、まず3つのクライシスキットから1つを選ぶことになります。

「修理キット」は巨大なスパナでヒス(本作の敵です)をボコボコに叩き、様々なマシンを修理することができます。

「スプラッシュキット」水の球を射出して、ヒスを濡らしたり、燃えているものを鎮火させたりできます。

「ジャンプキット」は目の前に電磁波を射出して、濡れているヒスや地面を感電させることができます。

メイン武器の他にも、ショットガンやピストルといったサブ武器や、グレネードを携行できますが、基本的にはこれら3つの役割を上手い具合に分担しながら、色々な異常に対処していくことが求められます(なお、クライシスキットは自由に変更できます)

実際にミッションを遊んでいきましょう。ロード画面では一部が黒塗りの資料を渡されます。『CONTROL』っぽい~!

プレイしたのは「付箋狩り」。付箋……狩り……? 任務の概要は「付箋の数が危険的なレベルにまで増加し、連邦操作局のメンバーをシャッフラーへと変異させてしまった」とだけ書かれています。まったく意味が分かりませんが、とりあえず出動しましょう。

というわけで、エレベーターで該当の階へと辿り着きました。目に飛び込んできたのは……

付箋ッ!!

付箋がいっぱい落ちています。なんじゃこれは……と思って近づいてみると、やつらが顔に張り付いてきて、呼吸が難しくなってきました。こ、これはたしかに危険だ!

幸い、付箋は水に濡らしてしまえば無害になりますし、撃ったり感電させたりすれば破壊することができるようです。こんな調子で殺人付箋を剥がしていきましょう。

ちなみに本ミッションの上級版では、付箋に飲み込まれてしまった職員の「シャッフラー」を見かけることがあります。さながら付箋人間と化し、苦しみながら練り歩いている彼ら……あれはもう助からないので、我々の手で引導を渡してあげましょう。

プレイフィールはギミック処理と撃ち合いを交互に楽しむオーソドックスなシューター

ミッション中は、何かしらのギミック処理(モノを修理したり、ヒルが落とす放射性物質を運んだり)を行ったあと、ヒスのウェーブを捌くというのを何回か行います。すべての目標を達成したのち、誰かひとりでもエレベーターに乗り込めばクリアです。

全滅してもすぐにリスポーンできますが、パーティー共通のリスポーン用のリソースが限られているので、なるべくならフレンドに蘇生してもらいましょう。

ミッションのレベルを上げると別のマップに移動して新しいギミックを処理することになっていきますが、その割には全体を通してギミックは変わらず、だんだんと作業感が出てくるのが気になりますが、基本的にはどのミッションもバラエティに富んでいて面白かったです。

ミッションをクリアすると報酬が受け取れます。「要件」画面でポイントを払い、新しいスキルを手に入れたり、クライシスキットをアップデートしたりして、さらに難しいミッションに挑戦していきましょう。

撃ち合いの感触は悪くないですし、ギミック処理もシンプルで、購入してすぐにやるべきことが理解できるわかりやすさがあり、万人にオススメできる作品でした。

特徴的なマップ構造やアートワーク、『CONTROL』譲りのフレーバーなど、刺さる人にはとことん刺さるデザインになっている点も必見です。

とはいえ、現時点で目を見張るほど新しくて面白いフィーチャーがあるわけでもないので、あくまでオーソドックスなマルチプレイヤー・シューターであることは伝えておきたいです。

また、翻訳の品質についても『CONTROL』同様、あまり高くないのも残念です。ゲームプレイに大きな支障はありませんでしたが、せっかくのオリジナリティの高い世界観なので、日本語でじっくりと楽しみたいところでした。

Remedy Entertainmentが練り上げてきた芳醇な異世界で存分に暴れ回りたいという人は、ぜひとも挑戦してみてください。

  • タイトル:『FBC: Firebreak』

  • 対応機種:Steam/PS5/Xbox Series X|S

  • 記事におけるプレイ機種:Steam

  • 発売日:2025年6月17日

  • 著者プレイ時間:3時間

  • ※製品情報は記事執筆時点のもの

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ライター:各務都心,編集:みお


ライター/ 各務都心

マーダーミステリー『探偵シド・アップダイク』シリーズを制作しているシナリオライター。思い出の一本は『風のクロノア door to phantomile』。

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編集/取材も執筆もたくさんやる、半ライター半編集 みお

ゲーム文化と70年代の日本語の音楽大好き。2021年3月からフリーライターを始め、2025年4月にGame*Spark編集部入り。

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