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獣の群れと心通わせ旅情まにまにアドベンチャー『Herdling』先行プレイレポ―開発スタジオの遺伝子を受け継ぐ、美しくもどこか寂しさを感じる冒険でした

不思議な生物カリコーンたちと心を通わせながら、静かに旅を続ける唯一無二のプレイフィールでした。

連載・特集 プレイレポート
獣の群れと心通わせ旅情まにまにアドベンチャー『Herdling』先行プレイレポ―開発スタジオの遺伝子を受け継ぐ、美しくもどこか寂しさを感じる冒険でした
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今回はデベロッパーをOkomotiveが、パブリッシャーをPanicが担い、2025年08月21日にWindows PC(Steam/ Epic Gamesストア)、またコンソールではPS5/ Xbox Series X|S/ ニンテンドースイッチ(2にも対応)向けにリリース予定の獣使い探索ADV『Herdling』をご紹介。

FAR: Lone Sails』や『FAR: Changing Tides』で唯一無二の旅体験を提供してきた同スタジオが、これまた独特の世界観と旅情を描く本作では一体どのような物語が待っているのでしょうか。なお今回、幸運にも先行プレイの機会を得ましたので、発売前のバージョンに基づいてプレイ・執筆を行っています。

『Herdling』とは?

本作は、プレイヤーが若き牧童(?)となり、不思議な生き物「カリコーン」の群れを導き、安住の地を求めて広大な世界を旅するパズルアドベンチャーゲームです。カクリコンではなくカリコーン。言葉によるコミュニケーションは存在せず、プレイヤーは杖を振ることで生まれる合図や、口笛でカリコーンたちと心を通わせ、彼らの習性を利用して道を切り拓いていきます。

街の裏路地を抜けて視界がひらけると、大自然がどこまでも広がっていく……といった演出が素晴らしく、ただ景色を眺めてのんびり歩き回るだけでも十分楽しい本作。しかしながら世界には様々な危険や自然の脅威が待ち受けています。

カリコーンたちがどう動くのかを理解し、彼らを守りながら、時には勇気を伴った判断で導く……この一連のインタラクションを通じて、プレイヤーと動物たちの間に、言葉なき絆が生まれていく過程こそが、本作の核となるプレイバリューと言えましょう。

操作・設定・言語について

本作の操作はキーボード&マウス、そしてコントローラーに対応しています。どちらを選んでもプレイフィールに大きな差はなかったので、お好みで選ぶとよいでしょう。個人的にはアナログスティックの方が直感的に操作できる分、本作の持つ雰囲気をより深く味わえると感じました。

その他設定項目については、オーソドックスなものが並びつつ、アクセシビリティの部分でプレイヤーの操作の好みをより細かく調整できるようになっています。また言語について、UI・テキストともに日本語対応済みです。

本編開始

さあはじまりました『Herdling』。

ゲームを開始するとムービーが始まり、どこかの街の裏路地を映しつつ、高架下で粗末な暮らし(?)をしている少年にフォーカスされます。

この努力と未来とa beautiful starを獲得した米◯玄師みてえな佇まいの彼こそが本作における主人公。

ここから我々プレイヤーは彼を操作していくのですが、これは個人的にちょっと意外なスタートです。というのも本作はどこか牧歌的なファンタジー世界で獣とともに暮らしている日常を切り取って物語が立ち上がるもんだと勝手に思っていたところへ、電車などが走り回る極めて現代的かつ袋小路な人生を抱えた少年というセットだったもので……!

最初の仲間

ともあれ薄汚れた裏道を抜けていくと、工事現場の跡地なのか、開けた場所に出ました。なにやら画面奥の方でモゾモゾと動く影あり。

街灯に照らされたその姿は、丸っこくてフワフワした毛並みの、ウサギのようでもあり、しかしその角は立派すぎるほどに主張している不思議な生き物「カリコーン」に出会います。

話は前後しますが、彼らはたいてい登場時に、頭がバケツにハマってるだの怪我だの崖から落ちそうだのなんだの困った状態に陥っているので、助けてからやさしく撫でることで、手懐けることが可能。そうやって仲間にするカリコーンを増やしつつ、大所帯の群れと一緒に旅をしていくのです。

ちなみに彼らの名前はランダムまたは自分の入力で変更可能。こうしてスパくんの群れが誕生することになりました。

どんどん増えるスパくんファミリー

杖と口笛が紡ぐ、不思議な信頼関係

ともあれ仲間にしたはいいものの、どうしたものかと途方に暮れていると、カメラアングルが「次の行き先」をそれとなく示すような動きを見せます。おお、なるほどあっちの方へ向かえばよいのですね。しかし自分だけテコテコ歩いてもカリコーンはだんまりです。

