今回は、LaoO Studioが贈るPC向けタイトル『先生!新刊三冊くださいッ!』をプレイ!本作は、同人作家の主人公が、二次創作の小説を執筆するために、様々な場所へ出かけてアイデアを集め、グッズの作成や部屋のカスタマイズをしたりする、同人活動疑似体験シミュレーションです。

皆さんは同人活動ってしたことがありますか?僕は、趣味の期間を含めると20年以上もイラストを描いて発表してきているのですが、描けるのはおじさんのみという特異性のせいで、二次創作というものをした経験がないのです。今回は、そんな叶えられなかった同人活動を堪能してこようと思います!
◆まずは主人公のキャラメイク……じゃなかった!

本編を始める前に、まずはキャラクターを作成するようだ。主人公の外観を作るのかな。

主人公の外見を作るようだ。目鼻口や髪型などのパーツは豊富だが、残念ながらモヒカンは見当たらない。ただ、各パーツの長さや太さを自由に変えられるので、髪を縦長に調整してモヒカン風にしてみた。なかなかいい感じだ!
まん丸の目をペタンコにしたり、他のパーツを流用して目の下にクマを描いたりすると、どんどん吉田輝和っぽい顔になってきた。

キャラメイク中に現実の僕の顔の特徴を考えていると、いいところがひとつもないことに気付いて悲しくなる。

完成したのがこちら。デフォルメされていて可愛らしいのに、しっかりおじさん感が出ている気がするぞ。さあ、本編開始だ!と思ったら、2キャラ目も作らないといけないようだ。主人公の仲間キャラを作るのかな?

流石にまたイチから作るのは大変なので、既存のキャラクターを使わせてもらおう。ワークショップ(他のプレイヤーが作ったキャラクター)に某忍者っぽいキャラクターがいたので、これにしよっかな。一応名前には伏せ字を入れて“ナ◯ト”と任命した。読みは“ナマルト”だ。

ん?カップリング?どういうことだ?

さらに、吉田のおじさんとナ◯ト、二人の関係性を決めていく。どういうことだってばよ。

「どちらが先に亡くなってしまうか」って、そりゃ僕もう42歳だからね。

そう、これまで作っていたのはゲームの主人公とその仲間ではない。カップルだったのだ。

混乱しつつも、吉田のおじさん×ナ◯トのカップリング名は“おじなる”に決定!って、主人公は?
◆イベント初参加で100部も刷っちゃった……!

“おじなる”とは、吉田輝和とナ◯トの2人のキャラクターの組み合わせのこと。本作の主人公は、“おじなる”が好きで、二人の物語を描きたいと思っている大学生、伊香詩子ちゃんだ。

彼女は同人オタクであることを隠しているらしく、めっちゃ早口でオタクであることを否定している。
僕と違って、見た目はオタクっぽくないし、オタクグッズを身に着けているわけではない……いや、矢印や×の髪留めがソレっぽさを表しているのかな。ともかく本人はオタクバレしないように振る舞っていたんだけど、うっかりハードディスクを落としてしまう。ハードディスクには詩子ちゃんが書いた“おじなる”の同人小説が入っているのだ。

拾ってくれた海月さんは“おじなる”の同人小説を読んで詩子ちゃんのファンになったらしく、もっと同人小説を書いてネットにアップするように提案してきた。詩子ちゃんは押し切られるように、同人活動を始めるのだった。

ちなみに、この世界における“おじなる”はかなりの覇権コンテンツらしく、街の中にデカデカと広告が掲げられていた。これなら新参の詩子ちゃんのネット小説でも感想が結構貰えそうだな。

自宅に帰って執筆開始だ。自宅では、執筆や外出、部屋の模様替えなどが可能だ。執筆するにはネタの仕入れが必要になる。学校や映画館といった場所で過ごすとネタが仕入れられるぞ。

今回は“獣化”ネタが手に入ったので、小さな猫になってしまったナ◯トと、おじさんによるドタバタハートフルコメディを執筆する。小説は自動で進むが、途中に挟まれる選択肢次第で物語が変化していく。

今はまだ海月さんからしかSNSでの感想を貰えなかったけど、いずれは詩子ちゃんの小説が“おじなる”界を席巻するだろう。多分。

ときにはファンからジャンル指定で依頼をもらうこともある。悲しいファンタジーモノでも、ドラマチックな警察モノでも、拷問モノでも、依頼が来ればどんなジャンルでも執筆する詩子ちゃん。これは大成する器を持っているな!

執筆活動の合間にも、オタ活もしっかり行う。クレーンゲーム式のガチャくじでは様々なグッズが手に入る。

手に入れたグッズは、自室に飾り付けが可能だ。

現実の僕は特定の作品を推しているわけではないが、ゲームイベントで貰ったノベルティやガチャでゲットしたモノを飾っているぞ。強いて言えばインディーゲー推しだな。

部屋に飾る以外にも、痛バッグも作れちゃうぞ。“おじなる”グッズでバッグをデコっちゃおう。

ちなみに僕のバッグにも自作の吉田輝和缶バッジがついていて、これも痛バッグに育つ可能性を秘めている。もっとも、本人が本人を推しているという妙な構図になってしまうけどね。

投稿した小説がたまってきたら、同人誌としてまとめてイベント参加だ!海月さんが「100部刷ろう!」とハチャメチャな提案をしてきて、結局押し通されて100部刷ってしまった。初参加だぞ……!

同人イベント初参加で「フォロワーが◯万人いるから◯冊くらいは出るだろ~」と甘く見積もった結果、数冊しか売れなかった……なんて話をよく聞くけど、大丈夫かな?

果たして詩子ちゃんの“おじなる”本の運命はいかに……?
主人公をキャラクターメイキングするつもりがカップルを作っていた……という勘違いから始まり、ゲーム内とはいえ、まさか自分自身の二次創作をするとは思ってもいませんでした。
僕のようにキャラメイクが下手くそな人でも、他のプレイヤーが作ったキャラクターデータを使用すれば、あの作品のあのカップリングまで作れちゃいます。リアルではマイナーなカップリングでも、本作の中では覇権を取ることだって出来ます。別世界線の推しを楽しむような感覚で遊べると思います。
SNS投稿から始まり、イベントでの同人誌頒布や同好の士との交流まで。僕自身は同人活動の経験がないのでリアルさの判断はできないが、ゲームとしてはしっかり楽しめました!
同人経験のあるライターさんによるプレイレポートも掲載されているので、こちらもぜひ読んでみてください!
『先生、新刊三冊くださいッ!』は、PC(Steam)向けに発売中です。














