アカツキゲームスとアニプレックスがタッグを組み、開発のブラストエッジゲームズと手掛ける2D見下ろし型アクションRPG『HYKE:Northern Light(s)』。本稿では、2025年9月19日リリース予定の本作について先行プレイレポをお届けします！
なお、執筆にあたってはアカツキゲームス、アニプレックスよりSteamキーを提供していただいています。
『HYKE:Northern Light(s)』序盤の物語
本作の舞台となるのは、人類と魔女の戦争により荒廃した世界。白髪の少女「ハイク」が母を探して世界中を旅する物語が語られます。
ゲームを開始して操作確認のチュートリアルをこなしていると、「オーロラ」という魔女が人間サイドの権力者と思しき「ワイズマン」と対峙するイベントシーンがスタート。戦闘の末、世界各地に謎の光が飛び散っていきました。
その後、場面は仲間であるリコと車で旅をするハイクの視点に移ります。車を走らせて辿り着いた寂れた町で、ハイクたちは事故で閉鎖された発電所に魔女が潜んでいるという話を耳にします。また、魔女との戦争で活躍したという企業「レザレクション」の兵士も町で何やら活動中で不穏な空気が漂っています。
そんなこんなでひとまずキャンプを設営するハイクたち。すると、車に積んでいたラジオから不思議な声が聞こえてきます。曰く、森の先にある観覧車を更に超えた先にハイクが探す母の手がかりがあるといいます。
ハイクは声に告げられた通りに森の探索を開始することに。森の中には奇妙な生物に加え、墜落した飛行機や廃墟化した建物など戦争の爪痕と思しき残骸も残されています。
森の探索を進めているうちに仲間のリコも合流。ここから先は操作キャラクターを切り替えながら戦闘ができました。
森をさまよい最奥に辿り着いたハイクたちの前に姿を現したのは正体不明の魔女と巨大な光輝く物体でした。はたして彼女の目的とこの物体の持つ意味は...？答えはボス戦の後に知ることができるようです。
このように本作の物語は基本的に各地を旅し、そこで待つ魔女を見つけ出して行く形で進行します。また、その道中には「レザレクション」が立ちはだかることも。それぞれの魔女たちの目的、そして「レザレクション」の思惑が絡み合う中、ハイクは母を見つけ出すことができるのでしょうか。
使用感の異なるキャラの使い分けが楽しいシンプルな戦闘
ここからは本作の戦闘に関する感想をお届けします。戦闘はシンプルな操作で、見下ろし型2DアクションRPGと聞いて想像する通りのプレイ体験です。
必要な操作は、移動と通常攻撃、2種類の特殊技、回避と初心者でも楽しくプレイできます。また、最初のうちは敵もそこまで複雑な挙動をせずに、光ってから突進する、チャージしてから遠距離技を放つといった程度で、そこまで難しくは感じないかもしれません。
しかし、操作するキャラクターごとに個性がしっかりと作られており、戦闘スタイルが大きく変化するので、新しいメンバーが加入するたびに気持ちを新たに楽しむことができます。
その個性も特殊技が変化するといった程度にとどまりません。2つの形態を切り替えながら戦うキャラクターや、回避が使えず代わりにパリィでの受け流しを軸に戦うキャラクターなど大幅な変更が加えられており、完全に別のプレイ体験を生み出すことに成功しています。
育成要素として特殊技の変更、強化なども可能。特殊技は5つほどの中から2つを選んで装備することができるので、シナジーがありそうなものを選出してみましょう。気に入ったキャラクターを一気に育てるか、まんべんなく育てるか、今後加入するであろう新メンバーのために貯めておくか、プレイヤーの性格が出そうな要素でした。
また、先ほど敵はあまり複雑な動きはしないと書きましたがボス戦は別。画面中を縦横無尽に動き回り攻撃を仕掛けてくるため、状況に応じてキャラクターを切り替えつつ、敵の行動パターンを把握しなければ負けてしまうほど手ごたえのある内容になっています。
さらに、ステージ内にトラップや巨大兵器などの特殊なギミックが用意されていることもあり、ちょうどいいスパイスとして機能していました。
序盤は適当にプレイしていてもゲームオーバーになることが難しいように感じられましたが、進めていくと敵の火力が格段に上がり攻略に緊張感が。特に、操作キャラクターが指定されるサブクエストには、出現段階での攻略が非常に難しいものも含まれていました。
なお、ゲーム開始時に難易度を「ADVENTURE」とより難しい「ACTION」から選択でき、本プレイレポではACTIONをチョイスしています。アクション要素を重視しない場合、ADVENTUREで戦闘をサクサクこなしつつ物語をメインに楽しむという遊び方も可能と思われます。
もう一つのメインコンテンツ、まったりキャンプ要素
物語・戦闘と並ぶ本作のメインコンテンツがキャンプ要素です。ハイクたちは母の足跡を求めて向かった各地で拠点として機能するキャンプを設営することになります。
キャンプでは仲間になったキャラクターたちが思い思いに過ごしており、美しい風景を眺めて写真を撮ったり仲間同士のフルボイスの会話イベントを見たりすることが可能です。
また、ステージクリアやショップで手に入る家具や小物を置いて、自分なりのキャンプ地をデザインすることもできます。
ステージクリアやショップで入手した食材、調理器具、レシピを使えば様々な料理を作ることも可能。戦闘時に役立つバフ効果を得られるので、次に使いたいキャラクターと相性のい
い効果が付いた料理を出撃前に食べておくのがいいかもしれません。
面白いことにキャンプ画面には最大6時間まで分刻みで設定可能なタイマー機能が搭載されているほか、画面上部には現実の時刻も表示されています。
BGMも自由に設定できるので、使いようによっては作業中の放置ソフトとしても活用できるのかもしれません。時間経過などにより虫の鳴き声などの環境音も聞こえてくるのでキャンプ画面を開いておくだけでもリラックスできそうです。
“旅”の雰囲気を作り出すことに重点が置かれている
世界そのものが廃墟となってしまったかのような、退廃美が特徴的な数々のステージは独特の魅力を備えています。キャンプ地含めてドット絵の質は高く、ステージ道中には絶景を楽しめる場所が用意されていることもあります。
今回のレビューの範囲では重い世界設定に重いテーマながらもストーリーの核心部分に触れる内容が含まれていなかったため、その先でどのような物語が進んでいくのかに期待がふくらみます。
“旅”を軸とした描写に力が入れられていることのメリットとしては、仲間たちと世界中を巡る旅をしているという感覚を、存分に堪能できたという点が挙げられます。例えば、キャンプでの会話イベントには主人公×仲間以外に仲間同士による掛け合いも含まれており、グループ内の人間関係を垣間見ることができる仕上がりでした。
個性豊かなキャラクターの能力を活かして戦闘を乗り越え、キャンプではその仲間たちとくつろぐ。そして、次の場所ではどんな出会いや事件が待ち受けているのだろう、どんな風景を楽しめるだろうと思いを巡らすこの感覚はまさに“旅”そのものといえるのではないでしょうか。
2025年9月19日リリース予定
『HYKE:Northern Light(s)』は、PC（Steam）/PS5/ニンテンドースイッチ向けに2025年9月19日10時リリース予定。価格は2,800円です。
※ゲーム画面は開発中のものです。
© 2025 Aniplex Inc. Akatsuki Games Inc