本作は基本的に言葉に頼らず物語を演出するので、ゲーム内における文字情報は極めて少ないです。しかしプレイヤーを迷子にしないよう、細かな配慮が行き届いており、先程のカメラワークもそうですが、他にはインタラクトできる対象は水色を基本とした「色」でハイライトされているのでわかりやすい。もちろん「杖を振る」「口笛を吹く」というアクションガイドも適宜表示されます。

表示に従いおもむろに杖を大きく振ってみると、杖の先から放たれた光に導かれるように、カリコーンがそちらへと歩み寄ってきます。そして、試しに短く口笛を吹いてみると、彼らはピタリと動きを止めめるではありませんか。

この「杖による誘導」と「口笛による停止」こそが、彼らとコミュニケーションを取るための基本手段なのです。我々プレイヤーは努力未来少年をラジコン操作しつつ、カリコーンの群れを後方からゆるやかに誘導していくのです。牛や羊を連れて行く印象に近いかもしれません。

たくましく生き延びていこう

マップには時々ギミックなどが用意されており、カリコーンたちと力を合わせて倒木をどかしたり、扉を開けたりします。ギミックといっても、そんなに頭を捻って悩むような難しさのものはなく、前述のそれとない誘導もあいまって特に躓くこともなく進行できるでしょう。

これらギミックは、「広大な景色を進む」ゲーム進行が中だるみしないよう緩急をつけるために設けられた演出だと個人的には感じます。雄大な山々などを眺めるのは楽しいですが、ずっと続くと流石にね。

また旅を続けるうち、世界はその美しさだけではない、厳しい側面も見せ始めます。壁画?に描かれた鳥の化け物みたいなのがどこか無機質で非常に怖い。

そうした脅威に直面した時、カリコーンたちにどのような指示を与えるのかがポイントです。

彼らを怪我させずに進まないといけない、そういう難しい場面であっても、「さりげない誘導」のおかげで攻略のヒントはすぐにわかることでしょう。あとは杖で位置取りを微調整しながらそろそろと移動するだけで……移動……なんか勝手に動き回る……!

ちょっとだけもどかしい

本作の良いところでもある「カリコーンたちを誘導する」という操作ですが、プレイヤーが直接操作する少年と違い、「誘導」による操作が一拍あいだに挟まるため、ちょっともどかしさも感じるところだったりします。

また少年の走る速度とカリコーンたちの移動が噛み合わない場面もありちょっとだけストレス。うっかり群れの中心を通り抜けてしまうと、そこで誘導操作の判定によって、突如カリコーンたちがくるりと背中を向けてもと来た道を戻ろうとしたりなんてこともありました。

とはいえ本作は別に急ぐ旅路のゲームでもなく、丁寧な操作を心がければ良いだけなので、ゲーム全体の面白さを損なうほどのストレスではありませんでした。


『FAR』が機械との対話の旅であったなら、『Herdling』は、自然や生き物との対話の旅と言えるでしょう。言葉は通じずとも、心を通わせ群れを導く楽しさ、彼らが危険にさらされた時の焦り、そして無事に困難を乗り越えた時の安心……Okomotiveが描く新たな旅は、今回もまた、プレイヤーの心を強く揺ぶる体験に満ちています。

まだ見ぬ安住の地を目指す、我らが主人公である少年とカリコーンたちの旅の行く末を見届けてまいりましょう。

  • タイトル:『Herdling』

  • 対応機種:Windows PC(Steam/ Epic Gamesストア)/ PS5/ Xbox Series X|S/ ニンテンドースイッチ(2にも対応)

  • 記事におけるプレイ機種:Windows PC(Steam)

  • 発売日:2025年08月21日

  • 著者プレイ時間:2時間

  • サブスク配信有無:Xbox Game Pass/PC Game Pass対応

  • 価格:未定(リリース後に正式な価格を追記予定です)
    ※製品情報は記事執筆時点のもの

スパくんのひとこと

大自然の空気を感じるかのようなアートデザインも秀逸スパよ

ライター:麦秋

ライター/お空の人。 麦秋

普段は仕事であちこち渡り歩いては飛んでます。自分が提供するものが誰かのお役に立てれば幸い。皆さんのこくまろなキャラに並べるよう頑張ります。

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